【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイル、【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる、当時アメリカ中西部の観光客向けに制作されたピースで、センターにとても大きくシェルコンチョのリポウズが施され、アロー等のモチーフがスタンプされたワイドな幅のアンティーク/ビンテージバングルです。
1940年代~1950年代頃に作れたものと思われ、1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛に合わせて観光客向けに作られたスーベニアジュエリーであり、ある程度で量産されたピースと思われますが、類似したものは見つかっても全く同じスタンプの個体は見つからない手作業と機械による工程を組み合わせたマシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースです。センターのリポウズなどはプレスマシンが使われていますが、全体に刻まれたスタンプワークは手作業によって施されており、同じ大きなリポウズを持った類似作品は、稀に見かけますが、それぞれに違ったスタンプワークが施されているのが特徴的です。
とても幅が広く、ツーリストアイテムとしては比較的厚くしっかりとしたシルバーのバンド/地金をベースに造形されています。また、センターの立体的に大きく造形されたリポウズ/バンプアウトと共に両サイドにもシェルコンチョのリポウズ/バンプアウトが配されており、迫力と立体的に動きのある表情が与えられています。さらに、全体にスタンプワークが刻まれており、ウォーボンネット/ヘッドドレス(頭に付ける羽飾り)やアロー等、フレッドハービースタイルらしいポップなイメージを持つモチーフのスタンプを織り交ぜながらバランスよく紋様が刻印されています。それらの全体に施されたスタンプワークの多くは、『コマーシャルスタンプ』と呼ばれるツーリストジュエリーを生産していた工房がある程度量産したスタンプが使用されています。ただし、スタンプワーク自体は手作業によりシルバースミスのセンスに任せたデザインで仕上げられています。
またこちらのようなアイテムは、1932年にニューメキシコ州のアルバカーキで設立され、観光地の土産物を扱う店と工房を兼ねたショップとして多くのナバホの職人が所属し、ツーリストジュエリーをメインに非常に多くのアイテムを供給した有名工房【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストや、同じ町でさらに古くから創業していた【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズ インディアントレーディングポスト等で製造されていましたが、こちらにはショップマークやホールマーク(サイン)は入らず詳細は不明となっています。
【War Bonnet/Headdress】ウォーボンネット/ヘッドドレス(センターのリポウズの両脇に3か所ずつ刻まれているスタンプ)は、セレモニアルダンス/儀式でのダンスを表します。
【Arrow】アローは、インディアンジュエリーにおける最古のモチーフの一つで、『お守り』の意味合いを持っています。
ワイドな幅で立体的なリポウズが施されることで迫力と存在感のあるバングルに仕上がっていますが、ターコイズのセットされていないプレーンシルバーのみの構成と武骨でビンテージインディアンジュエリーらしいシルバーの質感によって派手さのない渋い印象のバングルとなています。
また、全体に刻まれたスタンプワークにより、ナチュラルで奥行きのある質感をもたらされており、多くのスタイルに馴染みやすい表情に仕上がっています。
ナバホのオーセンティックなスタイルやプリミティブな表情は落ち着いた印象を作っており、長くご愛用いただけると思われ、トレジャーハントプライスなピースです。
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コンディションも良好です。シルバーに多少のクスミは見られますが使用感は少なく、内側の一か所に線状のキズがありますが、ご使用にあたっては問題のないキズで、その他にダメージやリペア跡等は見られません。