ITEM CODE:
JRO018902

【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring c.1925~

【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring c.1925~
85,800HOLD 円(税込)
85,800HOLD 円(税込)
【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
  • 【GARDEN OF THE GODS】Atq T-Bird Stamped Silver Ring  c.1925~
着用サンプル画像
https://www.instagram.com/p/DBlypaRzx5u/
【PUEBLO】プエブロ・【NAVAJO】ナバホの多くの作家が在籍したインディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで作られた事が判る非常に貴重なアンティーク/ビンテージリングです。

小さなリングですが、アンティーク作品らしい手の込んだシルバーワークとサンダーバードのスタンプ等を含むオーセンティックなデザイン、そして殆ど使用された形跡の無い素晴らしい保存状態もその価値を高めています。


本作にはホールマーク(作者やショップのサイン)の刻印がありませんが、使用されているスタンプツール(デザインを刻む刻印)から、ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで作られた事が特定可能です。

全く同じスタンプ(鏨)ツールが使用された作品につきましては、下記リンクの作品をご参照ください。

ITEM CODE:JBO015176
【GARDEN OF THE GODS】Historic Stamped Coin Silver Cuff c.1935
 

ITEM CODE:JBO013431
【GARDEN OF THE GODS】 Antique 卍 Stamped Cuff w/Sq. TQ c.1925


同トレーディングポストでは、古くからハンドメイドのスタンプツールとコマーシャルスタンプと呼ばれる既製(工業製品)のツールが同時に使用されていましたが、本作に見られるようなサンダーバードのデザインは、同トレーディングポスト以外では発見されていないスタンプ/刻印となっています。


ホールマークがない為に、正確な制作時期の特定は困難ですが、1920年代中頃~1940年代初頭頃までの作品と推測され、おそらくコインシルバー製であった『SOLID SILVER』の刻印が使用されていた時期の作品ではないかと推測されます。


インゴットシルバー(銀塊)から成形されたシャンクは、フロントとサイド~バックで厚みが異なるシャンクとなっており、銀塊からハンマーワークによって形作られた作品らしい特徴を備えています。

そして『Chasing/チェイシング』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術、さらに『ファイルワーク』というヤスリで削る原始的な技法を駆使することで、スタンプワークに呼応した細かな動きや凹凸、立体的なラインが形成されています。

さらに、それらのライン上には素朴ながら力強いスタンプワークが刻まれ、複雑な紋様ではありませんが、力強いナバホらしさと奥行きのある表情を生み出しています。


フェイスには、カボションカットされたグリーンターコイズがマウントされており、その石を留めるベゼル(覆輪)も丁寧にハンドメイドされています。
そして、その両サイドにはチェイシングとスタンプワークを組み合わせたロープ状の造形が施され、さらに外側にはフラットに叩き鞣されたシルバーボールのアップリケが配されています。

また両サイドには、前述の通り同トレーディングポストの作品でしか発見されていないサンダーバードのスタンプが力強く刻まれており、本作の製作された背景を考察可能とし、高い史料価値を与えています。



【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。

実在しない為にその容姿は作者の意匠に委ねられており、イーグルの様な威厳のある姿から、小鳥の様な可愛いデザインまで幅広く表現されているのも魅力の一つとなっています。



【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。

所属していたのは、インディアンジュエリー創成期の最もクリエイティブな作家の一人として知られるサン・イルデフォンソの【Awa Tsireh】アワ・シーディー(1898-1955)をはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。

GARDEN OF THE GODSも1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛により創業された「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるジャンルにカテゴライズされている【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の分業化や機械化を進めインディアンクラフトの量産化を図ったメーカー/Manufacturersと同じスタートを切っていますが、インディアンアートショップとして古い伝統技術や製法を守り、独自性を持ちながら工芸品/アートピースとしての制作が行われており、上記の様なフレッド・ハービースタイルのマスプロダクト製品とは一線を画す存在です。

しかしながら、当時とても新しいかったポップなスタイルを持つAwa Tsirehの作品が、【BELL TRADING POST】をはじめとする量産メーカーに模倣されたことや、【Fred Peshlakai】の作品、【C. G. Wallace】で作られたデザイン/造形が上記のようなメーカーのデザインソースとなったことによりGARDEN OF THE GODS TRADING POSTやFred Wilson's Indian Trading Post、Southwestern Arts and Crafts等の分業や量産化を図っていない工房の作品も量産メーカーによるフレッド・ハービースタイルと混同されることになってしまいました。

1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、その後は妻がビジネスを引き継いでいたようですが、1979年にはビジネス自体が買収されました。そのため、ジュエリー等の制作は1950年代頃までだったと思われます。

また、同店はコロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて、現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。



【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。
また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。

同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。

また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。

シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。

さらに古い1800年代後半~1920年代以前の作品では、メキシカンコインが多く含まれていた為、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっている個体も多いようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。
それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


本作と同時期に同トレーディングポストで制作された作品に刻印されている『SOLID SILVER』は"無垢の銀製"を表し、メッキでないことを意味しており、インゴットシルバーであることを表してはいませんが、当時のGARDEN OF THE GODSの作品は全てがインゴットシルバーからハンマーで叩くことで成形されており、こちらの作品が制作された時期には全てのシルバージュエリーにコインシルバー(銀含有率90.0%の地金)が使われていたとされています。



同時代にガーデンオブザゴッズで制作されたリングは、その現存数が極端に少なく、同トレーディングポストらしい特徴を備えているか判断できませんが、数少ないアーカイブとして非常に高い史料価値を有しています。

また、サンダーバードをモチーフとした細かなスタンプワーク等により、ビンテージインディアンジュエリー独特な表情とラフで奥行きのある表情がもたらされていますが、360度どの角度から見ても素晴らしい造形美には、作者の信念や美意識が宿っているようにも感じられます。

非常に手間のかかるディテールが惜しげなく盛り込まれ、プリミティブな製法ながら時間と技量が注がれたシルバーワークにより、武骨ながら深遠な味わいを感じさせます。

また、その豊かな表情とアンティークジュエリー特有の質感が魅力的で、性別やスタイルを問わず日常のコーディネイトに取り入れやすいリングです。
さらに、小さいサイズながら男性のピンキーリングとしても素晴らしいバランスとボリューム感です。


アンティークジュエリーの中でもリング/指輪は使用による摩耗や紛失などによりその多くが消費されてしまい、現存数が少ない大変希少なアーカイブとなっています。
アンティーク工芸品として、コレクションとしてのみでもその価値を十分に味わえる非常にコレクタブルなリングであり、トレジャーハントプライスなピースの一つです。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションは、ハンドメイド特有の制作上のムラや細かなキズが見られますが、石を含め使用感の少ないとても良好な状態を保っています。
【PUEBLO】プエブロ・【NAVAJO】ナバホの多くの作家が在籍したインディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで作られた事が判る非常に貴重なアンティーク/ビンテージリングです。

小さなリングですが、アンティーク作品らしい手の込んだシルバーワークとサンダーバードのスタンプ等を含むオーセンティックなデザイン、そして殆ど使用された形跡の無い素晴らしい保存状態もその価値を高めています。


本作にはホールマーク(作者やショップのサイン)の刻印がありませんが、使用されているスタンプツール(デザインを刻む刻印)から、ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで作られた事が特定可能です。

全く同じスタンプ(鏨)ツールが使用された作品につきましては、下記リンクの作品をご参照ください。

ITEM CODE:JBO015176
【GARDEN OF THE GODS】Historic Stamped Coin Silver Cuff c.1935
 

ITEM CODE:JBO013431
【GARDEN OF THE GODS】 Antique 卍 Stamped Cuff w/Sq. TQ c.1925


同トレーディングポストでは、古くからハンドメイドのスタンプツールとコマーシャルスタンプと呼ばれる既製(工業製品)のツールが同時に使用されていましたが、本作に見られるようなサンダーバードのデザインは、同トレーディングポスト以外では発見されていないスタンプ/刻印となっています。


ホールマークがない為に、正確な制作時期の特定は困難ですが、1920年代中頃~1940年代初頭頃までの作品と推測され、おそらくコインシルバー製であった『SOLID SILVER』の刻印が使用されていた時期の作品ではないかと推測されます。


インゴットシルバー(銀塊)から成形されたシャンクは、フロントとサイド~バックで厚みが異なるシャンクとなっており、銀塊からハンマーワークによって形作られた作品らしい特徴を備えています。

そして『Chasing/チェイシング』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術、さらに『ファイルワーク』というヤスリで削る原始的な技法を駆使することで、スタンプワークに呼応した細かな動きや凹凸、立体的なラインが形成されています。

さらに、それらのライン上には素朴ながら力強いスタンプワークが刻まれ、複雑な紋様ではありませんが、力強いナバホらしさと奥行きのある表情を生み出しています。


フェイスには、カボションカットされたグリーンターコイズがマウントされており、その石を留めるベゼル(覆輪)も丁寧にハンドメイドされています。
そして、その両サイドにはチェイシングとスタンプワークを組み合わせたロープ状の造形が施され、さらに外側にはフラットに叩き鞣されたシルバーボールのアップリケが配されています。

また両サイドには、前述の通り同トレーディングポストの作品でしか発見されていないサンダーバードのスタンプが力強く刻まれており、本作の製作された背景を考察可能とし、高い史料価値を与えています。



【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。

実在しない為にその容姿は作者の意匠に委ねられており、イーグルの様な威厳のある姿から、小鳥の様な可愛いデザインまで幅広く表現されているのも魅力の一つとなっています。



【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。

所属していたのは、インディアンジュエリー創成期の最もクリエイティブな作家の一人として知られるサン・イルデフォンソの【Awa Tsireh】アワ・シーディー(1898-1955)をはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。

GARDEN OF THE GODSも1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛により創業された「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるジャンルにカテゴライズされている【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の分業化や機械化を進めインディアンクラフトの量産化を図ったメーカー/Manufacturersと同じスタートを切っていますが、インディアンアートショップとして古い伝統技術や製法を守り、独自性を持ちながら工芸品/アートピースとしての制作が行われており、上記の様なフレッド・ハービースタイルのマスプロダクト製品とは一線を画す存在です。

しかしながら、当時とても新しいかったポップなスタイルを持つAwa Tsirehの作品が、【BELL TRADING POST】をはじめとする量産メーカーに模倣されたことや、【Fred Peshlakai】の作品、【C. G. Wallace】で作られたデザイン/造形が上記のようなメーカーのデザインソースとなったことによりGARDEN OF THE GODS TRADING POSTやFred Wilson's Indian Trading Post、Southwestern Arts and Crafts等の分業や量産化を図っていない工房の作品も量産メーカーによるフレッド・ハービースタイルと混同されることになってしまいました。

1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、その後は妻がビジネスを引き継いでいたようですが、1979年にはビジネス自体が買収されました。そのため、ジュエリー等の制作は1950年代頃までだったと思われます。

また、同店はコロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて、現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。



【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。
また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。

同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。

また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。

シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。

さらに古い1800年代後半~1920年代以前の作品では、メキシカンコインが多く含まれていた為、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっている個体も多いようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。
それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


本作と同時期に同トレーディングポストで制作された作品に刻印されている『SOLID SILVER』は"無垢の銀製"を表し、メッキでないことを意味しており、インゴットシルバーであることを表してはいませんが、当時のGARDEN OF THE GODSの作品は全てがインゴットシルバーからハンマーで叩くことで成形されており、こちらの作品が制作された時期には全てのシルバージュエリーにコインシルバー(銀含有率90.0%の地金)が使われていたとされています。



同時代にガーデンオブザゴッズで制作されたリングは、その現存数が極端に少なく、同トレーディングポストらしい特徴を備えているか判断できませんが、数少ないアーカイブとして非常に高い史料価値を有しています。

また、サンダーバードをモチーフとした細かなスタンプワーク等により、ビンテージインディアンジュエリー独特な表情とラフで奥行きのある表情がもたらされていますが、360度どの角度から見ても素晴らしい造形美には、作者の信念や美意識が宿っているようにも感じられます。

非常に手間のかかるディテールが惜しげなく盛り込まれ、プリミティブな製法ながら時間と技量が注がれたシルバーワークにより、武骨ながら深遠な味わいを感じさせます。

また、その豊かな表情とアンティークジュエリー特有の質感が魅力的で、性別やスタイルを問わず日常のコーディネイトに取り入れやすいリングです。
さらに、小さいサイズながら男性のピンキーリングとしても素晴らしいバランスとボリューム感です。


アンティークジュエリーの中でもリング/指輪は使用による摩耗や紛失などによりその多くが消費されてしまい、現存数が少ない大変希少なアーカイブとなっています。
アンティーク工芸品として、コレクションとしてのみでもその価値を十分に味わえる非常にコレクタブルなリングであり、トレジャーハントプライスなピースの一つです。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションは、ハンドメイド特有の制作上のムラや細かなキズが見られますが、石を含め使用感の少ないとても良好な状態を保っています。
Size

日本規格 約 10~10.5号   円周 約 50.7㎜   us 5.5
正面幅 約 12.7㎜

Material

Ingot Silver (probably Coin Silver), Green Turquoise