【ZUNI】ズ二のビンテージジュエリー、伝統的な造形技術の一つである『Needle Point/ニードルポイント』と呼ばれる技法によって、形作られたスクリューバックタイプのアンティーク/ビンテージイヤリングです。
とても小さくカットされたターコイズにより、繊細で美しい格子が構成された作品。可憐な愛らしさと構築的な印象を併せ持ったデザインが素晴らしいピースです。
ズニ族はファミリー単位でジュエリーを制作し、伝統技術やデザイン/造形を代々継承している為、制作された時期を正確に判断するのが困難ですが、1960年代後半~1980年代初頭頃までに作られた作品と思われます。
すべての工程が丁寧で緻密なハンドメイドによりに作られており、シルバードロップ/ボールをセンターに、格子状にターコイズニードルポイントが配されることで、透け感と幾何学模様の様なグラフィカルな表情が生み出されています。
スクリューバックタイプのイヤリングで、スクリューのパーツにスターリングシルバー(925シルバー)であることを表す『STERLING』の刻印が施されています。
セットされたターコイズは鉱山などは不明ですが、ビンテージ作品特有の複雑で味わい深い表情を持った石です。
おそらく無添加・無加工と思われ、柔らかな色調ですが天然石特有の変色味わい深いターコイズとなっています。また、そのマルチカラーがアンティークインディアンジュエリー独特のナチュラルな質感と、アーシーな魅力を生み出しているようにも感じられます。
細かな石のカットなどを得意とするズニの作家たちにより、こちらのようなニードルポイントと呼ばれる、とても小さなターコイズやコーラルを用いた造形が生み出され、1950年代以降はズニの得意とする造形として認知されることになりました。
現代においては現地に住むインディアンの人々は、クラスターデザインをはじめとするこちらの様なデザインを好んでいます。
ナチュラルで自然を感じさせるターコイズと、シンプルでモダンなデザインが融合し、特別な品位と可憐な印象を与えられたイヤリングです。
またその相反するイメージが融合された印象と、ビンテージインディアンジュエリー独特の質感は、多くのスタイルにフィットしスタイリングに優雅な表情を与えてくれます。
控えめなボリューム感の小さな作品ですが、それが繊細で女性らしい表情をさらに強調しており、ズニ独特の造形美と共に可憐でエレガントな印象生み出しているようです。
ズニ独特の世界観を持ったジュエリーは、元々農耕民族として自然の存在を重んじるアニミズムの思想を持つ日本人にも共通した価値観や美意識が宿っており、本作にもどこか日本の伝統工芸品に通じる造形美が感じられます。
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コンディションも良好です。全体にシルバーのクスミ、ハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、使用感は少なく良い状態を保っています。
またスクリューバックパーツには僅かな捻りが見られますが、着用には全く問題ありません。