【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、大変上質なシルバーワークによって形作られた59個もの『ナバホパール』と呼ばれるハンドメイドのシルバービーズと28個のスカッシュブロッサムパーツで構成されたアンティーク/ビンテージスカッシュブロッサムナジャネックレスです。
1940年代~1960年代前後頃に作られた作品と思われ、比較的控えめなボリューム感の個体であり、伝統的なディテールによって構成されたオーセンティックな造形・デザインですが、それらの中でも厚いシルバーを使用している為にずっしりとした重量感を持った作品となっています。
トップのナジャも比較的小さいサイズとなっており、キャストではなくインゴットシルバー(銀塊)から成形されたと思われる2本のトライアングルワイヤーによって形作られています。
また、そのセンターにはグリーンターコイズがセットされ、強い主張を示さない落ち着いたトーンのターコイズですが、アンティークネックレスの質感にナチュラルにフィットし、作品の良いアクセントとなっています。
さらに、左右の両端にはシェルコンチョのリポウズ/バンプアウトが配されており、これらも伝統的なディテールとなっていますが、奥行きとナバホジュエリーらしい武骨な印象を与えています。
シルバービーズとスカッシュブロッサムパーツも大変質の高いシルバーワークで形作られており『ナバホパール』や『デザートパール』とも呼ばれるハンドメイドシルバービーズもまた厚い地金が使用されています。
シルバービーズとナジャを合わせた総重量は約94gと大変重く、厚いシルバーを使うほどに加工に必要な技術や熟練度が上がる為、作者の高い技量が伺えるます。
また、このようなベンチメイドシルバービーズ等もすべて古い製法で作られています。
現在では限られた作家しか作らないベンチメイド(ハンドメイド)のビーズは、材料の加工からの全ての工程を手作業により作り上げられており、コンチョを作るような手法で半球体を制作し、それら二つをロウ付けすることでビーズに成形しています。
そのため、その形状や大きさは不均一ですが、独特の味わいが感じられます。
そして、同じビーズを使用したスカッシュブロッサムパーツが左右に14個ずつ配され、同種の中でも非常に多くのスカッシュブロッサムパーツを備えた作品であり、控えめながら広がりのある造形に仕上がっています。
【Naja】ナジャはナバホ語で『三日月』を意味し、その原型は馬蹄をもとにしたデザインです。インディアンアートにおいては子宮を表す造形として用いられ、大地や自然と子孫繁栄、それに女性を称賛する意味合いが込められているそうです。
【Squash Blossom】スクワッシュブロッサムは『豊穣』を表すかぼちゃの花(本当は石榴の花)です。 こちらは花弁が3枚にデザインされています。
伝統的な技術や製法を守って作られており、ビーズのフォルムやナジャのシェイプ等を含め、1910年代以前に作られた古典期の作品を想起させる造形となっており、アーリーナバホジュエリーのナジャネックレスをそのまま小さくしたようなデザイン・造形が大変魅力的なピースとなっています。
また、プリミティブで武骨な雰囲気と共に完成度の高いシルバーワークや洗練された造形センスにより、ジュエリーとしての品位も感じられる作品です。
また、本作の様な比較的控えめなサイズ感のナジャネックレスは、大きいサイズのものと同じ手間とそれら以上の技術を必要とし、当店では注力して探しておりますが、アメリカ国内でも非常に高い需要を誇り、とても希少な存在となっています。
そのサイズ感や渋いシルバーの質感により強い存在感を示しませんが、アンティークジュエリー独特のエスニシティな魅力を有し、カジュアルなスタイルにネイティブアメリカンのスピリッツを与えるような、本作をメインとしたコーディネイトも可能ですし、日常的な装いのアクセントにもなり得るアイテム。性別や季節を問わずコーディネイトに取り入れて頂ける、実は汎用性の高いネックレスです。
古典期ナバホジュエリーの製法やスタイルを受け継ぐトラディショナルな造形と、その造形美を生み出す上質なシルバーワークによる高い完成度により、史料価値も高く大変コレクタブルな作品の一つとなっています。
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コンディションも大変良好です。
ビーズやスカッシュブロッサムパーツには、シルバーのクミスと制作時のムラなどが見られますが、特にダメージの無い良好な状態を保っています。
ターコイズは、少しマットな質感となっており、マトリックス部分には多少の凹凸が確認できますが、それらは天然石に由来する特徴(マトリックスロス)でありダメージではありません。
ビーズワイヤー(繊維紐)は傷みやダメージが見られなかった為、発見時のままで未交換となっております。