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JNO018610

Atq Hopi/Navajo 卍 Stamped Large Cross Top Necklace c.1925~

Atq Hopi/Navajo 卍 Stamped Large Cross Top Necklace c.1925~
176,000 円(税込)
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Atq Hopi/Navajo 卍 Stamped Large Cross Top Necklace c.1925~
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着用サンプル画像
https://www.instagram.com/p/DBwJRvATn4L/
【Hopi】ホピ、又は【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、ナバホジュエリーの伝統的な技術や造形を基本とした作品ですが、クロスの四方に施されたレインクラウド/雨雲のモチーフ等から、ホピ族のシルバースミスによる作品である可能性が高いクロストップのアンティーク/ビンテージネックレスです。

【逆卍】Whirling Log/Nohokos等、多種多様なスタンプワークが刻まれた比較的大きいサイズのクロスシェイプをベースに、中央にはとても貴重なターコイズがマウントされ、トラディショナルに感じられる作品ながら非常に多くの特殊性を秘めたピースとなっています。


1920年代後半~1930年代に作られた貴重なクロストップ。当店でレザーレースと組み合わせており、迫力を持ったサイズ感と全体に刻まれたスタンプワークにより、インディアンジュエリー独特な雰囲気を持つクロストップに仕上げられています。

インゴットコインシルバー(銀塊)から成形された地金は、その厚みに対して非常に硬く仕上げられており、縦方向のシルバーを軸としてクロスの横方向がロウ付けされる事で十字架が造形されています。


中央には水色の発色が美しいターコイズがマウントされ、ハンドメイドされたベゼル(覆輪)によって固定されており、細かな刻みを持つノッチドベゼル/トゥースベゼルが採用される事で、エスニシティな表情となっています。

また、そのターコイズにはブラウンや透明なクウォーツ(水晶)のマトリックスと共に赤褐色の部分が多く入ります。
おそらくそれは、植物などの有機物を由来とした化石を含む事で生まれた特徴と思われ、アンティーク作品にマウントされたターコイズとしては見慣れない色相や表情を持ったターコイズとなっていますが、上記の様な特徴によって独特な色や特徴が与えらたとても貴重な無添加ナチュラルターコイズと推測されます。


また、ターコイズの上下左右には雨粒がモチーフともいわれるシルバーボール/ドロップが配されており、石とシルバーワークをナチュラルにつなぎ、ベゼルを摩耗から保護する役割も担っているようです。

さらに、石の下部にはリポウズ/バンプアウト等と呼ばれるシルバーを叩き出す技術によってターコイズと呼応した様な凸が施され、立体的なアクセントとなり動きのある表情を作っています。

またそれは、現在多くみられる凸と凹の金型ツールを用いたディテールではなく、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込み、そこにシルバーを非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせることによって曲面を作る古い技法によって形作られています。


そして、クロス全体にレインクラウドをモチーフとしたスタンプや卍、クロスアロー、小さくも質の高いアローのスタンプ等が刻み込まれており、アンティークインディアジュエリーらしく手仕事の味わいと作者の思想や個性を宿したクロストップとなっています。


本作の様なスタンプや造形スタイルを持つ作品は、ホピの偉大な作家【Ralph Tawangyawma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)の作品を想起させ、共通したスタンプツール(鏨・刻印)を確認しましたが、同一のスタンプを発見出来ておりません。

他にも同じくホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)や【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)による作品である可能性も残りますが、断言できる判断材料がなく、正確な作者は不明となっています。


しかしながら、量産されたツーリスト向けを除く、ナバホ族の古い作品においてレインクラウド/雨雲等をモチーフとしたスタンプワークは殆ど発見されておらず、ナバホのシルバースミスではなくホピ族のシルバースミスによる作品である事も想起されます。

この様な自然や動物、自然現象をモチーフとしたデザインは、農耕民族であったホピ族等のプエブロの人々が好み、狩猟を主としたナバホ族の工芸品ではあまり見られない特徴となっています。



現在、ホピジュエリーの代表的な技術であるオーバーレイ技術の定着以前にも、オーバーレイと近い印象を生み出すような大きく大胆なスタンプワークがホピの作家によって制作されていました。

しかし、スタンプ(刻印)というデザインやサイズが固定されてしまう技術から解放し、もっと自由な図案を具現化できる技術・技法としてオーバーレイ技法が生み出されたのではないかと考えられます。



クロスモチーフはキリスト教の普及と同時にとても古い時代からインディアンアートにも落とし込まれ、ズニの巨匠【Horace Iule】(1901-1978)等のクロスモチーフ作品で有名になった作家も存在しています。

しかしながら、こちらのように古い年代におけるクロスモチーフは現存数が少なく大変貴重なピースとなります。



【Rain Cloud】雨雲は、砂漠地帯に住むインディアンにとって非常に重要であり、『吉兆』『良い展望』を表しています。特に農耕民族にとって重要な存在であり、狩猟民族であるナバホ/ディネの人々よりもホピやズニを含むプエブロの人たちの間でよく用いられたモチーフです。


【卍】【Whirling Log】ワーリングログ【Swastika】スワスティカについて・・・
アルファベットの『L』を4つ組み合わせて生まれた記号であり 『LOVE・LIFE・LUCK・LIGHT』 からなる幸福のシンボルであり、ラッキーシンボルとしてネイティブアメリカンの工芸品において広く認知されていたモチーフです。

しかしながら、1933年のナチスドイツ出現、1939年にWW2開戦により、アメリカにおいては敵国であるドイツのハーケンクロイツと酷似した記号は不吉だとして使われなくなってしまいました。

1941年当時の新聞記事にも残っていますが、インディアンたちにも卍が施された作品の廃棄が求められ、政府機関によって回収された事もあったようです。
その後、大戦中にも多くが廃棄されてしまった歴史があり、現存しているものは大変貴重となりました。

本作はそのような歴史的な受難を乗り越えて現在まで受け継がれてきたピースであり、史料価値を感じる事の出来るビンテージジュエリーとなっています。


【Crossed Arrows】クロスアローは、 『フレンドシップ』『友情』を象徴しています。



【Ralph Tawangyaouma】ラルフ・タワンギャウマは、1894年にアリゾナ州北部のオライビに生まれ、クラン(母系の氏族を表す動物)はヤングコーン。少年時代である1906年の【The Oraibi split】オライビ スプリットによってさらに北部であるホートビラ=バカビに移住しています。

※【The Oraibi split】オライビ スプリットとは、1800年代後半からスペイン人の入植と共に宣教師がホピ族の村であったオライビにも布教を進め、政府の介入によりホピの子供たちに学校教育を強要しようとします。
1906年、それらアメリカ政府の方針に従った住民と、反対した住民が対立・分裂してしまった出来事。その後、反対派住民の多くはオライビを追われ、当時は何もなかったホートビラ=バカビに移り苦難の末に定住しました。


1906年前後という氏がまだ10代前半のころにはすでにシルバースミスとしてのキャリアをスタートさせていたとされています。

1930年代~1950年代にかけては、【VAUGHN'S INDIAN STORE】ヴァーンズインディアンストアや【Fred Wilson's Indian Trading Post】フレッド・ウィルソンズ インディアントレーディングポストに所属し多くの傑作を残しており、Vaughn's Indian Storeでは、【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)や【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)とも同時期に在籍しており、それぞれにナバホの伝統的なスタイルをベースに強い独自性を持った作品を生み出しています。
その時期に彼らが互いに影響しあうことで生まれた技術やデザインには、現在ではトラディショナルなスタイルとして残るものも多く存在すると思われます。

特にラルフ・タワンギャウマは、一つの作品において異なった技法を組み合わせたり、ホピ独特のモチーフをジュエリーに多く取り入れ、その後生まれるオーバーレイ技法によるホピの特徴的なジュエリーにも多大な影響を与えているようです。
また、その多岐にわたるジュエリーに関する技術は、ホピの職人ではとても珍しいインレイワークにもおよび、独特なツイステッドワイヤーや繊細なワイヤーワーク等、非常に卓越した技術によって多くの造形スタイルを実践・確立していました。

1964年には自身が育った故郷であるホートビラに戻りますが、ジュエリーの制作は少しづつ継続していたようです。そして1972年11月に亡くなられています。

本作ではホールマーク(サイン)の刻印は見られませんが、同作者のホールマークは、『サンダークラウド』(レインクラウド/雨雲にサンダー/稲妻)のデザインで、HOPIの頭文字『H』と共に刻印されているものが多く見つかっています。ホピのシルバースミスとしては、最も早くホールマークを使用した作家だとされています。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。
それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



本作もインゴットシルバー(銀塊)から成形される事で、独特の硬さを持った作品。またそのような製法やハンドメイドによる柔らかな直線で構成されたシェイプ、荒々しく力強いスタンプワーク等により、古拙の美を感じさせるクロスです。

ナバホの伝統的なディテールや造形スタイルを踏襲しながら、アンティークホピジュエリーの価値観や美意識を感じさせるモチーフ、非常に貴重な化石化を含んだターコイズにより強いオリジナリティと高い史料価値を有し、比肩するものがない唯一無二の作品となっています。


普遍的でクラシックなクロスモチーフは高い汎用性を示し、味わい深いアンティークインディアンジュエリー特有の表情は、多くの素材に馴染みが良く、それなりの大きさがありながら日常のコーディネートに自然に馴染ませることが可能です。

また、90㎝まで長く使用する事が可能なレザーレースにセットしており、長さを変えることでその印象も大きく変化させることが可能で、性別やスタイルを問わずお使いいただけると思われます。


インディアンジュエリーらしいプリミティブで素朴な技術で制作され、クロスモチーフは珍しいモチーフではありませんが、本作の独創性や質は他に類を見ない唯一無二の個体となっています。類似作品を発見するのは不可能に近いと思われます。

さらに、スペシャリティを持つスタンプ(鏨)ツールの質とシルバーワークのクオリティは、練り上げられた工芸品としても高く評価される完成度です。

インディアンジュエリーの歴史においても重要なピースの一つであり、ウェアラブルアートとしても高く評価できる作品。本作の様なアンティークホピジュエリーは非常に現存数が少なく、非常にコレクタブルでトレジャーハントプライスな作品の一つとなっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも良好です。シルバーにはクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等などは見られますが、使用によるダメージは無く全体に良い状態を保っています。

※付属のレザーレースは新しいものですが、水分や熱により移染します。ご着用にあたっては十分にご注意ください。
【Hopi】ホピ、又は【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、ナバホジュエリーの伝統的な技術や造形を基本とした作品ですが、クロスの四方に施されたレインクラウド/雨雲のモチーフ等から、ホピ族のシルバースミスによる作品である可能性が高いクロストップのアンティーク/ビンテージネックレスです。

【逆卍】Whirling Log/Nohokos等、多種多様なスタンプワークが刻まれた比較的大きいサイズのクロスシェイプをベースに、中央にはとても貴重なターコイズがマウントされ、トラディショナルに感じられる作品ながら非常に多くの特殊性を秘めたピースとなっています。


1920年代後半~1930年代に作られた貴重なクロストップ。当店でレザーレースと組み合わせており、迫力を持ったサイズ感と全体に刻まれたスタンプワークにより、インディアンジュエリー独特な雰囲気を持つクロストップに仕上げられています。

インゴットコインシルバー(銀塊)から成形された地金は、その厚みに対して非常に硬く仕上げられており、縦方向のシルバーを軸としてクロスの横方向がロウ付けされる事で十字架が造形されています。


中央には水色の発色が美しいターコイズがマウントされ、ハンドメイドされたベゼル(覆輪)によって固定されており、細かな刻みを持つノッチドベゼル/トゥースベゼルが採用される事で、エスニシティな表情となっています。

また、そのターコイズにはブラウンや透明なクウォーツ(水晶)のマトリックスと共に赤褐色の部分が多く入ります。
おそらくそれは、植物などの有機物を由来とした化石を含む事で生まれた特徴と思われ、アンティーク作品にマウントされたターコイズとしては見慣れない色相や表情を持ったターコイズとなっていますが、上記の様な特徴によって独特な色や特徴が与えらたとても貴重な無添加ナチュラルターコイズと推測されます。


また、ターコイズの上下左右には雨粒がモチーフともいわれるシルバーボール/ドロップが配されており、石とシルバーワークをナチュラルにつなぎ、ベゼルを摩耗から保護する役割も担っているようです。

さらに、石の下部にはリポウズ/バンプアウト等と呼ばれるシルバーを叩き出す技術によってターコイズと呼応した様な凸が施され、立体的なアクセントとなり動きのある表情を作っています。

またそれは、現在多くみられる凸と凹の金型ツールを用いたディテールではなく、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込み、そこにシルバーを非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせることによって曲面を作る古い技法によって形作られています。


そして、クロス全体にレインクラウドをモチーフとしたスタンプや卍、クロスアロー、小さくも質の高いアローのスタンプ等が刻み込まれており、アンティークインディアジュエリーらしく手仕事の味わいと作者の思想や個性を宿したクロストップとなっています。


本作の様なスタンプや造形スタイルを持つ作品は、ホピの偉大な作家【Ralph Tawangyawma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)の作品を想起させ、共通したスタンプツール(鏨・刻印)を確認しましたが、同一のスタンプを発見出来ておりません。

他にも同じくホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)や【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)による作品である可能性も残りますが、断言できる判断材料がなく、正確な作者は不明となっています。


しかしながら、量産されたツーリスト向けを除く、ナバホ族の古い作品においてレインクラウド/雨雲等をモチーフとしたスタンプワークは殆ど発見されておらず、ナバホのシルバースミスではなくホピ族のシルバースミスによる作品である事も想起されます。

この様な自然や動物、自然現象をモチーフとしたデザインは、農耕民族であったホピ族等のプエブロの人々が好み、狩猟を主としたナバホ族の工芸品ではあまり見られない特徴となっています。



現在、ホピジュエリーの代表的な技術であるオーバーレイ技術の定着以前にも、オーバーレイと近い印象を生み出すような大きく大胆なスタンプワークがホピの作家によって制作されていました。

しかし、スタンプ(刻印)というデザインやサイズが固定されてしまう技術から解放し、もっと自由な図案を具現化できる技術・技法としてオーバーレイ技法が生み出されたのではないかと考えられます。



クロスモチーフはキリスト教の普及と同時にとても古い時代からインディアンアートにも落とし込まれ、ズニの巨匠【Horace Iule】(1901-1978)等のクロスモチーフ作品で有名になった作家も存在しています。

しかしながら、こちらのように古い年代におけるクロスモチーフは現存数が少なく大変貴重なピースとなります。



【Rain Cloud】雨雲は、砂漠地帯に住むインディアンにとって非常に重要であり、『吉兆』『良い展望』を表しています。特に農耕民族にとって重要な存在であり、狩猟民族であるナバホ/ディネの人々よりもホピやズニを含むプエブロの人たちの間でよく用いられたモチーフです。


【卍】【Whirling Log】ワーリングログ【Swastika】スワスティカについて・・・
アルファベットの『L』を4つ組み合わせて生まれた記号であり 『LOVE・LIFE・LUCK・LIGHT』 からなる幸福のシンボルであり、ラッキーシンボルとしてネイティブアメリカンの工芸品において広く認知されていたモチーフです。

しかしながら、1933年のナチスドイツ出現、1939年にWW2開戦により、アメリカにおいては敵国であるドイツのハーケンクロイツと酷似した記号は不吉だとして使われなくなってしまいました。

1941年当時の新聞記事にも残っていますが、インディアンたちにも卍が施された作品の廃棄が求められ、政府機関によって回収された事もあったようです。
その後、大戦中にも多くが廃棄されてしまった歴史があり、現存しているものは大変貴重となりました。

本作はそのような歴史的な受難を乗り越えて現在まで受け継がれてきたピースであり、史料価値を感じる事の出来るビンテージジュエリーとなっています。


【Crossed Arrows】クロスアローは、 『フレンドシップ』『友情』を象徴しています。



【Ralph Tawangyaouma】ラルフ・タワンギャウマは、1894年にアリゾナ州北部のオライビに生まれ、クラン(母系の氏族を表す動物)はヤングコーン。少年時代である1906年の【The Oraibi split】オライビ スプリットによってさらに北部であるホートビラ=バカビに移住しています。

※【The Oraibi split】オライビ スプリットとは、1800年代後半からスペイン人の入植と共に宣教師がホピ族の村であったオライビにも布教を進め、政府の介入によりホピの子供たちに学校教育を強要しようとします。
1906年、それらアメリカ政府の方針に従った住民と、反対した住民が対立・分裂してしまった出来事。その後、反対派住民の多くはオライビを追われ、当時は何もなかったホートビラ=バカビに移り苦難の末に定住しました。


1906年前後という氏がまだ10代前半のころにはすでにシルバースミスとしてのキャリアをスタートさせていたとされています。

1930年代~1950年代にかけては、【VAUGHN'S INDIAN STORE】ヴァーンズインディアンストアや【Fred Wilson's Indian Trading Post】フレッド・ウィルソンズ インディアントレーディングポストに所属し多くの傑作を残しており、Vaughn's Indian Storeでは、【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)や【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)とも同時期に在籍しており、それぞれにナバホの伝統的なスタイルをベースに強い独自性を持った作品を生み出しています。
その時期に彼らが互いに影響しあうことで生まれた技術やデザインには、現在ではトラディショナルなスタイルとして残るものも多く存在すると思われます。

特にラルフ・タワンギャウマは、一つの作品において異なった技法を組み合わせたり、ホピ独特のモチーフをジュエリーに多く取り入れ、その後生まれるオーバーレイ技法によるホピの特徴的なジュエリーにも多大な影響を与えているようです。
また、その多岐にわたるジュエリーに関する技術は、ホピの職人ではとても珍しいインレイワークにもおよび、独特なツイステッドワイヤーや繊細なワイヤーワーク等、非常に卓越した技術によって多くの造形スタイルを実践・確立していました。

1964年には自身が育った故郷であるホートビラに戻りますが、ジュエリーの制作は少しづつ継続していたようです。そして1972年11月に亡くなられています。

本作ではホールマーク(サイン)の刻印は見られませんが、同作者のホールマークは、『サンダークラウド』(レインクラウド/雨雲にサンダー/稲妻)のデザインで、HOPIの頭文字『H』と共に刻印されているものが多く見つかっています。ホピのシルバースミスとしては、最も早くホールマークを使用した作家だとされています。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。
それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



本作もインゴットシルバー(銀塊)から成形される事で、独特の硬さを持った作品。またそのような製法やハンドメイドによる柔らかな直線で構成されたシェイプ、荒々しく力強いスタンプワーク等により、古拙の美を感じさせるクロスです。

ナバホの伝統的なディテールや造形スタイルを踏襲しながら、アンティークホピジュエリーの価値観や美意識を感じさせるモチーフ、非常に貴重な化石化を含んだターコイズにより強いオリジナリティと高い史料価値を有し、比肩するものがない唯一無二の作品となっています。


普遍的でクラシックなクロスモチーフは高い汎用性を示し、味わい深いアンティークインディアンジュエリー特有の表情は、多くの素材に馴染みが良く、それなりの大きさがありながら日常のコーディネートに自然に馴染ませることが可能です。

また、90㎝まで長く使用する事が可能なレザーレースにセットしており、長さを変えることでその印象も大きく変化させることが可能で、性別やスタイルを問わずお使いいただけると思われます。


インディアンジュエリーらしいプリミティブで素朴な技術で制作され、クロスモチーフは珍しいモチーフではありませんが、本作の独創性や質は他に類を見ない唯一無二の個体となっています。類似作品を発見するのは不可能に近いと思われます。

さらに、スペシャリティを持つスタンプ(鏨)ツールの質とシルバーワークのクオリティは、練り上げられた工芸品としても高く評価される完成度です。

インディアンジュエリーの歴史においても重要なピースの一つであり、ウェアラブルアートとしても高く評価できる作品。本作の様なアンティークホピジュエリーは非常に現存数が少なく、非常にコレクタブルでトレジャーハントプライスな作品の一つとなっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも良好です。シルバーにはクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等などは見られますが、使用によるダメージは無く全体に良い状態を保っています。

※付属のレザーレースは新しいものですが、水分や熱により移染します。ご着用にあたっては十分にご注意ください。
Size

トップ 縦(バチカンを含む) 約9.8㎝   横 約6.1㎝   レザーレースは最大で90.0㎝程度
石サイズは 13.3㎜×9.4㎜ 程度

Material

Silver, Turquoise, Leather Lace(Deer Skin)