【NAVAJO】ナバホ/【PUEBLO】プエブロの職人が多く所属した、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルを代表する工房の一つである『Maisel's Indian Trading Post』製のピース。ヒューマン/人間か、ナバホの精霊【Yei】イェイをモチーフにしたシェイプのセンターにクロスアローズのスタンプが刻まれた小さなアンティーク/ビンテージピンブローチです。
1940年代~1950年代製と思われる小さなピースで、フレッド・ハービースタイルや【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる観光客向けに生産されたスーベニアアイテムらしいデザイン。スタンプによって構成された顔はとてもユニークで楽しい印象を持っています。制作の工程には機械が用いられているため、マシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースであり、ある程度量産されたピースですが現在では現存数の少ないとても貴重な物となっています。
裏側には『STERLING』の文字と、Maisel'sのホールマーク(カチナ/精霊)が刻印されており、多数のインディアンジュエリーを生産・流通させたMaisel's Indian Trading Postで作られた個体と判断できます。
【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズ インディアントレーディングポストは、1923年にMaurice Maiselにより創業された店で、当時の観光産業隆盛によるインディアン工芸品(土産物)ビジネスとして開業され、フレッド・ハービーホテルの向いに店舗を構えていました。 その後、1939年にはアルバカーキダウンタウンに移転し、現在でも同じロケーションで【Skip Maisel's Indian Jewelry】として営業しています。当時のピークには150人以上のインディアンの職人を雇い入れ、その作業を外から見える形で運営していました。そのスタイルは現在でも受け継がれ、【Will Vandever】ウィル・バンデバー等、腕の良いベテラン作家が今も作品を制作しています。さらに、ジュエリー以外のインディアンアートや工芸品、お土産物も多く遺しており、現在までビジネスを継続している数少ないトレーディングポスト兼工房です。
【STERLING】の刻印は、銀含有率92.5%の地金であることを示す表記であり、1930年代中頃には登場していた刻印です。ただし、ショップやトレーディングポストにおいて多用されるようになったのは戦後である1940年代末以降のようです。1940年代以前に作られたツーリストジュエリーでも散見されますが、第二次世界大戦中の銀の不足が影響したと推測され、1940年代末以降の作品で非常に多くみられるようになりました。『925』の表記も同じ意味を持っていますが、925の刻印はインディアンジュエリーにおいては非常に新しく採用された刻印であり、そのほとんどが1990年代以降の作品に刻印されています。
Sterling Silver/スターリングシルバー=925シルバーは、熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いている為、現在においても食器や宝飾品等様々な物に利用されています。
【Crossed Arrows】クロスアローのモチーフは、 『フレンドシップ』『友情』を象徴しています。
こちらの作品の小さなサイズ感やビンテージアイテムと大変相性の良い表情は、多くのスタイルにフィットさせることが出来る汎用性を持っており、アウターのアクセントととして、ラペルや襟等にもフィットしますし、ハット等のワンポイントにも使い勝手の良いピースです。
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コンディションも経年によるシルバーのクスミ等が見られますが使用感は少なく良好な状態です。