【ZUNI】ズ二のビンテージジュエリー、マルチストーンインレイによって構成された、とても上品で落ち着いた色彩が印象的なスクリューバックタイプのアンティーク/ビンテージイヤリングです。
シンプルなスクエアシェイプをベースとして、グラフィカルな幾何学模様がインレイ技法によって描き出されており、現代的でクリーンなデザインとそれに反してクラシックでナチュラルな表情の二面性を持った作品となっています。
ズニ族はファミリー単位でジュエリー制作をしており、伝統技術やデザイン/造形を代々継承している為、制作された時期を判断するのが困難となっています。
本作も1940年代後半~1960年代頃の作品と推測されますが、細かな年代の特定はできません。しかしながら1970年代後半以降には見られなくなった質の高いターコイズがセットされており、アールデコの影響を受けたことが想起されるデザイン等からミッドセンチュリー期に作られた作品と推測できます。
また、スクリューパーツ以外のすべての工程がハンドメイドにより作られており、シンプルな造形ながら、手の込んだシルバーワークによってスクエアシェイプや幾何学模様を描くインレイの土台が形作られた作品です。
そこに3色の石がインレイされる事でシックな印象のグラフィックが構成されていますが、天然素材のアーシーな表情によってナチュラルで有機的な表情も感じさせる仕上がりとなっています。
スクリューバックタイプのイヤリングで、スクリューのパーツにスターリングシルバー(925シルバー)であることを表す『STERLING』の刻印が施されています。
※片側のみブラス(真鍮製)のパーツに交換されています。
【Inlay】インレイ/チャンネルインレイは、古くからズニ族が得意として発展させた技術であり、カットしたターコイズやシェルなどをシルバーにピッタリと嵌め込む螺鈿細工のような技術です。
ナバホのシルバー技術に次ぐ長い伝統のある技術であり、1920年代以降、現在に至るまで多く作られましたが、そのモチーフはサンダーバード、ナイフウイング、レインボーマン、サンフェイス等、とても多様なモチーフが見られます。
【C. G. Wallace INDIAN TRADER】C.G.ウォレスインディアントレーダー等有力なトレーダーの元では、ナバホのシルバースミスがシルバーワークを担当し、そこにズニのシルバースミスがインレイワークを施した共作品なども作られてます。
また、現在ではインレイ技法で制作される多くのジュエリーがキャストによる量産品(量産されたシルバーに石をはめ込むだけ)となってしまいましたが、こちらはシルバー部分を含めてすべてがハンドメイドで成形されています。
ナチュラルで自然を感じさせるターコイズと、シンプルでモダンなデザインが融合し、特別な品位とクラシックで可憐な印象が与えられたイヤリングです。
その相反するイメージが融合された印象と、ビンテージインディアンジュエリー独特の質感は、多くのスタイルにフィットしスタイリングに優雅な表情を与えてくれます。
またそのカラーリングと質感は、いろいろな素材に馴染みが良く、さりげなく使えるナチュラルな印象です。
色々なスタイルやナバホやホピのジュエリーとも相性が良く、スタイリングしやすいアイテムです。
ズニ独特の世界観を持ったジュエリーは、元々農耕民族として自然の存在を重んじるアニミズムの思想を持つ日本人にも共通した価値観や美意識を感じることができます。
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コンディションも良好です。
シルバーは全体にクスミ(硫化)が見られ、ハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、特にダメージは無く良好な状態を保っています。
前述のようにスクリューバックのパーツの片側は、ブラス(真鍮)製に交換されていますが、使用にあたっての支障はございません。