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【Morris Robinson】Hopi Tufa Casted Top Necklace c.1950

【Morris Robinson】Hopi Tufa Casted Top Necklace c.1950
ask 円(税込)
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着用サンプル画像
https://www.instagram.com/p/DCCD-27zi6M/
【HOPI】ホピの偉大な作家【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)によって制作されたとされる作品。【Tufa Cast】トゥーファキャストによって成形された神秘的な雰囲気を帯びたトップが、おそらく同作者によるハンドメイドチェーンと組まれたアンティーク/ビンテージネックレスです。


【Hopi】ホピの偉大なアーティストである【Charles Loloma】チャールズ・ロロマ(1921-1992)を見出したギャラリーオーナーである【Martha Hopkins Struever】マーサ・ホプキンス・ストルーバーによれば、Charles Lolomaに強い影響を与えたのがMorris Robinsonとされています。
本作はそれを裏付ける、直接的に影響を与えたことが感じられるトゥーファキャスト成形による作品となっています。


多岐にわたる彫金技術を身に付けていたMorris Robinsonですが、本作の様なトゥーファキャストによって制作された作品は殆ど発見されていません。

書籍『HOPI SILVER』(P27)で、ノーザンアリゾナミュージアム収蔵品であるベルトバックルが紹介されており、それはライトニングデザインの施されたトゥーファキャスト成形によるピースで、本作と共通した特徴を持った作品となっています。

同作者がどの程度トゥーファキャストによる作品を残したのか不明ですが、本作も本来はミュージアムに収蔵されているべき貴重な作品の一つです。



1950年代~1960年代初頭前後に制作されたものと思われ、強い独創性とスピリチュアルな印象が唯一無二の魅力的を放つ作品です。

モチーフは残念ながら不明となっていますが、ホピ族には多くの予言的な神話や民話が伝承されており、それらの中に登場する精霊や事象がモチーフになっているのではないかと推測されます。

神や精霊の様な象徴的なシェイプをベースとして、ライトニング模様が施されており、トゥーファキャスト特有のアーシーな表情とその造形が織り成す世界観は、ホピ族の精神や価値観そのものを宿している可能様に感じられます。



【Tufa Cast】トゥーファキャストとは、 トゥーファストーンという石を使用したナバホ族の伝統的な鋳造製法です。
インディアンジュエリーにおける『キャスト』は、このトゥーファキャストを原点としています。

サンドキャスト(砂型鋳物)もナバホジュエリーにおける代表的な技術となっていますが、インディアンジュエリーにおけるサンドキャストはトゥーファキャストの副産物として生み出された技術です。

材料となるのはトゥーファ鉱山より採掘される軽石のようなとても柔らかい石(トゥーファストーン)で、これをデザインに合わせて削ることによって作品の型を制作します。

2枚用意されたトゥーファの片方にデザインを彫刻し、2枚合わせたトゥーファの溝にシルバーを流し込んで鋳造します。
量産には向かず、多くが一点物の作品になり手間もかかるため、多くのアーティストが扱う技術ではありません。


サンドキャストについては、トゥーファストーンを削った時に生まれる粉末をオイルと混ぜることで粘土状にし、トゥーファキャストによって制作した鉛による『金型』を粘土状の砂型に押し付ける事でシルバーを流し込む窪みを作ります。

複製の難しいトゥーファキャストと異なり、金型による複製画可能なサンドキャストもトゥーファキャストと並行して受け継がれていますが、古い作品におけるトゥーファキャストとサンドキャストは、表面の研磨によって差異が無くなってしまうため、多くの作品においてどちらによる成形か判別困難となっています。


また現在、トゥーファキャストの最大の特徴となっているのは、シルバーに映し出される石の質感を、そのまま活かす仕上げです。
大地の自然な表情を切り取ったような独特の質感が表現され、その様な仕上げは【Charles Loloma】チャールズ・ロロマが発展させ、インディアンジュエリーの一つの表現方法として周知された手法です。

そこに現れるシルバーの表情はとても荘厳で自然に溶け込むような雰囲気を持っています。



本作はそのようなトゥーファキャストによる独特な質感・デザインを持ったトップが特徴的ですが、その他のシルバーワークも伝統的で丁寧な技術により構成されており、シルバーチェーンも全てハンドメイドによって成形されています。

このようなチェーンは、棒や細い板にシルバーワイヤーをコイル状に巻き付け、それをカットして一コマ一コマを丁寧にロウ付けして繋ぎ合わせることでチェーンにする手の込んだものです。



【Morris Robinson】モリス・ロビンソンは、1901年にアリゾナ州北部のオライビに生まれますが、1906年の【The Oraibi split】オライビ スプリットによってさらに北部であるホートビラ=バカビに移住します。
その当時、幼かったことからも過酷な幼少期が想像されますが、このころの記録は残っていないようです。

※【The Oraibi split】オライビ スプリットとは、1800年代後半からスペイン人の入植と共に宣教師がホピ族の村であったオライビにも布教を進め、政府の介入によりホピの子供たちに学校教育を強要しようとします。
1906年、それらアメリカ政府の方針に従った住民と、反対した住民が対立・分裂してしまった出来事。その後、反対派住民の多くはオライビを追われ、当時は何もなかったホートビラ=バカビに移り定住しました。


その後、1920年頃にはフェニックスにあるインディアンスクールに在籍しており、従弟である作家【Grant Jenkins】グラント・ジェンキンス(1909-1933)と共に暮らし、シルバースミスとしてのスキルも彼から学びました。

そして、Vaughn's Indian StoreやVaughn'sを買収したFred Wilson's INDIAN TRADING POSTなど、ほとんどをフェニックスとその周辺都市でキャリアを磨きました。そのころにはすでに多くの賞を受賞し、トラディッショナルなスタイルを受け継ぎながらも独自性のあるジュエリーを多く生み出しています。

1961年からは、スコッツデールにあった【Harry Sakyesva】ハリー・サキイェスヴァ(1922-1969)が経営する【Sakyesva Jewelry】で制作をしていましたが、Harry Sakyesvaが病気療養のためコロラド州に移るとMorris Robinsonもホートビラ=バカビに戻ります。
バカビでは、兄弟と共に牧羊をして生活していましたが、シルバースミスとしてのツールは手放すことなく、僅かながらジュエリーの制作も継続していたそうです。
そして、1984年にホピの村で亡くなっています。

HOPI(ホピ)を表すHとMorris Robinsonのクラン(母系の氏族を表す動物)である蛇のホールマークは1931年頃から使用していたとされており、個人のホールマークを使用した最初期の作家の一人です。
現在では、アンティークインディアンジュエリーのオーセンティックな作品として定着しているスタイルの作品を多く残したMorris Robinsonですが、活躍していた当時には突出した技術を持ち、独自性を持った作品は多くの作家に影響を与えています。
そういった意味での貢献度は、ナバホのフレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やホピの【Ralph Tawangyaouma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)にも並ぶ偉大な先人であり、ミュージアムに収蔵される傑作を多く残しています。

また、その技術によりジュエリーだけでなくボックスやカトラリー等多くのシルバー工芸品が制作されており、【Charles Loloma】チャールズ・ロロマや【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイよりも早くゴールドジュエリーを制作していたことでも知られています。



【Charles Loloma】チャールズ・ロロマは、インディアンジュエラーとしてアーティスト/芸術家と成り、成功を収めた最初の人物であり、その偉業は語りつくせないほどに輝かしく幾層にも及んでいます。

1921年にアリゾナ州ホートビラ近くの生まれで、オライビのホピハイスクールに通いながら、多くの傑作を残したアーティスト【Fred Kabotie】フレッド・カボティ(1900-1986)の下で働いていました。そうして10代のころから偉大なアーティストの仕事を間近に体感し、壁画をはじめとする絵画作品を残しました。

その後1941年~1945年までは陸軍に所属。退役後にはイラストや壁画制作を再開しますが、1949年~1951年頃はジョン・ヘイ・ホイットニー財団からの研究奨学金を得て陶芸の研究をしています。
そして1954年にはアリゾナ州スコッツデールに陶芸店を開業するに至っており、ジュエリー制作を始めたのは1955年頃とされています。

1950年代末頃からは、インディアンスクールにおいて芸術家を育てる教育者としての活動とジュエリー制作を並行して行い、1963年のパリで開催した個展を大成功させています。

それ以降、世界的にアーティストとして認知され、リンドン・ジョンソン大統領から外交ギフト用のジュエリーをオーダーされるほどにアメリカ独自の芸術として国内外から高く評価されるようになります。
そして、日本を含む世界中の国々を旅して自然や文化、異国の芸術から多くの刺激を受け続けました。

初期作品では、陶芸家としての活動をフィードバックしたようなトゥーファキャストをメインとした作品を多く制作しており、シルバーやゴールドに新しい表情を与えた作品を残しています。
そこから『インナージェム』と呼ばれる、外からはほとんど見えないジュエリーの内側に石をセットする新しい価値観を生み出したり、それまでインディアンジュエリーには用いられていなかったラピスラズリや黒檀などのマテリアルを取り込んでいきました。

そのような全く新しいスタイルを持った作品は、同じインディアンシルバースミスから我々の持つ美意識ではない、と批判されることもありましたが、それ以上に若い世代からの支持を集め、Charles Lolomaの生み出した造形スタイルの多くは後進のインディアンジュエラーに受け継がれ、現在ではオーセンティックな造形となっている技術やスタイルが数多く存在します。

1950年代頃のアメリカ政府はアメリカ独自の芸術を生み育てることに注力しており、その動きの中で成功したアーティストの一人です。しかしながら、その芸術性や完成度は他の追随を許さない素晴らしいものでした。
ヨーロッパでの成功も単にアメリカ原住民による新しい価値観というだけでなく、そこに独自性と唯一無二の美しさ、そして緻密な計算と卓越した技術力による作品としての完成度と完璧な調和が実現されていた為に、掴むことが出来た成功でした。

前述の通り、現在でもナバホのベテラン作家【Wes Willie】ウェス・ウィリーや同じくナバホの【Edison Cummings】エディソン・カミングスなど突出した技術力を誇る作家たちがロロマスタイルを受け継いだ作品を制作していますが、その完成度が並ぶことはあっても未だ超えることは出来ていないように思われます。
姪である【Sonwai】ソンワイ(Verma Nequatewa)は、晩年の制作の多くを担い技術面では全く遜色のない制作をされています。

また、非常に大きな成功を収めるに至り、自家用ジェットを所有する等、金銭的にも富豪となりましたが、生まれ育ったホピの土地や文化を晩年まで愛し続けました。
自宅にはかぼちゃなどの野菜が実り、トウモロコシを挽いて生活する昔ながらのホピの生活が守られていたそうです。

そして、現在もその評価が上がり続けている代表的なアーティストの一人であり、世界中にコレクターが存在し投機目的の資金も流入するために今後もプライスの高騰が予想されます。



本作はCharles Lolomaの初期作品に強い影響を与えたことが想起されるMorris Robinsonの特別な感性とオリジナリティを誇る作品であり、その神秘的な造形美やアーシーな魅力は、長い年月を経ていまだその存在感と威厳を失っていません。


程よくも迫力のあるボリューム感により、コーディネイトの要となり得る作品。トゥーファキャストによるアーシーでナチュラルな質感は多くのスタイルに自然に馴染みますが、主張を持ったアクセントに成り得、着用者に高揚感を与える力と神秘性のある作品となっております。


ホピ族における最初期のシルバースミスであるMorris Robinsonという偉大な作家の思想や美意識が堪能できる作品であり、伝統工芸品の枠に収まらないウェアラブルアートとしても歴史的な資料としても高い価値を持つ作品。前述の通り、ミュージアムクオリティを誇る非常に貴重なアンティークジュエリーの一つです。

◆女性着用サンプル画像はこちら◆

◆男性着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも非常に良好です。
シルバーのクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等はありますが、使用感を感じさせず、大変良い状態を保っています。


こちらの価格につきましてはお問い合わせください。
お手数ですが、お問い合わせ作品名・アイテムコード・お名前・住所・電話番号・メールアドレスを必ずご記載下さいますようお願いいたします。  →お問合せはこちら
【HOPI】ホピの偉大な作家【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)によって制作されたとされる作品。【Tufa Cast】トゥーファキャストによって成形された神秘的な雰囲気を帯びたトップが、おそらく同作者によるハンドメイドチェーンと組まれたアンティーク/ビンテージネックレスです。


【Hopi】ホピの偉大なアーティストである【Charles Loloma】チャールズ・ロロマ(1921-1992)を見出したギャラリーオーナーである【Martha Hopkins Struever】マーサ・ホプキンス・ストルーバーによれば、Charles Lolomaに強い影響を与えたのがMorris Robinsonとされています。
本作はそれを裏付ける、直接的に影響を与えたことが感じられるトゥーファキャスト成形による作品となっています。


多岐にわたる彫金技術を身に付けていたMorris Robinsonですが、本作の様なトゥーファキャストによって制作された作品は殆ど発見されていません。

書籍『HOPI SILVER』(P27)で、ノーザンアリゾナミュージアム収蔵品であるベルトバックルが紹介されており、それはライトニングデザインの施されたトゥーファキャスト成形によるピースで、本作と共通した特徴を持った作品となっています。

同作者がどの程度トゥーファキャストによる作品を残したのか不明ですが、本作も本来はミュージアムに収蔵されているべき貴重な作品の一つです。



1950年代~1960年代初頭前後に制作されたものと思われ、強い独創性とスピリチュアルな印象が唯一無二の魅力的を放つ作品です。

モチーフは残念ながら不明となっていますが、ホピ族には多くの予言的な神話や民話が伝承されており、それらの中に登場する精霊や事象がモチーフになっているのではないかと推測されます。

神や精霊の様な象徴的なシェイプをベースとして、ライトニング模様が施されており、トゥーファキャスト特有のアーシーな表情とその造形が織り成す世界観は、ホピ族の精神や価値観そのものを宿している可能様に感じられます。



【Tufa Cast】トゥーファキャストとは、 トゥーファストーンという石を使用したナバホ族の伝統的な鋳造製法です。
インディアンジュエリーにおける『キャスト』は、このトゥーファキャストを原点としています。

サンドキャスト(砂型鋳物)もナバホジュエリーにおける代表的な技術となっていますが、インディアンジュエリーにおけるサンドキャストはトゥーファキャストの副産物として生み出された技術です。

材料となるのはトゥーファ鉱山より採掘される軽石のようなとても柔らかい石(トゥーファストーン)で、これをデザインに合わせて削ることによって作品の型を制作します。

2枚用意されたトゥーファの片方にデザインを彫刻し、2枚合わせたトゥーファの溝にシルバーを流し込んで鋳造します。
量産には向かず、多くが一点物の作品になり手間もかかるため、多くのアーティストが扱う技術ではありません。


サンドキャストについては、トゥーファストーンを削った時に生まれる粉末をオイルと混ぜることで粘土状にし、トゥーファキャストによって制作した鉛による『金型』を粘土状の砂型に押し付ける事でシルバーを流し込む窪みを作ります。

複製の難しいトゥーファキャストと異なり、金型による複製画可能なサンドキャストもトゥーファキャストと並行して受け継がれていますが、古い作品におけるトゥーファキャストとサンドキャストは、表面の研磨によって差異が無くなってしまうため、多くの作品においてどちらによる成形か判別困難となっています。


また現在、トゥーファキャストの最大の特徴となっているのは、シルバーに映し出される石の質感を、そのまま活かす仕上げです。
大地の自然な表情を切り取ったような独特の質感が表現され、その様な仕上げは【Charles Loloma】チャールズ・ロロマが発展させ、インディアンジュエリーの一つの表現方法として周知された手法です。

そこに現れるシルバーの表情はとても荘厳で自然に溶け込むような雰囲気を持っています。



本作はそのようなトゥーファキャストによる独特な質感・デザインを持ったトップが特徴的ですが、その他のシルバーワークも伝統的で丁寧な技術により構成されており、シルバーチェーンも全てハンドメイドによって成形されています。

このようなチェーンは、棒や細い板にシルバーワイヤーをコイル状に巻き付け、それをカットして一コマ一コマを丁寧にロウ付けして繋ぎ合わせることでチェーンにする手の込んだものです。



【Morris Robinson】モリス・ロビンソンは、1901年にアリゾナ州北部のオライビに生まれますが、1906年の【The Oraibi split】オライビ スプリットによってさらに北部であるホートビラ=バカビに移住します。
その当時、幼かったことからも過酷な幼少期が想像されますが、このころの記録は残っていないようです。

※【The Oraibi split】オライビ スプリットとは、1800年代後半からスペイン人の入植と共に宣教師がホピ族の村であったオライビにも布教を進め、政府の介入によりホピの子供たちに学校教育を強要しようとします。
1906年、それらアメリカ政府の方針に従った住民と、反対した住民が対立・分裂してしまった出来事。その後、反対派住民の多くはオライビを追われ、当時は何もなかったホートビラ=バカビに移り定住しました。


その後、1920年頃にはフェニックスにあるインディアンスクールに在籍しており、従弟である作家【Grant Jenkins】グラント・ジェンキンス(1909-1933)と共に暮らし、シルバースミスとしてのスキルも彼から学びました。

そして、Vaughn's Indian StoreやVaughn'sを買収したFred Wilson's INDIAN TRADING POSTなど、ほとんどをフェニックスとその周辺都市でキャリアを磨きました。そのころにはすでに多くの賞を受賞し、トラディッショナルなスタイルを受け継ぎながらも独自性のあるジュエリーを多く生み出しています。

1961年からは、スコッツデールにあった【Harry Sakyesva】ハリー・サキイェスヴァ(1922-1969)が経営する【Sakyesva Jewelry】で制作をしていましたが、Harry Sakyesvaが病気療養のためコロラド州に移るとMorris Robinsonもホートビラ=バカビに戻ります。
バカビでは、兄弟と共に牧羊をして生活していましたが、シルバースミスとしてのツールは手放すことなく、僅かながらジュエリーの制作も継続していたそうです。
そして、1984年にホピの村で亡くなっています。

HOPI(ホピ)を表すHとMorris Robinsonのクラン(母系の氏族を表す動物)である蛇のホールマークは1931年頃から使用していたとされており、個人のホールマークを使用した最初期の作家の一人です。
現在では、アンティークインディアンジュエリーのオーセンティックな作品として定着しているスタイルの作品を多く残したMorris Robinsonですが、活躍していた当時には突出した技術を持ち、独自性を持った作品は多くの作家に影響を与えています。
そういった意味での貢献度は、ナバホのフレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やホピの【Ralph Tawangyaouma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)にも並ぶ偉大な先人であり、ミュージアムに収蔵される傑作を多く残しています。

また、その技術によりジュエリーだけでなくボックスやカトラリー等多くのシルバー工芸品が制作されており、【Charles Loloma】チャールズ・ロロマや【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイよりも早くゴールドジュエリーを制作していたことでも知られています。



【Charles Loloma】チャールズ・ロロマは、インディアンジュエラーとしてアーティスト/芸術家と成り、成功を収めた最初の人物であり、その偉業は語りつくせないほどに輝かしく幾層にも及んでいます。

1921年にアリゾナ州ホートビラ近くの生まれで、オライビのホピハイスクールに通いながら、多くの傑作を残したアーティスト【Fred Kabotie】フレッド・カボティ(1900-1986)の下で働いていました。そうして10代のころから偉大なアーティストの仕事を間近に体感し、壁画をはじめとする絵画作品を残しました。

その後1941年~1945年までは陸軍に所属。退役後にはイラストや壁画制作を再開しますが、1949年~1951年頃はジョン・ヘイ・ホイットニー財団からの研究奨学金を得て陶芸の研究をしています。
そして1954年にはアリゾナ州スコッツデールに陶芸店を開業するに至っており、ジュエリー制作を始めたのは1955年頃とされています。

1950年代末頃からは、インディアンスクールにおいて芸術家を育てる教育者としての活動とジュエリー制作を並行して行い、1963年のパリで開催した個展を大成功させています。

それ以降、世界的にアーティストとして認知され、リンドン・ジョンソン大統領から外交ギフト用のジュエリーをオーダーされるほどにアメリカ独自の芸術として国内外から高く評価されるようになります。
そして、日本を含む世界中の国々を旅して自然や文化、異国の芸術から多くの刺激を受け続けました。

初期作品では、陶芸家としての活動をフィードバックしたようなトゥーファキャストをメインとした作品を多く制作しており、シルバーやゴールドに新しい表情を与えた作品を残しています。
そこから『インナージェム』と呼ばれる、外からはほとんど見えないジュエリーの内側に石をセットする新しい価値観を生み出したり、それまでインディアンジュエリーには用いられていなかったラピスラズリや黒檀などのマテリアルを取り込んでいきました。

そのような全く新しいスタイルを持った作品は、同じインディアンシルバースミスから我々の持つ美意識ではない、と批判されることもありましたが、それ以上に若い世代からの支持を集め、Charles Lolomaの生み出した造形スタイルの多くは後進のインディアンジュエラーに受け継がれ、現在ではオーセンティックな造形となっている技術やスタイルが数多く存在します。

1950年代頃のアメリカ政府はアメリカ独自の芸術を生み育てることに注力しており、その動きの中で成功したアーティストの一人です。しかしながら、その芸術性や完成度は他の追随を許さない素晴らしいものでした。
ヨーロッパでの成功も単にアメリカ原住民による新しい価値観というだけでなく、そこに独自性と唯一無二の美しさ、そして緻密な計算と卓越した技術力による作品としての完成度と完璧な調和が実現されていた為に、掴むことが出来た成功でした。

前述の通り、現在でもナバホのベテラン作家【Wes Willie】ウェス・ウィリーや同じくナバホの【Edison Cummings】エディソン・カミングスなど突出した技術力を誇る作家たちがロロマスタイルを受け継いだ作品を制作していますが、その完成度が並ぶことはあっても未だ超えることは出来ていないように思われます。
姪である【Sonwai】ソンワイ(Verma Nequatewa)は、晩年の制作の多くを担い技術面では全く遜色のない制作をされています。

また、非常に大きな成功を収めるに至り、自家用ジェットを所有する等、金銭的にも富豪となりましたが、生まれ育ったホピの土地や文化を晩年まで愛し続けました。
自宅にはかぼちゃなどの野菜が実り、トウモロコシを挽いて生活する昔ながらのホピの生活が守られていたそうです。

そして、現在もその評価が上がり続けている代表的なアーティストの一人であり、世界中にコレクターが存在し投機目的の資金も流入するために今後もプライスの高騰が予想されます。



本作はCharles Lolomaの初期作品に強い影響を与えたことが想起されるMorris Robinsonの特別な感性とオリジナリティを誇る作品であり、その神秘的な造形美やアーシーな魅力は、長い年月を経ていまだその存在感と威厳を失っていません。


程よくも迫力のあるボリューム感により、コーディネイトの要となり得る作品。トゥーファキャストによるアーシーでナチュラルな質感は多くのスタイルに自然に馴染みますが、主張を持ったアクセントに成り得、着用者に高揚感を与える力と神秘性のある作品となっております。


ホピ族における最初期のシルバースミスであるMorris Robinsonという偉大な作家の思想や美意識が堪能できる作品であり、伝統工芸品の枠に収まらないウェアラブルアートとしても歴史的な資料としても高い価値を持つ作品。前述の通り、ミュージアムクオリティを誇る非常に貴重なアンティークジュエリーの一つです。

◆女性着用サンプル画像はこちら◆

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コンディションも非常に良好です。
シルバーのクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等はありますが、使用感を感じさせず、大変良い状態を保っています。


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Size

トップ実寸  縦(バチカン含む) 約8.1㎝   横 約5.5㎝ 
ネックレス全長 約45.0㎝程度

Material

Silver