【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、ハイグレードな【Godber/Burnham Turquoise】ガドバー/バーナムターコイズ3つを、縦方向に並べたナバホの伝統的な造形スタイルを持つアンティーク/ビンテージリングです。
ターコイズが羅列された『ローワーク』とも呼ばれるスタイルの作品であり、ターコイズの美しさや奥行きを際立たせた作品。比較的珍しい大きめなサイズも魅力的なピースとなっています。
ホールマーク(作者やショップのサイン)やスタンプワーク等、制作時期を特定する判断材料に乏しく、その背景と正確に特定するのは困難ですが、シルバーワークのディテールやターコイズなどからは、1950年代~1970年代初頭頃までに制作された事が推測されます。
おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形されたと思われる重厚なシャンクは、フロントが『スプリットシャンク』と呼ばれる伝統的な造形で3本に割り開かれており、縦にボリューム感のあるフェイスに向かって広く幅を持たせることで自然な繋がりが意識された造形です。
その様なシャンクをベースとして、高さのあるハイドームでオーバルカットされたターコイズが縦方向にマウントされており、その石の美しさが際立ったデザインとなっています。
そして、石の間に4ヶ所には比較的大きいシルバーボール/シルバードロップが配される事で、インディアンジュエリーらしい表情を与え、ターコイズの周りに立体的な奥行きと影を生み出しています。
また、その影がターコイズの煌めきを際立たせる役割を担っているようです。
全ての工程がハンドメイドで仕上げられている事で、手仕事による工芸品としての奥行きや歴史も宿しているように感じられ、ミニマルなデザイン・造形の中にアーティーでナチュラルな魅力も感じられるリングとなっています。
本作のようなターコイズを縦に羅列するデザインは、ナバホの非常に古い作品にも見つけることが出来ますが、最初期のインディアンジュエリー作家であり、現在ではトラディッショナルと呼ばれる多くの新しいスタイルを生み出したナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)も好んだ造形スタイルです。
マウントされたターコイズは、素晴らしい透明感を持つリッチなブルーに強いブラック・ブラウンのスパイダーウェブが入る【Godber/Burnham】カドバー/バーナムターコイズ、又は【Lone Mountain Turquoise】ローンマウンテンターコイズです。
カドバー/バーナム鉱山の特徴として、アルミニウムが多く含まれることで透明感のあるミルキーブルーになるとされていますが、本作にマウントされた石は濃く深い青さを湛えています。
制作された時代から、カドバー/バーナムターコイズと推測していますが、1960年代末以降に制作された【Lone Mountain Turquoise】ローンマウンテンターコイズである可能性も考えられます。
ローワークという石が羅列される造形スタイルによって石の質の高さが際立ち、ジュエリーとしての完成度も飛躍的に高めている無添加ナチュラルのハイグレードターコイズとなっています。
僅かにマットな質感となっており再研磨も検討できますが、現状のままでも十分にその質と深淵な美しさが堪能できます。
近年では市場に出る事さえ大変珍しい質のターコイズ。宝石としての煌きを持った北米最高峰のターコイズの一つです。
その様な貴重なターコイズの存在感を際立たせたシンプルでクラシックなリングであり、その複雑な表情にはネイティブアメリカンの価値観や彼らの住まう大地・自然の一部を宿しているようにも感じられる作品です。
さらに、オールドナバホの伝統的な造形スタイルや原始的な技法により形作られた造形は、エスニシティーな雰囲気を作っていますが、それらの特徴と相反するどこかモダンで高い芸術性も感じさせ、クラシックでジュエリーとしての気品をも有する作品に仕上げられています。
また、ナバホジュエリーらしい造形やワイルドなターコイズの作る表情は、アーシーで多くのコーディネイトに馴染みやすい印象を持っています。
フェイスが縦に長いリングは存在感が強すぎるようにも感じられますが、本作では秀逸な造形のバランスと、3つの石が並んでマウントされる事で性別やスタイルを問わず合わせて頂きやすい表情とボリューム感が魅力的です。
さらにナバホジュエリーの伝統的な美意識や精神が感じられ、特別な質を持つターコイズによって着用者に高揚感を与える力を有し、日常の装いに違いを与えるアクセントとなり得る作品です。
ナバホジュエリーの魅力と自然の一部を切り取った様な複雑な景色を持つターコイズが織り成す、小さくも深淵な世界が広がるジュエリー作品。アートピース・ウェアラブルアートとしても高く評価され、現在では非常に貴重な作品となっています。
◆着用サンプル画像はこちら◆
コンディションは、シルバーのクスミや多少のキズ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラ等がありますが、特にダメージはなく良い状態を保っています。
またターコイズも今なお素晴らしい発色と透明感を持ち、マトリックス部分には凹凸が見られますが、それらはカットされた時からの天然石が持つ凹凸であり、現在も宝石としての美しさを保っています。