【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、オーセンティックでクリーンなデザインをベースに、レクタングラー/長方形シェイプにカットされた美しいフォックスターコイズがマウントされた作品。とても丁寧で高い完成度を誇るシルバーワークも特徴的なアンティーク/ビンテージリングです。
1950年代前後頃の作品と思われ、おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形されたシャンクは、とても美しいシルバーワークによってサイドからフロントに向かって4本に割り開かれた『スプリットシャンク』と呼ばれるナバホの伝統的なスタイルに造形されており、中央にレクタングラーシェイプにカットされたフォックスターコイズがマウントされています。またその石を留めるベゼル(覆輪)を囲む様にツイステッドワイヤーが施され、さらにその外側には、シンプルながら効果的な装飾となっているワイヤーワークとレインドロップとも呼ばれる小さなシルバーボールが配されており、それらの土台となっている部分もワイヤーワークの作るシルエットに添うように細かくカッティングが施されています。
特別なディテールの見られないトラディショナルな造形のリングとなっていますが、細部まで非常に綺麗なシルバーワークによって作り上げられ、作者の高い技術力を伺わせる突出した完成度を有し、造形バランスの秀逸な作品です。
残念ながら作者は不明となっていますが、1920年代後半~1950年代にかけて多く見られるオーセンティックで洗練されたデザイン/造形で、ナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)や【HOPI】ホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)を想起させます。
ターコイズは、深遠な表情をもつ【High Grade Fox Turquoise】ハイグレードフォックスターコイズです。独特の発色と色相を持ち、非常に高い硬度を感じさせる艶と透明感のある素晴らしい石。強い透明感によって奥行きと複雑な景色が形成されたハイグレードな無添加ナチュラルターコイズです。
【Fox Turquoise】フォックスターコイズは、1900年代初頭に発見された鉱山で、ネバダ州の鉱山の中でも最大の産出量を誇ります。産出量に比例してそのカラーバリエーションも幅広い鉱山ですが、こちらの石のようなカラーと柔らかなグラデーション、強い透明感を持った個体がフォックスターコイズらしい色相・表情として高くグレーディングされています。
また、前述のFred Peshlakaも好んだ鉱山であり、同作者の作品においても散見され、1950年代前後の作品で多く見られる事も特徴の一つとなっています。
完成度の高いシルバーワークと上質なターコイズを用いて、クリーンで品位を感じさせる造形に構成されたアンティークピースの良作です。
レクタングラーシェイプにカットされたターコイズによってクラシックでエレガントな印象も併せ持つリングであり、性別を問わずコーディネイトのスパイスとなり得るリング。ラフなスタイルだけでなくフォーマルなシーンでも品格を損なわず、普遍的な造形美は多くのスタイルにフィットすると思われます。
美しい発色を持ちながらもナチュラルな印象のターコイズと、伝統的ながらシンプルなシルバーワークという相反する要素を併せ持ち、アンティーク工芸品としての完成度も感じさせるコレクタブルな作品です。
また、本作の様にレクタングラーやスクエアのシェイプにカットされたターコイズを用いた作品の割合はごく僅かであり、あまり見つからない希少なデザイン/造形の一つとなっています。
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コンディションも大変良好です。石を含め、ほとんど使用感を感じないとても綺麗な状態を保っています。
ターコイズのマトリックス部分には凹凸が見られますが、それらはカットされた時からの天然石が持つ凹凸であり、ダメージの無いコンディションとなっています。