【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、構築的なシルバーワークによりFrog/カエルが表現されたデザインに、大変美しい3つのジェムクオリティターコイズがマウントされたアンティーク/ビンテージピンブローチです。
【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる、20世紀前半のサウスウエスト観光産業の隆盛に合わせて作られた作品と推定されますが、全ての工程が丁寧なハンドメイドで仕上げられています。生産に機械化や分業化が導入されたスーベニアジュエリーとは一線を画し、それらを量産化したメーカー/マニュファクチャーがデザインソースとした『オリジナル』作品の一つです。
1940年代末~1950年代頃に作られた作品と思われ、高度なシルバーワークによって立体的なカエルが形作られており、同時代に作られていたツーリスト向けのピンブローチの中では少し特殊な存在です。それは、構築的に立体を作り出す構造やナバホジュエリーでは珍しいカエルというモチーフ等です。しかしながら、本作の様な立体的なフロッグ/カエルモチーフ作品は当時定番化しており、類似した作品がある程度制作されています。さらに、前述のようにツーリストジュエリーを生産した大手メーカーも全く同じデザイン・構造をキャストによって再現・複製している為、それらを含めると多く残されているデザインのアイテムとなります。
その発祥は不明ですが、本作は全てハンドメイドによって制作されており、模倣されたものではなく高い技術を持った作者によって作られたことが判ります。
ベースとなるシルバーは、事前にスタンプワークを刻むことで手足や口等の細部を描き出しています。そして、それらを立体的に曲げて独特なシェイプを生み出し、頭部は別パーツをロウ付けする事で形作っています。そのようなシルバージュエリーとしては複雑な構造によって、キャッチーで愛らしい意匠のカエルに、躍動的で生き生きとした表情が与えられています。
そして本作のスペシャリティと云えるもう一つの特徴は、アンティーク作品では非常に貴重なジェムクオリティターコイズです。色相やマトリックスの特徴からは【Candelaria Turquoise】キャンデラリアターコイズが最も強く想起されますが【Burnham/Godber】バーナム/ガドバーターコイズ等の可能性も考えられます。
小さなサイズながらとても濃いブルーを基調に、強いブラウンウェブがタイトに入ります。ワイルドで複雑な景色を見せる無添加ナチュラルのターコイズであり、今も宝石としてのグレードと変色/劣化のない美しい色を湛えています。
【Frog】カエルモチーフは、タートル/亀モチーフと類似した意味を持ち、農耕民族であるズニプエブロの人々にとって非常に重要な雨や水を表すとされています。
ナバホジュエリーでは比較的珍しいモチーフであり、サンダーバードモチーフのピンなどに比べると少し新しい年代に作られていたようです。
本作も動きのあるカエルのデザインがキャッチーな印象を持っていますが、量産された類似デザインのピンとは全く異なり、丁寧に仕上げられた完成度の高いシルバーワーク、ターコイズの素晴らしいクオリティー等、あらゆる部分でその差異が確認できる作品となっています。
さらに、本作のようにアンティーク作品においてジェムクオリティーのターコイズがセットされた作品は非常に貴重であり、そのような宝石としての価値を有するターコイズがマウントされることで、カエルモチーフのポップで愛らしいデザインに上質感や品位を与え、大人向きでとても魅力的なピースに仕上がっています。
またそれは、性別やスタイルを問わず馴染みやすく、アウターのアクセントやラペル・襟等にもフィットしますし、ハットやバッグのワンポイント等にも使い勝手の良いピースです。
ビンテージインディアンジュエリー独特のポップでキュートなモチーフとデザインがら、非常に質の高いシルバーワークにより重厚な雰囲気も与えられた作品。また、そのシルバーワークとジェムクオリティターコイズにより大変コレクタブルでトレジャーハントプライスなキラーピースとなっています。
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コンディションは、シルバーに多少のクスミやハンドメイド作品特有の制作時のムラなど等は見られますが、ダメージはなく大変良好な状態です。
ターコイズも艶と透明感を保っており、マトリックス部分には凹凸が見られますが、それらは天然石由来の凹凸でありダメージではありません。