【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、オーセンティックなサンダーバードモチーフながらオリジナリティを感じるデザイン・造形と、とても丁寧なハンドメイドのシルバーワークがスペシャリティを感じさせるアンティーク/ビンテージピンブローチです。
また本作は、故Dennis June氏の著書『Fred Harvey Jewelry』の67ページで紹介されているピースそのもの(ON BOOK)です。
当店ではDennis June氏との長きにわたるリレーションシップを持ち、大変懇意にして頂きました。多くの事を学ぶ機会を頂き、今後も沢山のご協力を仰ぎたいと考えておりましたが、大変残念ながら2020年に永眠されております。
その後、同氏が1965年から経営したギャラリーを受け継いだご家族より、前述の著書に掲載されている作品の一部を譲り受けました。こちらもそれらの中の一つとなっております。
【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる、20世紀前半のサウスウエスト観光産業の隆盛に合わせて作られたスーベニアアイテムの一つですが、全ての工程がハンドメイドで仕上げられています。
その為、生産に機械化や分業化が導入されたスーベニアジュエリーとは一線を画し、量産化を進めたメーカー/マニュファクチャーがデザインソースとした『オリジナル』作品の一つです。
1930年代~1940年代頃のピースと思われ、おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形された地金をベースに、丁寧なカッティングワークによってバー形状にデザインされた横に細く長いサンダーバードシェイプが切り出されています。
そこに、大胆なスタンプワークが刻まれる事によってサンダーバードの細部が描き出されており、それらのスタンプツール(鏨・刻印)も作者の個性を感じさせるハンドメイドのスタンプツールとなっています。
マウントされたターコイズは、小粒ながら強い発色と透明感を持つ美しい石となっており、鉱山の特定はできませんが上質なターコイズが使用されています。
また、その石を留めるベゼル(覆輪)も量産化された作品で使用されている『ベゼルカップ』と呼ばれる量産型のマシンメイドパーツではなく、ハンマーメイドされたベゼルが用いられています。
モチーフの【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。
ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。
実在しない為にその容姿は作者の意匠に委ねられており、イーグルの様な威厳のある姿から、小鳥の様な可愛いデザインまで幅広く表現されているのも魅力の一つとなっています。
アイコニックで可愛い印象もあるサンダーバードによるツーリストジュエリー特有のキャッチーな印象と共に、素晴らしいターコイズによる上質感も持ったピース。
丁寧なシルバーワークによってもツーリスト特有のチープな印象を作らず魅力的なピースに仕上がっていますので、大人向けのアイテムとしても良いと思います。
また、こちらのようなピンはアウターのアクセントととして、ラペルや襟等にもフィットしますし、バーに近い形状によりハット等のワンポイントにも大変使い勝手の良いピースです。
サンダーバードモチーフの作品は、男性の装いにも好相性を見せ、さり気なく『ギャップ』と『遊び心』を与え、スタイルに奥行きをもたらすことが出来るビンテージアイテムです。
オールハンドメイドで作り上げられた作品でしか感じられない作者の拘りや、一点物の希少性を有するキラーピース。本作のようにセンスの良いデザインと繊細で美しいシルバーワークで仕上げられた作品は大変少なく、ON BOOKというスペシャリティも有する大変コレクタブルでトレジャーハントプライスな作品となっています。
◆着用サンプル画像はこちら◆
コンディションも経年によるシルバーのクスミやハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、使用感は少なくターコイズを含め良好な状態です。