【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、大変美しく迫力のあるボリューム感を持ったハイグレード【Nevada Blue Turquoise】ネバダブルーターコイズをメインとした作品。その石を固定するベゼル(覆輪)のデザインのみで生み出されてる作者の独自性と、シンプルな造形により先鋭化された秀逸なデザインが特徴的なアンティーク/ビンテージネックレスです。
裏側には作者のホールマーク(作者や工房等のサイン)と思われる『WT』の文字が刻印されていますが、現時点ではその作者は特定できていません。当店では過去にも同じホールマークの作品を扱っており、それらに共通した特徴などからは1950年代～1970年代前後に活動したナバホのシルバースミスであろうと推測されます。また、同じ裏側のバチカン付近にはスクラッチによって『DMN CC』の文字が刻まれていますが、これは流通上でトレーディングポスト等がプライスや商品管理用に記した文字の可能性が高いと考えられます。
本作では、スタンプワーク等や特徴的な造形スタイル等、制作時期を推測するディテールに乏しく、正確な制作年代の特定は困難ですが、上記の様に同じホールマークの刻印された作品に見られる特徴や、マウントされているターコイズ等の不確定な要素からは、1950年代末頃～1970年代にナバホのシルバースミスによって作られたものと思われます。
非常に上質で、高さを含めたボリューム感を持ったネバダブルーターコイズをメインとしながら、その石を留めるベゼル(覆輪)に作者のオリジナリティやシルバーワークに対する美意識や信念さえも感じ取れるペンダントトップです。
厚みのあるベゼルは、スタンプワークによる刻みが施され、構築的で奥行きのある表情が与えられています。このようなベゼルのディテールは【Kewa】キワ(サントドミンゴ)の大巨匠【Julian Lovato】ジュリアン・ロバト(1925-2018)等の作品で見られますが、本作のベゼルはそれらを凌駕する完成度の高さを誇り、ベゼルだけで作品に個性を与え、作者の技巧と価値観をも映し出すスペシャリティを有するディテールとなっています。
また、チェーンを通す為のバチカンパーツはフックタイプになっており、簡単に他のチェーンやビーズネックレス等に付け替えが可能です。
メインとなっているターコイズは、強い彩度を持つ澄んだ水色にチョコブラウン～ブラック等のスパイダーウェブを持ち、部分的にクウォーツ(水晶)やホワイトのマトリックスが入ることで大変複雑な景色を形成しています。
非常にネバダブルーらしい特徴を備え、ハイグレードにグレーディングできるターコイズです。また、高さのあるカットやボリューム感、そして奥行きを感じさせる透明感も素晴らしい石であり、特別な存在感と煌きを誇っています。さらに、現在も硬度を感じさせる艶を保ち、宝石としてのクオリティーを持った無添加ナチュラルターコイズです。
【Nevada Blue】ネバダブルーターコイズは1901年に発見され、【Timberline Mine】ティンバーラインと言う別名を持つターコイズ。ナゲット(塊)で採掘され、高い硬度と美しい色、独特の複雑な景色を持つターコイズを産出する鉱山です。1970年代頃には多くの有名作家に愛され、ナバホの【Lee Yazzie】リー・ヤジー(1946-)や、コチティの【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ(1915-1991)の作品でも散見されるターコイズです。
こちらの石も上質で大変ワイルドな景色を形成しており、そのターコイズが作り上げる静かで悠然とした存在感は、着用者に自然・大地の一部を身に付けるような感覚を与えます。
無駄のないシルバーワークと特徴的なベゼルは、ビンテージジュエリーながらクリーンでモダンな印象となっており、品位のあるターコイズと共にタイムレスで色褪せない魅力を宿すネックレス。その普遍的な完成度と質は、性別やスタイルを問わず馴染みやすく、長年にわたってご愛用頂けるネックレスとなっています。
また、作品としての厚みがゴロっとしたボリュームを作り出しており、着用サンプルの印象よりも大きく感じられると思われます。
非常に高く評価されるターコイズを大胆にカットして贅沢に仕上げられた貴重なビンテージジュエリーの一つであり、大変コレクタブルな作品となっています。
◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆
コンディションも大変良好です。シルバーの僅かなクスミや制作上のムラ等は見られますが、ほとんど使用感を感じない良好な状態となっています。
ターコイズも長い時間の経過を感じさせない素晴らしい艶と透明感を保っています。右下部のベゼルとの際(バッキングとの繋ぎ目?)に僅かなクラックが見られ、カットされた時からの特徴か、後からのダメージかは不明ですが、肉眼では確認の難しいクラックとなっています。また、マトリックス部分には凹凸が見られますが、それらは天然石由来の特徴でありダメージではありません。
