【NAVAJO】ナバホのオールドジュエリー、サンドキャストで成形されたワイドなシャンクをベースに、美しいジェムクオリティターコイズがマウントされた作品。性別やスタイルを問わずお使い頂きやすい汎用性と、ワイドで存在感のある造形ながら肌馴染みの良さを持ったオールド/ビンテージリングです。

本作のようなサンドキャスト(砂型鋳物)及びトゥーファキャストによるシルバーの成形は、ナバホジュエリーでも古典期と呼ばれる創成期からみられる技術の一つであり、長い歴史を持っています。そして、その当時から完成された技術/技法は現在に至るまで大きな変化なく受け継がれている為、キャスト製法以外で作られた作品に比べて制作年代の判断が困難となっています。本作の場合には、ホールマーク(作者のサイン)が刻印されている点や造形スタイル等から、1970年代末～1990年代頃に制作された作品と推測されます。また、前述のように内側に『A・』というホールマークが刻印されていますが、残念ながらその作者は不明となっています。

ワイドな幅のシャンクは、フロント部分が4本に割り開かれた『スプリットシャンク』と呼ばれるナバホの伝統的なスタイルに造形されており、サンドキャスト成形によって彫りの深い造形となっています。スプリットされた部分のみトライアングル(断面が三角形)のシャンクとなっており、広くスプリットされたデザインですが、厚みのあるしっかりとしたシャンクに造形されています。そして、その中央には、美しいターコイズがマウントされており、シンプルながら存在感を持ちモダンな印象のリングに仕上げられています。

セットされた石は、強い彩度を持つ澄んだ水色にブラック～ネイビー等のスパイダーウェブが入り複雑な景色を形成するジェムクオリティターコイズとなっています。残念ながら正確な鉱山の特定は困難です。色相やマトリックスの特徴からは、オールドキングマンターコイズが想起されますが、パージャンターコイズ(イラン産)やネバダブルーターコイズでも似た特徴の石が見られます。
また、高さのないカットながら、ボリューム感と奥行きを感じさせる透明感を持ち、素晴らしい存在感と煌きを誇っています。さらに、現在も硬度を感じさせる艶を保ち、宝石としてのクオリティーを持ったターコイズとなっています。


エッジーで洗練されたデザイン/造形は多くのスタイルにフィットし、透け感のある造形により肌への馴染みも良い印象になっているようです。さらに、深淵な奥行きを持つジェムクオリティターコイズはアーシーな魅力を宿し、多くのスタイルにおいてさりげなくも際立ったアクセントになりえるリングとなっています。

伝統的な技術によって形作られたナバホジュエリーの強さと、煌めきを持ったターコイズは特別な存在感を生み出しており、それほど古い作品ではありませんが、コレクタブルなキラーピースとなっています。

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コンディションは経年によるシルバーのクスミが見られますが、使用感の少ない良好な状態。ターコイズも高い艶と発色を保ち大変良いコンディションとなっています。