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JPO016414

【Ike or Austin Wilson】Stamped Concho Pin w/Turquoise c.1935~

【Ike or Austin Wilson】Stamped Concho Pin w/Turquoise c.1935~
64,900 円(税込)
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【NAVAJO】ナバホの偉大なシルバースミス兄弟の弟【Ike Wilson】アイク・ウィルソン(1901-1942)とその妻【Katherine Wilson】キャサリン・ウィルソン、又は兄である【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン(1901-1976)によって作られたと推測される作品。オーセンティックなオーバル型のコンチョをベースとしながら、リーフデザイン等の少し特殊なモチーフを含む秀逸なスタンプワークが特徴的なビンテージ/アンティークピンブローチです。
伝統的な技術・製法で形作られたピースながら、シルバーワークやスタンプ(鏨)ツールのクオリティには、同作者の技巧の証といえる美しさと高い完成度を感じさせるジュエリー作品となっています。

本作にはホールマークが無く作者を断定する事ができませんが、ターコイズの四方に刻まれているリーフ(たばこの葉)をモチーフとしたスタンプにより、作者の特定が可能となっています。Wilson兄弟が作品を供給していた【C. G. Wallace Trading Post】C. G.ウォレストレーディングポストでは、所属するシルバースミス達の間でスタンプツールの共有が行われていた形跡もありますが、こちらのリーフデザインの様なスペシャリティを持ったスタンプツールにおいては、共有されているサンプルが発見されておらず、本作の様に大きいコンチョをベースとしたピンブローチの造形スタイルも内側に「ボウ&アロー」のホールマーク(作者のサイン)が刻印された作品が多く発見されており、同作者の作品である事が推定可能な作品となっています。

また当店ではこれまで「ボウ&アロー」の刻印が刻まれた作品を、兄弟の中でも兄であるAustin Wilsonによる作品である可能性が高いと紹介してきました。しかし現在、新しい文献やフィールド調査によって、弟のIkeとその妻Katherineによって作られた作品である可能性の方が優位となっています。

1930年代後半~1950年代頃の作品と推測され、インゴットシルバー(銀塊)から成形された重厚なシルバーをベースにしたコンチョは、少し大きめのオーバルシェイプに形作られています。
その中央には、美しい発色を持つカボションカットターコイズがマウントされ、石を中心にどこか有機的で優美なデザインのスタンプワークが刻まれています。また、エッジには力強く細かなスタンプワークが刻まれており、その内側部分には『チェイシング/Chasing』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術により、しっかりとした凹凸による立体的なラインが作り込まれています。そして、その立体的なライン状にも力強いスタンプワークが施されており、連続した規則的なスタンプによってメリハリのある表情に仕上げられています。
そして、ハンマーワークにより全体にアール(曲面)が施されており、中央が柔らかく膨らむ立体的な造形になっています。これは現在多くみられる凸と凹の金型ツールを用いた技術ではなく、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。
それらの丁寧なシルバーワークによってナバホジュエリーらしくも強いオリジナリティと素晴らしい上質感、それに派手さはありませんがジュエリーとしての高い品位が与えられた作品です。


【Austin Wilson】オースティン・ウィルソンと【Ike Wilson】アイク・ウィルソンは、ナバホ族の兄弟であり、二人とも1901年生まれで、一説にはアングロ(白人)の血が入っていたのではないかとされています。
インディアンジュエリー作家の第二世代、セカンドジェネレーションと呼ばれる【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)や【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、 ホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)等と同世代であり、インディアンジュエリーの『作家』として活動を始めた最初期の一人です。
二人ともナバホリザベーションに生まれますが、弟のIke Wilsonが先にシルバースミスとして【Charles Garrett Wallace】チャールズ・ガレット・ウォレス(1898-1993)の経営するズニプエブロのC. G. Wallace Trading Postで仕事を始めます。その後、兄であるAustin Wilsonを同じC. G. Wallace Trading Postに誘いれたようです。キャリア中期以降は、ズニプエブロに存在するC. G. Wallace以外のトレーダーにも作品を供給しており、多くの素晴らしい作品を生み出しました。それは、彼らによる多くの作品がすでにミュージアムに収蔵されていることからも作家としての独自性やシルバースミスとしての高い技術や創造性がうかがえます。

また、C. G. Wallace はZUNI /ズ二のジュエリーを専門に扱うトレーダーでしたが、1920年代にナバホのシルバー彫金技術を必要としてIke Wilson等、ナバホのシルバースミスを登用したとされています。しかしながら、所属するジュエリー作家の多くがズニのジュエラーであった為、Austin WilsonとIke Wilsonの兄弟の作品の中には、その当時ではほとんど考えられなかったズニの作家との共作と思われるチャンネルインレイ技術が使われた作品などが見つかっています。ただし、二人は基本的にシルバーワークを専門としており、ナバホのトラディッショナルな技術をベースに、ズニの作家による石のカットやカービングと彼らのシルバーワークを組み合わせたピースが残されています。その技術・技法はナバホの伝統的な彫金技術を重視していたようですが、そのデザインスタイルやナバホジュエリーにはあまり見られない繊細な仕事には、ズニの影響が感じられます。
本作におけるリーフ(たばこの葉)をモチーフとしたスタンプ(鏨)ツールもナバホジュエリーの古典作品を基本としたデザインの本作に、プエブロのシルバースミスを想起させる少し特殊なディテールとなっています。これも狩猟民族であるナバホと異なり、農耕民族として自然をモチーフとして多く取り入れたズニの影響であることが推測されます。

ブレスレットやリングなど、トラディショナルなナバホスタイルを踏襲した作品が多く見つかっていますが、ボックスやカトラリー等多岐にわたるシルバー作品を残しており、伝統的な技術を踏襲しながらも新しいスタイルや実験的な造形のピースも見られ、そのクリエイティブな作風や美意識は後世の作家にも多くの影響を与えています。さらに、1941年発足の職人団体【The Navajo Arts & Crafts Guild】 ナバホギルドのメンバーとしてもその名前が残されています。

弟の【Ike Wilson】 は1942年に事故で亡くなられており、兄の【Austin Wilson】は1976年没。また、Ike Wilsonの孫にあたるのが、コンテンポラリージュエリーの有名作家【Harry Morgan】ハリー・モーガン(1946-2007)です。

ホールマーク(作家のサイン)については、同兄弟のどちらかの刻印としてボウ&アローの刻まれた作品が多く見つかっていますが、それが兄弟の内でどちらのサインであるか明確になっていません。前述のように、弟であるIkeが使用したホールマークであり、1942年のIkeの死後は妻であるKatherine Wilsonがしばらく受け継いでいた可能性が高いと推測しています。兄弟で共通のホールマークであった可能性も排除できません。
また、トマホークモチーフの刻印やホーガンモチーフのものなども同作者のものとして紹介されていることがありますが、C. G. Wallace Trading Postには、二人以外にも【Billy Hoxie】ビリー・ホクシー、【Charles Begay】チャールズ・ビゲイ(1912-1998)等、一説には二十数人と言われるナバホ出身のシルバースミスが作品を供給していたと云われており、オースティン・ウィルソンかアイク・ウィルソン、それぞれのサイン/ホールマークを断定するのは大変困難だと思われます。
またそれは、AustinとIkeが1歳ほど年の離れた兄弟である事が、最近のErnie Bulow氏の研究・調査によって判明したばかりであり、それまでは同一人物とされていました。それらの研究経過からもまだまだ不明点が多く、ホールマーク等の詳細について判断するにはまだ今後の研究・調査が必要かと思われます。
当時の高名な作家と同じようにホールマークの刻印されていない作品も確認されていますが、当時の作家の中では多作であり、比較的ホールマークの刻印されたピースが残っている作者です。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


ナバホの古典スタイルを踏襲しながらも、どこか柔らかな表情や上品な印象を持ち、ズニジュエリーの価値観や美意識の影響が垣間見える作品となっています。それは、一見オーセンティックでナバホの1910年代以前の作品のようにも感じられますが、リポウズやスタンプワークの生み出すデザインやその表情に、農耕民族であるズニ族の植物や自然現象を重んじる意識を宿しており、他に類を見ないスペシャリティとなっているようです。

また、少し大きめでボリューム感のある作品ですが、ナバホジュエリーを代表するアイテムの一つであるコンチョは、ラペルやハット以外にも多くのアイテムに馴染みやすく使い勝手の良いアイテムです。

ウェアラブルアートとしても高く評価されるコレクタブルなジュエリー作品であり、オーセンティックでシンプルな作品ですが、ビンテージインディアンジュエリー独特の味わいとAustin Wilson/Ike Wilson/Katherine Wilsonという偉大な作家による独自性を有するハイエンドなアンティークジュエリー。ホールマークが刻印されていない事によりトレジャーハントプライスとなっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションもシルバーのクスミやハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、ターコイズを含め大変良好な状態を保っています。
【NAVAJO】ナバホの偉大なシルバースミス兄弟の弟【Ike Wilson】アイク・ウィルソン(1901-1942)とその妻【Katherine Wilson】キャサリン・ウィルソン、又は兄である【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン(1901-1976)によって作られたと推測される作品。オーセンティックなオーバル型のコンチョをベースとしながら、リーフデザイン等の少し特殊なモチーフを含む秀逸なスタンプワークが特徴的なビンテージ/アンティークピンブローチです。
伝統的な技術・製法で形作られたピースながら、シルバーワークやスタンプ(鏨)ツールのクオリティには、同作者の技巧の証といえる美しさと高い完成度を感じさせるジュエリー作品となっています。

本作にはホールマークが無く作者を断定する事ができませんが、ターコイズの四方に刻まれているリーフ(たばこの葉)をモチーフとしたスタンプにより、作者の特定が可能となっています。Wilson兄弟が作品を供給していた【C. G. Wallace Trading Post】C. G.ウォレストレーディングポストでは、所属するシルバースミス達の間でスタンプツールの共有が行われていた形跡もありますが、こちらのリーフデザインの様なスペシャリティを持ったスタンプツールにおいては、共有されているサンプルが発見されておらず、本作の様に大きいコンチョをベースとしたピンブローチの造形スタイルも内側に「ボウ&アロー」のホールマーク(作者のサイン)が刻印された作品が多く発見されており、同作者の作品である事が推定可能な作品となっています。

また当店ではこれまで「ボウ&アロー」の刻印が刻まれた作品を、兄弟の中でも兄であるAustin Wilsonによる作品である可能性が高いと紹介してきました。しかし現在、新しい文献やフィールド調査によって、弟のIkeとその妻Katherineによって作られた作品である可能性の方が優位となっています。

1930年代後半~1950年代頃の作品と推測され、インゴットシルバー(銀塊)から成形された重厚なシルバーをベースにしたコンチョは、少し大きめのオーバルシェイプに形作られています。
その中央には、美しい発色を持つカボションカットターコイズがマウントされ、石を中心にどこか有機的で優美なデザインのスタンプワークが刻まれています。また、エッジには力強く細かなスタンプワークが刻まれており、その内側部分には『チェイシング/Chasing』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術により、しっかりとした凹凸による立体的なラインが作り込まれています。そして、その立体的なライン状にも力強いスタンプワークが施されており、連続した規則的なスタンプによってメリハリのある表情に仕上げられています。
そして、ハンマーワークにより全体にアール(曲面)が施されており、中央が柔らかく膨らむ立体的な造形になっています。これは現在多くみられる凸と凹の金型ツールを用いた技術ではなく、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。
それらの丁寧なシルバーワークによってナバホジュエリーらしくも強いオリジナリティと素晴らしい上質感、それに派手さはありませんがジュエリーとしての高い品位が与えられた作品です。


【Austin Wilson】オースティン・ウィルソンと【Ike Wilson】アイク・ウィルソンは、ナバホ族の兄弟であり、二人とも1901年生まれで、一説にはアングロ(白人)の血が入っていたのではないかとされています。
インディアンジュエリー作家の第二世代、セカンドジェネレーションと呼ばれる【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)や【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、 ホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)等と同世代であり、インディアンジュエリーの『作家』として活動を始めた最初期の一人です。
二人ともナバホリザベーションに生まれますが、弟のIke Wilsonが先にシルバースミスとして【Charles Garrett Wallace】チャールズ・ガレット・ウォレス(1898-1993)の経営するズニプエブロのC. G. Wallace Trading Postで仕事を始めます。その後、兄であるAustin Wilsonを同じC. G. Wallace Trading Postに誘いれたようです。キャリア中期以降は、ズニプエブロに存在するC. G. Wallace以外のトレーダーにも作品を供給しており、多くの素晴らしい作品を生み出しました。それは、彼らによる多くの作品がすでにミュージアムに収蔵されていることからも作家としての独自性やシルバースミスとしての高い技術や創造性がうかがえます。

また、C. G. Wallace はZUNI /ズ二のジュエリーを専門に扱うトレーダーでしたが、1920年代にナバホのシルバー彫金技術を必要としてIke Wilson等、ナバホのシルバースミスを登用したとされています。しかしながら、所属するジュエリー作家の多くがズニのジュエラーであった為、Austin WilsonとIke Wilsonの兄弟の作品の中には、その当時ではほとんど考えられなかったズニの作家との共作と思われるチャンネルインレイ技術が使われた作品などが見つかっています。ただし、二人は基本的にシルバーワークを専門としており、ナバホのトラディッショナルな技術をベースに、ズニの作家による石のカットやカービングと彼らのシルバーワークを組み合わせたピースが残されています。その技術・技法はナバホの伝統的な彫金技術を重視していたようですが、そのデザインスタイルやナバホジュエリーにはあまり見られない繊細な仕事には、ズニの影響が感じられます。
本作におけるリーフ(たばこの葉)をモチーフとしたスタンプ(鏨)ツールもナバホジュエリーの古典作品を基本としたデザインの本作に、プエブロのシルバースミスを想起させる少し特殊なディテールとなっています。これも狩猟民族であるナバホと異なり、農耕民族として自然をモチーフとして多く取り入れたズニの影響であることが推測されます。

ブレスレットやリングなど、トラディショナルなナバホスタイルを踏襲した作品が多く見つかっていますが、ボックスやカトラリー等多岐にわたるシルバー作品を残しており、伝統的な技術を踏襲しながらも新しいスタイルや実験的な造形のピースも見られ、そのクリエイティブな作風や美意識は後世の作家にも多くの影響を与えています。さらに、1941年発足の職人団体【The Navajo Arts & Crafts Guild】 ナバホギルドのメンバーとしてもその名前が残されています。

弟の【Ike Wilson】 は1942年に事故で亡くなられており、兄の【Austin Wilson】は1976年没。また、Ike Wilsonの孫にあたるのが、コンテンポラリージュエリーの有名作家【Harry Morgan】ハリー・モーガン(1946-2007)です。

ホールマーク(作家のサイン)については、同兄弟のどちらかの刻印としてボウ&アローの刻まれた作品が多く見つかっていますが、それが兄弟の内でどちらのサインであるか明確になっていません。前述のように、弟であるIkeが使用したホールマークであり、1942年のIkeの死後は妻であるKatherine Wilsonがしばらく受け継いでいた可能性が高いと推測しています。兄弟で共通のホールマークであった可能性も排除できません。
また、トマホークモチーフの刻印やホーガンモチーフのものなども同作者のものとして紹介されていることがありますが、C. G. Wallace Trading Postには、二人以外にも【Billy Hoxie】ビリー・ホクシー、【Charles Begay】チャールズ・ビゲイ(1912-1998)等、一説には二十数人と言われるナバホ出身のシルバースミスが作品を供給していたと云われており、オースティン・ウィルソンかアイク・ウィルソン、それぞれのサイン/ホールマークを断定するのは大変困難だと思われます。
またそれは、AustinとIkeが1歳ほど年の離れた兄弟である事が、最近のErnie Bulow氏の研究・調査によって判明したばかりであり、それまでは同一人物とされていました。それらの研究経過からもまだまだ不明点が多く、ホールマーク等の詳細について判断するにはまだ今後の研究・調査が必要かと思われます。
当時の高名な作家と同じようにホールマークの刻印されていない作品も確認されていますが、当時の作家の中では多作であり、比較的ホールマークの刻印されたピースが残っている作者です。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


ナバホの古典スタイルを踏襲しながらも、どこか柔らかな表情や上品な印象を持ち、ズニジュエリーの価値観や美意識の影響が垣間見える作品となっています。それは、一見オーセンティックでナバホの1910年代以前の作品のようにも感じられますが、リポウズやスタンプワークの生み出すデザインやその表情に、農耕民族であるズニ族の植物や自然現象を重んじる意識を宿しており、他に類を見ないスペシャリティとなっているようです。

また、少し大きめでボリューム感のある作品ですが、ナバホジュエリーを代表するアイテムの一つであるコンチョは、ラペルやハット以外にも多くのアイテムに馴染みやすく使い勝手の良いアイテムです。

ウェアラブルアートとしても高く評価されるコレクタブルなジュエリー作品であり、オーセンティックでシンプルな作品ですが、ビンテージインディアンジュエリー独特の味わいとAustin Wilson/Ike Wilson/Katherine Wilsonという偉大な作家による独自性を有するハイエンドなアンティークジュエリー。ホールマークが刻印されていない事によりトレジャーハントプライスとなっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションもシルバーのクスミやハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、ターコイズを含め大変良好な状態を保っています。
Size

縦 約5.25㎝   横 約6.3㎝ 

Material

Silver, Turquoise