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JPO005359

【UITA21/Ganscraft】 Navajo Stamped Silver Concho Pin c.1945~

【UITA21/Ganscraft】 Navajo Stamped Silver Concho Pin c.1945~
31,900 円(税込)
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【UITA21/Ganscraft】 Navajo Stamped Silver Concho Pin  c.1945~
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【NAVAJO】ナバホか【PUEBLO】プエブロのシルバースミスによるアンティークジュエリー、裏面にある『UITA21』の刻印により、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作されたことが確認できる作品。伝統的なコンチョを元にしたアンティーク/ビンテージのピンブローチです。

本作は、『UITA21』のホールマークなどから、1940年代後半~1950年代に制作されたものと思われ、ナバホジュエリーの最も古いデザイン・造形の一つであるコンチョをピンブローチとしてブラッシュアップしたピース。大きな作品ではなく素朴ながら伝統的な魅力を放つ作品です。
おそらくスラッグシルバーと呼ばれる小さなシルバーの塊(インゴットシルバー)から成形され薄く叩き伸ばされていますが、そのシルバーの肌は、硬く滑らかな質感に仕上げられています。シェイプは、クラシックなオーバル型をベースとしており、中央にはダイヤ型、エッジには伝統的なベイナースタンプが刻まれています。またエッジは、スタンプワークに合わせて『スキャロップドエッジ』(ホタテ貝)とも呼ばれるディテールに仕上げられ、大変丁寧なカッティングワークが施されています。
また、ハンマーワークによってアール(曲面)が施されており、中央が柔らかく膨らむ立体的な造形になっています。これは現在多くみられる凸と凹の金型ツールを用いた技術ではなく、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。


裏側に刻印された『UITA』が表している【the United Indian Trader's Association】(以下UITA)は、1931年に創設され、C. G. WallaceやGARDEN OF THE GODS TRADING POST、Tobe Turpen等をはじめとし、最終的には75のトレーディングポスト/インディアンアートトレーダーが参加して運営されました。
UITAが組織された目的は、BELL TRADING POSTやMaisel's等のManufacturersと呼ばれるインディアン工芸品の分業化や量産化を推し進めたメーカー(マスプロ)に対抗するためで、伝統的な製法や材料、一つの作品を一人のシルバースミスが全行程を通して制作するという体制等を守ることなどを規定し、上記のマスプロ品との差別化を計ることでした。
当時、サウスウエスト地方の観光の隆盛に伴ってスーベニア産業もその需要に応えるため、多くのショップやメーカーが生まれました。それらは元々トレーディングポストとして運営されていましたが、やがて多くのインディアンを雇い入れるArrow NoveltyやMaisel's等のメーカーも創業されることになります。初期の1910年代~20年代までは、双方の作品には製法やデザインに大きな差がありませんでした。 しかし、後者の『メーカー』は1930年代に入ると工房で多くのインディアンに同時制作させることにより分業化や機械化を進め、少しずつ伝統的な製法や作品の味わいは失われていきました。
また、それらのメーカーの生産する作品の多くはクリエイティブな作家を要するトレーディングポストで生まれた作品の模倣も多く、NAVAJO GUILDの作品やGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属したAwa Tsirehのデザイン、VAUGHN'S Indian StoreやこちらのJulius Gans Southwestern Arts and Craftsの作品等は多くの模倣品が作られています。

本作では、内側のホールマーク【UITA21】の末尾に施された数字『21』から【Ganscraft】/【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】製であることを特定することができます。 UITAではそれぞれのトレーダー(ショップ)ごとにナンバーを割り振っており、いくつかのナンバーはそのトレーダーが判明していますが、UITAに関する資料はそのほとんどが焼失しており、いまだ不明となっているナンバーも多く存在しています。また、SOUTHWEST ARTS&CRAFTSのUITA参加は1946年頃とされていますが明確ではありません。


【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】/【Ganscraft】(以下ガンズクラフト社)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業。その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。 雇われていたアーティストは、非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多いのも特徴と言えます。 それは【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、突出して優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。多い時には20名以上の職人を雇っていたようですので、その作家の全てを特定することはできませんが、同工房で制作されたピースは、後に名を馳せる有望なシルバースミスの手による作品の可能性を大いに含んでいます。
そのためか、当時からSWACの作品は大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。 しかし、その歴史は平坦でなかったようです。

ガンズクラフト社では、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれる【Maisel's Indian Trading Post】や【BELL TRADING POST】等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。
そこで、復権のために導入されたのが『S』の刻印を持つ【Slug Silver】です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。

現在、【Fred Harvey Style】には明確な定義がなく、語源であるフレッド・ハービー社もレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。 そして、こちらのSWACやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、量産化を推進したMaisel'sやBELLと同様です。
ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやMaisel's、BELL、Silver Arrow等の分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドにより全て手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの製品群(マスプロ)とは一線を画しています。また、ガンズクラフト社やGARDEN OF THE GODS TRADING POST、Fred Wilson's Indian Trading Post等の作品は上記の様な量産メーカーによって模倣され、デザインソースともなっています。

そして、もう一つのガンズクラフト社の特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。そのため、SWACが供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。
さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。現代では日本の老舗アパレルである東洋エンタープライズ社が実名復刻をされておられます。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。


本作もインゴットシルバー/スラッグシルバーから成形されていると推測され、見た目の厚みよりも重く感じられ、硬く仕上げられています。また、その質感や力強いスタンプワークにより、ビンテージインディアンジュエリー独特の雰囲気を醸し出しています。またそれは、アーシーな印象も感じさせますが、端正なシルバーワークや滑らかなシルバーによってクリーンな表情や上質感も与えられた作品です。

使いやすい控えめなボリューム感とシンプルで素朴な質感を持ち、性別やスタイルを問わずお使い頂きやすい印象のピンブローチネです。また、アウターのアクセントとして、ラペルや襟等にもフィットしますし、ハット等のワンポイントにも使い勝手の良いピースです。

また、明確な背景を確認することができる、インディアンジュエリーの歴史においても重要なピースの一つであり、練り上げられた工芸品としての美しさや佇まいを持ち、コレクションとしても十分にその価値を感じることのできる作品となっています。

◆着用サンプル画像(8枚)はこちら◆


コンディションは、シルバーにクスミや細かなキズ等は見られますが、使用感を感じない大変良好な状態となっています。
【NAVAJO】ナバホか【PUEBLO】プエブロのシルバースミスによるアンティークジュエリー、裏面にある『UITA21』の刻印により、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作されたことが確認できる作品。伝統的なコンチョを元にしたアンティーク/ビンテージのピンブローチです。

本作は、『UITA21』のホールマークなどから、1940年代後半~1950年代に制作されたものと思われ、ナバホジュエリーの最も古いデザイン・造形の一つであるコンチョをピンブローチとしてブラッシュアップしたピース。大きな作品ではなく素朴ながら伝統的な魅力を放つ作品です。
おそらくスラッグシルバーと呼ばれる小さなシルバーの塊(インゴットシルバー)から成形され薄く叩き伸ばされていますが、そのシルバーの肌は、硬く滑らかな質感に仕上げられています。シェイプは、クラシックなオーバル型をベースとしており、中央にはダイヤ型、エッジには伝統的なベイナースタンプが刻まれています。またエッジは、スタンプワークに合わせて『スキャロップドエッジ』(ホタテ貝)とも呼ばれるディテールに仕上げられ、大変丁寧なカッティングワークが施されています。
また、ハンマーワークによってアール(曲面)が施されており、中央が柔らかく膨らむ立体的な造形になっています。これは現在多くみられる凸と凹の金型ツールを用いた技術ではなく、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。


裏側に刻印された『UITA』が表している【the United Indian Trader's Association】(以下UITA)は、1931年に創設され、C. G. WallaceやGARDEN OF THE GODS TRADING POST、Tobe Turpen等をはじめとし、最終的には75のトレーディングポスト/インディアンアートトレーダーが参加して運営されました。
UITAが組織された目的は、BELL TRADING POSTやMaisel's等のManufacturersと呼ばれるインディアン工芸品の分業化や量産化を推し進めたメーカー(マスプロ)に対抗するためで、伝統的な製法や材料、一つの作品を一人のシルバースミスが全行程を通して制作するという体制等を守ることなどを規定し、上記のマスプロ品との差別化を計ることでした。
当時、サウスウエスト地方の観光の隆盛に伴ってスーベニア産業もその需要に応えるため、多くのショップやメーカーが生まれました。それらは元々トレーディングポストとして運営されていましたが、やがて多くのインディアンを雇い入れるArrow NoveltyやMaisel's等のメーカーも創業されることになります。初期の1910年代~20年代までは、双方の作品には製法やデザインに大きな差がありませんでした。 しかし、後者の『メーカー』は1930年代に入ると工房で多くのインディアンに同時制作させることにより分業化や機械化を進め、少しずつ伝統的な製法や作品の味わいは失われていきました。
また、それらのメーカーの生産する作品の多くはクリエイティブな作家を要するトレーディングポストで生まれた作品の模倣も多く、NAVAJO GUILDの作品やGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属したAwa Tsirehのデザイン、VAUGHN'S Indian StoreやこちらのJulius Gans Southwestern Arts and Craftsの作品等は多くの模倣品が作られています。

本作では、内側のホールマーク【UITA21】の末尾に施された数字『21』から【Ganscraft】/【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】製であることを特定することができます。 UITAではそれぞれのトレーダー(ショップ)ごとにナンバーを割り振っており、いくつかのナンバーはそのトレーダーが判明していますが、UITAに関する資料はそのほとんどが焼失しており、いまだ不明となっているナンバーも多く存在しています。また、SOUTHWEST ARTS&CRAFTSのUITA参加は1946年頃とされていますが明確ではありません。


【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】/【Ganscraft】(以下ガンズクラフト社)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業。その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。 雇われていたアーティストは、非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多いのも特徴と言えます。 それは【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、突出して優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。多い時には20名以上の職人を雇っていたようですので、その作家の全てを特定することはできませんが、同工房で制作されたピースは、後に名を馳せる有望なシルバースミスの手による作品の可能性を大いに含んでいます。
そのためか、当時からSWACの作品は大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。 しかし、その歴史は平坦でなかったようです。

ガンズクラフト社では、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれる【Maisel's Indian Trading Post】や【BELL TRADING POST】等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。
そこで、復権のために導入されたのが『S』の刻印を持つ【Slug Silver】です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。

現在、【Fred Harvey Style】には明確な定義がなく、語源であるフレッド・ハービー社もレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。 そして、こちらのSWACやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、量産化を推進したMaisel'sやBELLと同様です。
ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやMaisel's、BELL、Silver Arrow等の分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドにより全て手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの製品群(マスプロ)とは一線を画しています。また、ガンズクラフト社やGARDEN OF THE GODS TRADING POST、Fred Wilson's Indian Trading Post等の作品は上記の様な量産メーカーによって模倣され、デザインソースともなっています。

そして、もう一つのガンズクラフト社の特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。そのため、SWACが供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。
さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。現代では日本の老舗アパレルである東洋エンタープライズ社が実名復刻をされておられます。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。


本作もインゴットシルバー/スラッグシルバーから成形されていると推測され、見た目の厚みよりも重く感じられ、硬く仕上げられています。また、その質感や力強いスタンプワークにより、ビンテージインディアンジュエリー独特の雰囲気を醸し出しています。またそれは、アーシーな印象も感じさせますが、端正なシルバーワークや滑らかなシルバーによってクリーンな表情や上質感も与えられた作品です。

使いやすい控えめなボリューム感とシンプルで素朴な質感を持ち、性別やスタイルを問わずお使い頂きやすい印象のピンブローチネです。また、アウターのアクセントとして、ラペルや襟等にもフィットしますし、ハット等のワンポイントにも使い勝手の良いピースです。

また、明確な背景を確認することができる、インディアンジュエリーの歴史においても重要なピースの一つであり、練り上げられた工芸品としての美しさや佇まいを持ち、コレクションとしても十分にその価値を感じることのできる作品となっています。

◆着用サンプル画像(8枚)はこちら◆


コンディションは、シルバーにクスミや細かなキズ等は見られますが、使用感を感じない大変良好な状態となっています。
Size

縦 約3.25㎝   横 約4.1㎝   

Material

Sterling Silver