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JOM009356

【Awa Tsireh】Domed & Stamped Silver Hair clip/Top c.1930~

【Awa Tsireh】Domed & Stamped Silver Hair clip/Top c.1930~
119,900 円(税込)
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着用サンプル画像
https://www.instagram.com/p/DUvZ9VxAS2o/
【San Ildefonso】サン・イルデフォンソプエブロの偉大な作家【Awa Tsireh】アワ・シーディ(1898-1955)が、インディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポスト在籍時に制作した作品で、素朴ながら同作者らしく高度なシルバーワークで仕上げられたアンティーク/ビンテージヘアクリップ(髪飾り)です。

当店でレザーレースと組み合わせることでネックレス/ペンダントとしてもご使用頂ける作品となっています。
マネークリップとしてもご使用して頂けない形状ではありませんが、シルバーという素材の特性上、あまり厚い物を挟む事には適しておりません。


裏側に刻印されている『SOLID SILVER』の表記により1930年代頃に同トレーディングポストで作られた作品と判断でき、さらに作者個人のホールマーク『AWA TSIREH』の文字が刻印されている事で、小さな作品ながら高い史料価値も有しています。


コインシルバーのインゴット(銀塊)から成形された地金をベースに、高度なハンマーワークを駆使して立体的な形状(ドーム型)に成形し、そのバーを折り返す事によってクリップを形作っています。

そのフロント部分には『Chasing/チェイシング』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術によってロングオーバル型のライン模様が描き出されており、作品の立体感を際立たせています。


さらに、そのオーバル型の内側にのみ槌目/Hammered markが施され、プレーンなシルバーの質感に詫び寂びを感じさせるアーティな表情が与えられています。

またそれは、当時のネイティブアメリカンジュエリーにおいて非常に珍しいディテールであり、新しいデザインや技術的な試みを実践したAwa Tsirehならではのディテールかと思われます。


前述の全体に施されたドームシェイプや立体的で流麗なフォルムについては、『リポウズ』や『バンプアウト』等と呼ばれるシルバーを叩き出す技術によって全体に丸く曲面が施されており、高度な技術を要するハンマーワークにより美しいアールと立体感が生み出されています。

このようなドーム状のアールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込み、そこにシルバーを非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせることによって曲面を作っています。

現代でもドーム型等の立体的なシェイプは見られますが、こちらはハンマーで叩き出すことで造形しているため、各部で異なった膨らみに成形されており、ハンドメイド独特で作者の拘りを感じるディテールとなっています。



【Awa Tsireh】アワ・シーディ(シェラ/ツィレー)は、1898年ニューメキシコ州サンタフェから少し北にあるサン・イルデフォンソプエブロに生まれ、インディアンのアーティストとして高い知名度を得た最初期の人物の一人です。

ダンサー、ペインター(画家)としても高名で、残念ながらシルバーワークを始めた正確な時期やシルバーワークを学んだ背景は現在も明らかになっていませんが、1920年代にはすでにペインターとして非常に高い知名度と人気を得ており、1931年にはダンサー/ペインター/シルバースミスと紹介されています。

また1930年代初頭からコロラド州のGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに作品を供給し、その後20年以上に渡り同トレーディングポストに在籍することになったようです。
どのような雇用形態であったかは不明ですが、1930年代~1940年代には夏季のみコロラド州コロラドスプリングスに滞在してペイントとシルバーワークを行っていたとされています。

また、Awa Tsirehの名前の発音については、正確な発音が不明となっています。元々文字を持たないインディアンの名前は、近代になってから英語やスペイン語の文字で発音をなぞるスペルが与えられました。
そしてアメリカ政府の介入もあり、現在の様な個人名が確立されています。
しかし、中には『枯れ葉のこすれる音』等と表現されるような文字に置き換えることが難しい名前もあったようです。
Awa Tsirehの発音は、英語のスペルをなぞると『アワ・ツィレー』になると思いますが、1938年の新聞記事では発音について『A-WA SI-DY』アーワ・シーディと紹介されています。

同作者の絵画作品は、インディアンダンサーや動物などの自然をモチーフにしながら独特な世界観を持ち、当時の西洋美術には存在しなかった様式と表現を持っていました。
シルバーをはじめとするメタルワークは、GARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属していたこともありツーリストジュエリーとしての側面を持ったポップでキャッチーな雰囲気の作品が多く残されていますが、そのモチーフの選択や躍動感のある作品群は、他の作家達とは一線を画しています。
1954年にはフランス政府からナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)やホピの巨匠【Fred Kabotie】フレッド・カボティー(1900–1986)らと共に、現在も存続している勲章『教育厚労賞』が与えられています。


また本作のように当時から高名な作家によるジュエリーの多くは、同時代に観光客向けに作られたツーリストジュエリー/フレッド・ハービースタイルと呼ばれるスーベニアアイテムのデザインソースとなっています。
特に【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やこちらの作者であるAwa Tsirehの作品は【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストをはじめとするManufacturersと呼ばれる量産メーカーによってコピーされています。

参考商品→「Awa Tsirehの作品をコピーしたと思われるBELL社製カウボーイデザインのピンブローチ」
そのため当時、模倣品との明確な区別を促すため、UITA【United Indian Trader's Association】などが組織されて量産化された作品との差別化が図られた歴史もあります。



【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。

所属していたのは、ネイティブアメリカンジュエリー創成期の最もクリエイティブな作家の一人として知られる本作の作者【Awa Tsireh】アワ・シーディー(1898-1955)をはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。

GARDEN OF THE GODSも1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛により創業された「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるジャンルにカテゴライズされている【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の分業化や機械化を進めインディアンクラフトの量産化を図ったメーカー/Manufacturersと同じスタートを切っていますが、インディアンアートショップとして古い伝統技術や製法を守り、独自性を持ちながら工芸品/アートピースとしての制作が行われており、上記の様なフレッド・ハービースタイルのマスプロダクト製品とは一線を画す存在です。

しかしながら、当時とても新しいかったポップなスタイルを持つAwa Tsirehの作品が、【BELL TRADING POST】をはじめとする量産メーカーに模倣されたことや、【Fred Peshlakai】の作品、【C. G. Wallace】で作られたデザイン/造形が上記のようなメーカーのデザインソースとなったことによりGARDEN OF THE GODS TRADING POSTやFred Wilson's Indian Trading Post、Southwestern Arts and Crafts等の分業や量産化を図っていない工房の作品も量産メーカーによるフレッド・ハービースタイルと混同されることになってしまいました。

1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、その後は妻がビジネスを引き継いでいたようですが、1979年にはビジネス自体が買収されました。そのため、ジュエリー等の制作は1950年代頃までだったと思われます。

また同店は、コロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。



【Coin Silver】コインシルバーとは、ネイティブアメリカンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。
また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。

同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。

また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、ネイティブアメリカンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。

シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925は純度2.5%の差異のみであり、外見での判断は困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。

さらに古い1800年代後半~1920年代以前の作品では、メキシカンコインが多く含まれていた為、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっている個体も多いようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークネイティブアメリカンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。
それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークネイティブアメリカンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



本作もコインシルバーインゴットから成形された作品独特の、どこか渋く重厚なシルバーの質感を有しています。
また、小さなヘアクリップですが、立体的なドーム型に造形されている事で程よい存在感を示し、素朴ながら魅力的なペンダントトップとなっています。


ナチュラルで素朴な質感により多くのスタイルに馴染みやすく性別を問わずお使いいただける高い汎用性を持っています。
その多くのネイティブアメリカンジュエリーとは異なった工芸品でありながらどこかアーティな意匠は、Awa Tsirehの精神性を捉えている様でもあり、独自の世界観や美意識を感じることが出来る作品です。


アンティークインディアンジュエリー独特の深淵で歴史を感じさせる味わいを持ち【Awa Tsireh】アワ・シーディ(ツィレー)という偉大な作家によるオリジナリティーと練り上げられたシルバーワークにより、高い希少性を誇る作品の一つとなっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションは全体にシルバーのクスミが見られ、ハンドメイド品特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感も少なくダメージ/リペア跡などのない大変良好な状態と保っています。
【San Ildefonso】サン・イルデフォンソプエブロの偉大な作家【Awa Tsireh】アワ・シーディ(1898-1955)が、インディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポスト在籍時に制作した作品で、素朴ながら同作者らしく高度なシルバーワークで仕上げられたアンティーク/ビンテージヘアクリップ(髪飾り)です。

当店でレザーレースと組み合わせることでネックレス/ペンダントとしてもご使用頂ける作品となっています。
マネークリップとしてもご使用して頂けない形状ではありませんが、シルバーという素材の特性上、あまり厚い物を挟む事には適しておりません。


裏側に刻印されている『SOLID SILVER』の表記により1930年代頃に同トレーディングポストで作られた作品と判断でき、さらに作者個人のホールマーク『AWA TSIREH』の文字が刻印されている事で、小さな作品ながら高い史料価値も有しています。


コインシルバーのインゴット(銀塊)から成形された地金をベースに、高度なハンマーワークを駆使して立体的な形状(ドーム型)に成形し、そのバーを折り返す事によってクリップを形作っています。

そのフロント部分には『Chasing/チェイシング』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術によってロングオーバル型のライン模様が描き出されており、作品の立体感を際立たせています。


さらに、そのオーバル型の内側にのみ槌目/Hammered markが施され、プレーンなシルバーの質感に詫び寂びを感じさせるアーティな表情が与えられています。

またそれは、当時のネイティブアメリカンジュエリーにおいて非常に珍しいディテールであり、新しいデザインや技術的な試みを実践したAwa Tsirehならではのディテールかと思われます。


前述の全体に施されたドームシェイプや立体的で流麗なフォルムについては、『リポウズ』や『バンプアウト』等と呼ばれるシルバーを叩き出す技術によって全体に丸く曲面が施されており、高度な技術を要するハンマーワークにより美しいアールと立体感が生み出されています。

このようなドーム状のアールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込み、そこにシルバーを非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせることによって曲面を作っています。

現代でもドーム型等の立体的なシェイプは見られますが、こちらはハンマーで叩き出すことで造形しているため、各部で異なった膨らみに成形されており、ハンドメイド独特で作者の拘りを感じるディテールとなっています。



【Awa Tsireh】アワ・シーディ(シェラ/ツィレー)は、1898年ニューメキシコ州サンタフェから少し北にあるサン・イルデフォンソプエブロに生まれ、インディアンのアーティストとして高い知名度を得た最初期の人物の一人です。

ダンサー、ペインター(画家)としても高名で、残念ながらシルバーワークを始めた正確な時期やシルバーワークを学んだ背景は現在も明らかになっていませんが、1920年代にはすでにペインターとして非常に高い知名度と人気を得ており、1931年にはダンサー/ペインター/シルバースミスと紹介されています。

また1930年代初頭からコロラド州のGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに作品を供給し、その後20年以上に渡り同トレーディングポストに在籍することになったようです。
どのような雇用形態であったかは不明ですが、1930年代~1940年代には夏季のみコロラド州コロラドスプリングスに滞在してペイントとシルバーワークを行っていたとされています。

また、Awa Tsirehの名前の発音については、正確な発音が不明となっています。元々文字を持たないインディアンの名前は、近代になってから英語やスペイン語の文字で発音をなぞるスペルが与えられました。
そしてアメリカ政府の介入もあり、現在の様な個人名が確立されています。
しかし、中には『枯れ葉のこすれる音』等と表現されるような文字に置き換えることが難しい名前もあったようです。
Awa Tsirehの発音は、英語のスペルをなぞると『アワ・ツィレー』になると思いますが、1938年の新聞記事では発音について『A-WA SI-DY』アーワ・シーディと紹介されています。

同作者の絵画作品は、インディアンダンサーや動物などの自然をモチーフにしながら独特な世界観を持ち、当時の西洋美術には存在しなかった様式と表現を持っていました。
シルバーをはじめとするメタルワークは、GARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属していたこともありツーリストジュエリーとしての側面を持ったポップでキャッチーな雰囲気の作品が多く残されていますが、そのモチーフの選択や躍動感のある作品群は、他の作家達とは一線を画しています。
1954年にはフランス政府からナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)やホピの巨匠【Fred Kabotie】フレッド・カボティー(1900–1986)らと共に、現在も存続している勲章『教育厚労賞』が与えられています。


また本作のように当時から高名な作家によるジュエリーの多くは、同時代に観光客向けに作られたツーリストジュエリー/フレッド・ハービースタイルと呼ばれるスーベニアアイテムのデザインソースとなっています。
特に【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やこちらの作者であるAwa Tsirehの作品は【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストをはじめとするManufacturersと呼ばれる量産メーカーによってコピーされています。

参考商品→「Awa Tsirehの作品をコピーしたと思われるBELL社製カウボーイデザインのピンブローチ」
そのため当時、模倣品との明確な区別を促すため、UITA【United Indian Trader's Association】などが組織されて量産化された作品との差別化が図られた歴史もあります。



【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。

所属していたのは、ネイティブアメリカンジュエリー創成期の最もクリエイティブな作家の一人として知られる本作の作者【Awa Tsireh】アワ・シーディー(1898-1955)をはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。

GARDEN OF THE GODSも1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛により創業された「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるジャンルにカテゴライズされている【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の分業化や機械化を進めインディアンクラフトの量産化を図ったメーカー/Manufacturersと同じスタートを切っていますが、インディアンアートショップとして古い伝統技術や製法を守り、独自性を持ちながら工芸品/アートピースとしての制作が行われており、上記の様なフレッド・ハービースタイルのマスプロダクト製品とは一線を画す存在です。

しかしながら、当時とても新しいかったポップなスタイルを持つAwa Tsirehの作品が、【BELL TRADING POST】をはじめとする量産メーカーに模倣されたことや、【Fred Peshlakai】の作品、【C. G. Wallace】で作られたデザイン/造形が上記のようなメーカーのデザインソースとなったことによりGARDEN OF THE GODS TRADING POSTやFred Wilson's Indian Trading Post、Southwestern Arts and Crafts等の分業や量産化を図っていない工房の作品も量産メーカーによるフレッド・ハービースタイルと混同されることになってしまいました。

1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、その後は妻がビジネスを引き継いでいたようですが、1979年にはビジネス自体が買収されました。そのため、ジュエリー等の制作は1950年代頃までだったと思われます。

また同店は、コロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。



【Coin Silver】コインシルバーとは、ネイティブアメリカンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。
また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。

同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。

また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、ネイティブアメリカンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。

シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925は純度2.5%の差異のみであり、外見での判断は困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。

さらに古い1800年代後半~1920年代以前の作品では、メキシカンコインが多く含まれていた為、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっている個体も多いようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークネイティブアメリカンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。
それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークネイティブアメリカンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



本作もコインシルバーインゴットから成形された作品独特の、どこか渋く重厚なシルバーの質感を有しています。
また、小さなヘアクリップですが、立体的なドーム型に造形されている事で程よい存在感を示し、素朴ながら魅力的なペンダントトップとなっています。


ナチュラルで素朴な質感により多くのスタイルに馴染みやすく性別を問わずお使いいただける高い汎用性を持っています。
その多くのネイティブアメリカンジュエリーとは異なった工芸品でありながらどこかアーティな意匠は、Awa Tsirehの精神性を捉えている様でもあり、独自の世界観や美意識を感じることが出来る作品です。


アンティークインディアンジュエリー独特の深淵で歴史を感じさせる味わいを持ち【Awa Tsireh】アワ・シーディ(ツィレー)という偉大な作家によるオリジナリティーと練り上げられたシルバーワークにより、高い希少性を誇る作品の一つとなっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションは全体にシルバーのクスミが見られ、ハンドメイド品特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感も少なくダメージ/リペア跡などのない大変良好な状態と保っています。
Size

縦 約5.65㎝   横 約0.95㎝   厚み(最大) 約0.8㎝
レザーレースは最大で92.0㎝程度

Material

Ingot Silver (Coin Silver)