14Kゴールドによって構成された非常にシンプルなシャンクをベースに、大変美しいハイグレードビズビーターコイズがセットされたビンテージ/オールドリングです。
ホールマーク(作者や工房のサイン)等が刻印されておらず、その作者や背景を特定する事が出来ませんが、素材を表す『14K』の刻印のみである事やマトリックスを大きく活かしたターコイズのカット等からは、【NAVAJO】ナバホか【PUEBLO】プエブロの作品である事が推測されます。
ただし、色々な可能性の残るピースであり、その背景の完全な特定は不可能な作品となっています。
おそらく1970年代後半頃~1990年代に制作された作品と思われ、小さなボリューム感ながらオーセンティックなゴールドワークも完成度が高く、ハイグレードなターコイズを含めハイエンドなリングです。
特にターコイズを留めるベゼル(覆輪)はリングの曲面に合わせた立体的な造形となっており、作者の高い技術力が垣間見えるディテールとなっています。
また、それらすべて無垢の14金で造形されており、とてもシンプルなデザインは、アーシーなマトリックスと強いブルーを湛えるターコイズの美しさを活かした作品です。
セットされたビズビーターコイズは、ビズビー特有の素晴らしい透明度と煌めきを持つブルー、ワイルドなチョコブラウンの母岩が特徴的な石。良質なビズビーターコイズが最も多く産出した1970年代後半のものと推測されます。
ターコイズにおける加工・添加技術がすでに発展した後である、1970年代後半以降の作品にマウントされるビズビーターコイズについては、トリートメントと無添加ナチュラルの判断が大変困難ですが、こちらは染められていないノンダイドであり、断定する事は出来ませんが、緑味の無い色相や高い硬度に由来する艶等からはナチュラルターコイズではないかと推測されます。
現在も硬度を感じさせる表情と宝石としての煌きを感じさせます。またそれほど大きな石ではありませんが、ゴールドとのコントラストが素晴らしい際立った美しさを見せています。
【Bisbee Turquoise】ビズビーターコイズは、アリゾナ州ビズビーにあった鉱山で、もとは古くからの銅山ですが、副産物として採取されていたターコイズが、1970年代から大規模に採掘され、その独特の青さと唯一無二の特徴は大変な人気を博しました。
閉山された後には値段が高騰し、現在では投機の対象にもなっている非常にコレクタブルなターコイズの一つとなりました。
こちらの作品のようなゴールドを用いたネイティブアメリカンジュエリーは、古くはホピの巨匠【Lewis Lomay】ルイス・ロメイ(1913-1996)が発祥ではないかといわれ、【Victor Coochwytewa】ヴィクター・クチュワティワ(1922-2011)、【Charles Loloma】チャールズ・ロロマ(1921-1991)等の作家が多くのゴールドジュエリーを遺しています。
本作にはホールマーク(作者のサイン)等が入らず、ネイティブアメリカンジュエリーではない可能性も含め、作者等の詳細は不明となっています。
全てハンドメイドの技術によって形作られた作品ですが、地金にゴールドが用いられることでハイジュエリーとしての上質感と品位を宿しています。
ただし、控えめなボリューム感とクラシックで洗練されたデザインによって使いやすく、多くのスタイルに馴染みやすい印象となっています。また、硬度を感じるジェムクオリティーターコイズの表情は少しフォーマルなシーンでも品格を損なわず、普遍的な造形美は長くご愛用頂けると思われます。
質の高いターコイズが作り上げる自然の偉大さを感じさせる特別な存在感は、スタイルのアクセントとしてとても秀逸であり、とても希少価値の高いハイエンドな作品です。
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コンディションも良好です。
ゴールドには僅かなキズやハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、使用感の少ないとても良好な状態を保っています。
また、ターコイズにはマトリックス部分に凹凸が見られますが、それらはカットされた時からの天然石が持つ特徴(マトリックスロス)であり、現在も変色の無い美しい色と艶を保っています。