【Kewa】キワ/【Santo Domingo】サントドミンゴのアンティーク作品、同スタイルの作品群の中でも人気の高い小さなサイズの個体で、素朴で愛らしいサンダーバードが大変魅力的な1930年代~1940年代前半頃に作られたアンティーク/ビンテージネックレスです。
ジプサム(石膏)ディスクビーズをベースに、レジンやターコイズで作られたタブパーツが構成されており、通称【Battery Bird】バッテリーバードや【Depression Necklaces】デプレッションネックレス/大恐慌のネックレスとも呼ばれる同部族の伝統的な作品となっています。
キワ族/サントドミンゴ族は、プエブロと呼ばれるアメリカ中西部のナバホ以外のインディアン部族の中でも最大規模の部族です。
アルバカーキからサンタフェにかけてのリオグランデ(川)流域で古くからジュエリーを制作することで知られていました。
現在でも素晴らしい作品を創作するアーティストを多数擁しており、独特の技術やスタイルを持ったジュエリーを制作していますが、こちらのようなResin/樹脂やGypsum/石膏で作られたジュエリーは、1929年にアメリカを中心に世界恐慌が始まり、それに伴って生まれた作品群です。
もともと、サントドミンゴの代表的な工芸品/お土産物として、1920年代以前から色々なジュエリーが制作されていたようですが、世界恐慌により物資が不足し、身近にあった車のバッテリーケースやレコードなど廃材の樹脂パーツを再利用して作られました。
中には裏面にレコードの音溝がそのまま残っている作品も見られます。一説には当時サントドミンゴの村付近で、大量のレコードを積んだ貨物列車の事故があったため、それらの廃棄されたレコードが用いられたと伝わっていますが、真相は検証されていません。
それらの背景を持っている為、アメリカ国内での流通上は現在でも【Battery Bird】や【Depression Necklaces】と呼ばれ、1930年代~1950年代にかけて多く作られました。(キワの人達は『サンダーバードジュエリー』と呼称)
1960年代以降にも同様の材料や製法を継承作品が作られており、さらに素材や質を発展させた作品は、現在でもサントドミンゴの作家の間で制作されています。
大きさや色・デザインのパターンに大変幅広いバリエーションが存在するのが特徴で、一点一点に楽しい特徴が見られます。
本作はバッテリーバードと呼ばれる作品群の中でも小さいサイズが特徴的な作品となっており、逆三角形を基調としたシェイプの愛らしいサンダーバードも好印象な個体です。
また、小さいサイズと比例せず比較的厚く形作られたサンダーバードも特徴的で、顔から尾に向けて厚くなる造形となっており、その厚みもサンダーバードのキャッチーな魅力を際立たせているようです。
さらに、ターコイズのチップインレイの技術的な完成度も大変素晴らしいピースです。
そのターコイズと白・赤をメインに構成しており、素朴でナチュラルな質感と共にグラフィカルな印象も与え、とても古い年代の伝統的な作品ですがポップな表情となっています。
また、左右のタブパーツは赤・ターコイズと・黒の3色のみとなっていることで、少し派手さの抑えられたシックな雰囲気を帯びた作品です。
【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。
実在しない為にその容姿は作者の意匠に委ねられており、イーグルの様な威厳のある姿から、小鳥の様な可愛いデザインまで幅広く表現されているのも魅力の一つとなっています。
【Chip Inlay/チップインレイ技法】は、破砕タイルの様に細かく砕いたターコイズ等のチップ/欠片を樹脂を使用した象嵌細工に属する技術です。
インディアンジュエリーにおいては、1930年代以前のからみられるもので、前述の通り、古くは本作のようなバッテリーバードネックレスなどに用いられています。破砕タイルのように細かくランダムに破砕された石がはめ込まれることにより、複雑で奥行きのある表情を作り上げています。
ただし、1970年代以降にはさらに細かく粉砕した石を樹脂と共にインレイするチップインレイがナバホやズニのシルバースミスの間でも多く採用されるようになりました。
それらの新しい技術は安価で簡易に味わい深い表情が生み出せるため、流行した造形スタイルの一つです。
それらは1970年代以降の作品で多く見られる技法の為、当店では多く扱っていませんが現在では伝統的な技術として定着しています。
本作もとても丁寧なチップインレイが施される事により、ナチュラル無添加なターコイズのアーシーな味わいがさらに高められており、サントドミンゴ/キワによる独特の価値観と味わいを感じることが出来るネックレスです。
作品単独では少し派手な印象ですが、アンティークの質感によって多くのスタイルに馴染みやすく、小さいサイズも性別やコーディネートを問わず合わせて頂きやすい印象となっています。
また、ナバホやホピ、ズニのジュエリーとも相性が良く、日常のコーディネートのキャッチーなアクセントとなり得るネックレス。エスニシティな魅力と、歴史的な工芸品を身に付ける事が出来る高揚感を与えてくれる作品です。
特に本作の様に小さいサイズの個体は数が少なく、とてもコレクタブルで貴重な作品の一つとなっています。
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コンディションも大変良好です。
アンティーク作品のため、多少の擦れ汚れや変色などは見られますが、パーツの欠損などは見られず良い状態を保っています。
また、ビーズワイヤーは当店にて強度のある紐に交換済みとなっています。
※こちらのようなネックレスは、デリケートな作品となりますのでご着用に当たっては十分にご注意くださいますようお願いいたします。