【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、美しい煌めきを見せるハイグレードナンバーエイトターコイズをメインとし、それらを際立たせるシンプルなシルバーワークで仕上げられたアンティーク/ビンテージリングです。

迫力のあるボリューム感を持つリングですが、デザインのバランスや原石のシェイプを活かしたと思われるナチュラルなターコイズのカット等により、素朴さや調和を感じさせる作品となっています。


また、本作は内側に『4H』という作者か工房を示すホールマークが刻まれています。しかしながら、現時点ではその作者個人や工房の特定には至っておらず、正確な制作背景は残念ながら不明となっています。
『3H』のホールマークを持つ、【Three Hogans】という長い歴史を持ったショップが存在し、同店とは無関係と思われますが、やはり本作の『4H』も作者個人を表すのでは無く、工房やショップのホールマークではないかと推測されます。


1950年代末頃～1970年前半代頃に制作された作品と思われ、殆どスタンプワークが施されないシンプルなシルバーワークの為、正確に制作年代を特定するのが困難ですが、石の質やハーフラウンドワイヤーで構成されたシャンク等のディテールにより制作年代を推定しています。

そのシャンクは、ハーフラウンドワイヤーの両端をハンマーワークによってフラットに叩き鞣し、さらにそこを割り開く事で作り出す、『スプリットシャンク』と呼ばれる伝統的な造形となっており、フロントに向けて3本に割り開かれることで、フェイスに向かって幅とボリューム感を持たせ、フェイスとの自然な繋がりを作っています。


フェイスは美しいナンバーエイトターコイズを縦方向に2つ羅列し、その石を留めるベゼル(覆輪)には、刻みのあるノッチドベゼルが採用されています。
そして、フェイスのエッジを縁取るようにワイヤーワークが配される事で、石の外周に深い影を生み出し、クリーンな印象を与えながらターコイズを際立たせる役割を担っています。

さらに、2つの石の間には小さなシェルコンチョが施されており、これも伝統的で珍しいディテールではありませんが、さり気なくも効果的にナバホジュエリーらしい印象を付加しているようです。


マウントされたターコイズは、発色の美しい澄んだ水色にブラウン・ゴールドのスパイダーウェブが入るハイグレードな【Number Eight Turquoise】ナンバーエイトターコイズです。
水色・青・白の濃淡による複雑なグラデーションに、非常に強いブラウンウェブが入り、高い硬度を感じさせる透明感と艶を今なお保ち、宝石としても高く評価されるターコイズです。

数十年を経過してなおこの美しい色と艶を保ち、ナンバーエイト独特の魅力を湛える無添加ナチュラルターコイズです。


【Number Eight Turquoise】ナンバーエイト鉱山は、ネバダ州の鉱山で1920年代中頃～60年年代頃まで採掘されていました。特に1930年代中頃に採掘された石は素晴らしいクオリティーを持っていたとされています。
採掘されるターコイズは、バリエーションが豊かな鉱山の一つですが、その多くは澄んだ水色を持ち、ハイグレードにグレーディングされるものは北米産ターコイズの中でも最も変色や劣化しにくいとされ、高い硬度を誇っています。

現在はその多くがコレクターや有力なトレーダーに収蔵され、市場に出ること自体が少なくなってしまいました。



本作はアンティーク作品では非常に貴重なジェムクオリティターコイズがセットされた作品であり、上質なターコイズと作者の技術力を伺わせる高い完成度により、クラシックでエレガントな魅力も宿しています。

また、石の大きさと共にボリューム感のあるリングとなっていますが、アーシーな魅力を放つターコイズにより多くのスタイルによく溶け込み、日常のコーディネイトに高揚感をも与えるアクセントとなり得るリングです。
さらには、非日常の装いやフォーマルなシーンでも品格を損なわない、ジュエリーとしての品位と石の質を誇る作品です。


ハンドメイドナバホジュエリーの魅力と自然の一部を切り取った様な複雑な景色を持つターコイズが織り成す、小さくも深淵な世界が広がるジュエリー作品。現在では、本作の様なビンテージピースは大変コレクタブルで貴重な作品となっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションは、多少のクスミやハンドメイド作品特有の制作上のムラ等は見られますが、などが見られる程度で使用感を感じさせず大変良好な状態です。

また、ターコイズも天然石に由来するマトリックス部分の凹凸等が見られますが、ダメージのない素晴らしいコンディションを保っています。