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JOP001926

【Frank Patania/Thunderbird Shop】Overlay Earrings c.1960

【Frank Patania/Thunderbird Shop】Overlay Earrings c.1960
44,000 円(税込)
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【Frank Patania/Thunderbird Shop】Overlay Earrings  c.1960
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イタリア人作家である【Frank Patania Sr.】フランク・パタニア(1899-1964)により、1927年に創業されたインディアンジュエリーショップ【Thunderbird Shop】サンダーバードショップで生まれた作品。ミッドセンチュリー期にアメリカで流行した抽象画の様なデザインですが、おそらくアルファベットの『FCG』を図案化した文様をオーバーレイで形作ったアンティーク/ビンテージピアスです。 

リフォームされたのものではなく、元々ピアスとして制作されてた作品。ピアスというアイテムは1950年代以前にはあまり普及していなかった為、本作は1960年代頃に作られたピースと思われ、インディアンジュエリーの世界に多くの新しい様式や技術を持ち込んだFrank Pataniaらしく、一見してサウスウエストジュエリーやインディアンジュエリーであることが判断できない独創性と洗練されたデザインが印象的な作品です。
控えめなボリューム感のラウンドシェイプをベースとしており、2枚のシルバーを重ね合わせるオーバーレイ技法によって『FCG』の文字を抽象化したデザインが浮かび上がっています。文字列は、顧客のオーダーによるものと推測され、イニシャルや団体の略称等かと思われます。しかしながら、アルファベットよりもオーバーレイの影の部分に強く意識が向く仕上がりとなっており、アルファベットに関係なく、抽象的な文様として楽しむことが出来る作品です。見方によってはサボテンのシルエットの様でもあり、当時流行したウォールデコや焼物等を想起させるミッドセンチュリーらしいピアスとなっています。
シルバーワークの質も高く、丸く鞣されて柔らかな表情となったエッジ等、細部まで丁寧に仕上げられています。

また、本作の内側には【Thunderbird Shop】を表すサンダーバードとSterling Silver=925シルバー製であることを表す『STERLING』のスタンプ、それにFrank Pataniaのパーソナルなホールマーク『FP』が刻印されており、Frank Patania本人によって制作された可能性もあります。


【Overlay】オーバーレイと言う技法は、シルバーの板に描いたデザインを切り抜き、下地のシルバーの上に貼り付けることで立体的に絵柄を浮き出させる技法です。スタンプワークやカッティングと組み合わされた作品も見られ、完成度を高められたオーバーレイ技法を用いた美しいホピのジュエリーは、現代に至るまでに多くの傑作を残しています。
1930年代にホピの作家【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)によって生み出された技術で、40年代~50年代Harry Sakyesvaや同い年の作家【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)、【Victor Coochwytewa】ヴィクター・クーチュワイテワ(1922-2011)等により、ホピの代表的なスタイルの一つとして定着させられました。

現在ではホピの伝統的な技術として認知されているオーバーレイ技法ですが、本作が作られた当時はまだ、ホピの作家によってその技術が高められる黎明期であり、ナバホやホピ以外のプエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として色々な作品が作られていました。
本作の制作された工房であるサンダーバードショップの作品にも、オーバーレイの技術は散見されますが、表現されているモチーフやその文様を構成する様式には大きな違いが見られます。

中でも本作の様にアルファベットをモチーフにした作品は、フランク・パタニアがインディアンジュエリーの世界に持ち込んだ造形スタイルの一つであり、後年には【Julian Lovato】ジュリアン・ロバトや【Louis Lomay】ルイス・ロメイも受け継いだスタイルとなってます。


【Frank Patania Sr.】フランク・パタニアは1899年シチリア生まれのイタリア人で、インディアンジュエリーの世界に新しい価値観を持ち込み、多くの傑作を生み出しました。そして、多くの優秀な後進を育てた人物としても有名です。
6歳からイタリアで金細工師に弟子入りし、その技術を身に付けていきました。10歳のころに母親、兄弟とともにニューヨークに渡り、多くの移民とともに産業革命の喧騒なかで成長していきました。その後、19歳のころにニューヨークでも大手のジュエリーカンパニーでデザイナーとしての仕事に就き、そこでも多くの経験を積んだようです。転機となったのは1924年、当時大流行していた結核に侵され、療養のために訪れたサンタフェで、インディアンのシルバーとターコイズを使った仕事を見たとき、『自分の表現方法を発見した』 そして、『二度とニューヨークに戻りたくなくなった』と語っています。
そして、わずか3年後の1927年にはサンタフェに【Thunderbird Shop】サンダーバードショップをオープンしました。当時、シカゴ~アルバカーキ~南カリフォルニアへ続く鉄道整備に伴なって、アメリカ中西部各都市の観光産業の活況と共にフレッド・ハービー社の隆盛、インディアンアートの産業化もあり、その新しい魅力を持つ「サンダーバードショップ」のジュエリーや工芸品は大変な好評を博しました。
やはり、オープン初期からFrank Pataniaの作品はナバホ・プエブロ双方のインディアンジュエリーの影響を色濃く感じさせます。

また、多くのインディアンアーティストを育てたことでも有名です。【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ、【Julian Lovato】ジュリアン・ロバト、【Louis Lomay】ルイス・ロメイ、他にも【Mark Chee】マーク・チーなどもサンダーバードショップで石のカッターとして働いていたようです。
彼ら(特に上記3人)はFrank Pataniaの技術やその美意識を受け継ぎ、『パタニア サンダーバード』スタイルとも言われる作品を残しました。 それらは、独自性とインディアンジュエリーの伝統的で素朴な強さを持ちながら、新しい価値観や実験的な造形を生み出し、品位を感じさせる作品で、それぞれに強い個性を持っていますが、どこか共通する美意識を感じるのもが特徴です。


こちらの作品もそんなPatania Thunderbird styleの美意識と共に、インディアンジュエリーの世界に多様性をもたらした試みや、多文化を吸収する新しい意識を感じさせるデザインのピース。
オーバーレイという当時生まれた新しい技術を駆使しながら、アルファベットを抽象的に図案化したデザインには、独創性とクラシックでありながらモダンなセンスを感じさせる作品です。

当時は、インディアンジュエリーの伝統を打ち破るような作品であったことが判る作品ですが、どこかインディアンジュエリーらしい素朴でナチュラルな印象も備え、使いやすいサイズ感もあって多くのスタイルにおいて、こなれたアクセントになってくれます。

独自性のあるデザインと精巧なシルバーワークが高次元で組み合わせられることで実現している作品であり、作者を含め大変コレクタブルなピースの一となっています。

◆着用サンプル画像(9枚)はこちら◆


全体に僅かなクスミや細かなキズが見られ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラは見られますが、特にダメージは無く良好なコンディションを保っています。
イタリア人作家である【Frank Patania Sr.】フランク・パタニア(1899-1964)により、1927年に創業されたインディアンジュエリーショップ【Thunderbird Shop】サンダーバードショップで生まれた作品。ミッドセンチュリー期にアメリカで流行した抽象画の様なデザインですが、おそらくアルファベットの『FCG』を図案化した文様をオーバーレイで形作ったアンティーク/ビンテージピアスです。 

リフォームされたのものではなく、元々ピアスとして制作されてた作品。ピアスというアイテムは1950年代以前にはあまり普及していなかった為、本作は1960年代頃に作られたピースと思われ、インディアンジュエリーの世界に多くの新しい様式や技術を持ち込んだFrank Pataniaらしく、一見してサウスウエストジュエリーやインディアンジュエリーであることが判断できない独創性と洗練されたデザインが印象的な作品です。
控えめなボリューム感のラウンドシェイプをベースとしており、2枚のシルバーを重ね合わせるオーバーレイ技法によって『FCG』の文字を抽象化したデザインが浮かび上がっています。文字列は、顧客のオーダーによるものと推測され、イニシャルや団体の略称等かと思われます。しかしながら、アルファベットよりもオーバーレイの影の部分に強く意識が向く仕上がりとなっており、アルファベットに関係なく、抽象的な文様として楽しむことが出来る作品です。見方によってはサボテンのシルエットの様でもあり、当時流行したウォールデコや焼物等を想起させるミッドセンチュリーらしいピアスとなっています。
シルバーワークの質も高く、丸く鞣されて柔らかな表情となったエッジ等、細部まで丁寧に仕上げられています。

また、本作の内側には【Thunderbird Shop】を表すサンダーバードとSterling Silver=925シルバー製であることを表す『STERLING』のスタンプ、それにFrank Pataniaのパーソナルなホールマーク『FP』が刻印されており、Frank Patania本人によって制作された可能性もあります。


【Overlay】オーバーレイと言う技法は、シルバーの板に描いたデザインを切り抜き、下地のシルバーの上に貼り付けることで立体的に絵柄を浮き出させる技法です。スタンプワークやカッティングと組み合わされた作品も見られ、完成度を高められたオーバーレイ技法を用いた美しいホピのジュエリーは、現代に至るまでに多くの傑作を残しています。
1930年代にホピの作家【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)によって生み出された技術で、40年代~50年代Harry Sakyesvaや同い年の作家【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)、【Victor Coochwytewa】ヴィクター・クーチュワイテワ(1922-2011)等により、ホピの代表的なスタイルの一つとして定着させられました。

現在ではホピの伝統的な技術として認知されているオーバーレイ技法ですが、本作が作られた当時はまだ、ホピの作家によってその技術が高められる黎明期であり、ナバホやホピ以外のプエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として色々な作品が作られていました。
本作の制作された工房であるサンダーバードショップの作品にも、オーバーレイの技術は散見されますが、表現されているモチーフやその文様を構成する様式には大きな違いが見られます。

中でも本作の様にアルファベットをモチーフにした作品は、フランク・パタニアがインディアンジュエリーの世界に持ち込んだ造形スタイルの一つであり、後年には【Julian Lovato】ジュリアン・ロバトや【Louis Lomay】ルイス・ロメイも受け継いだスタイルとなってます。


【Frank Patania Sr.】フランク・パタニアは1899年シチリア生まれのイタリア人で、インディアンジュエリーの世界に新しい価値観を持ち込み、多くの傑作を生み出しました。そして、多くの優秀な後進を育てた人物としても有名です。
6歳からイタリアで金細工師に弟子入りし、その技術を身に付けていきました。10歳のころに母親、兄弟とともにニューヨークに渡り、多くの移民とともに産業革命の喧騒なかで成長していきました。その後、19歳のころにニューヨークでも大手のジュエリーカンパニーでデザイナーとしての仕事に就き、そこでも多くの経験を積んだようです。転機となったのは1924年、当時大流行していた結核に侵され、療養のために訪れたサンタフェで、インディアンのシルバーとターコイズを使った仕事を見たとき、『自分の表現方法を発見した』 そして、『二度とニューヨークに戻りたくなくなった』と語っています。
そして、わずか3年後の1927年にはサンタフェに【Thunderbird Shop】サンダーバードショップをオープンしました。当時、シカゴ~アルバカーキ~南カリフォルニアへ続く鉄道整備に伴なって、アメリカ中西部各都市の観光産業の活況と共にフレッド・ハービー社の隆盛、インディアンアートの産業化もあり、その新しい魅力を持つ「サンダーバードショップ」のジュエリーや工芸品は大変な好評を博しました。
やはり、オープン初期からFrank Pataniaの作品はナバホ・プエブロ双方のインディアンジュエリーの影響を色濃く感じさせます。

また、多くのインディアンアーティストを育てたことでも有名です。【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ、【Julian Lovato】ジュリアン・ロバト、【Louis Lomay】ルイス・ロメイ、他にも【Mark Chee】マーク・チーなどもサンダーバードショップで石のカッターとして働いていたようです。
彼ら(特に上記3人)はFrank Pataniaの技術やその美意識を受け継ぎ、『パタニア サンダーバード』スタイルとも言われる作品を残しました。 それらは、独自性とインディアンジュエリーの伝統的で素朴な強さを持ちながら、新しい価値観や実験的な造形を生み出し、品位を感じさせる作品で、それぞれに強い個性を持っていますが、どこか共通する美意識を感じるのもが特徴です。


こちらの作品もそんなPatania Thunderbird styleの美意識と共に、インディアンジュエリーの世界に多様性をもたらした試みや、多文化を吸収する新しい意識を感じさせるデザインのピース。
オーバーレイという当時生まれた新しい技術を駆使しながら、アルファベットを抽象的に図案化したデザインには、独創性とクラシックでありながらモダンなセンスを感じさせる作品です。

当時は、インディアンジュエリーの伝統を打ち破るような作品であったことが判る作品ですが、どこかインディアンジュエリーらしい素朴でナチュラルな印象も備え、使いやすいサイズ感もあって多くのスタイルにおいて、こなれたアクセントになってくれます。

独自性のあるデザインと精巧なシルバーワークが高次元で組み合わせられることで実現している作品であり、作者を含め大変コレクタブルなピースの一となっています。

◆着用サンプル画像(9枚)はこちら◆


全体に僅かなクスミや細かなキズが見られ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラは見られますが、特にダメージは無く良好なコンディションを保っています。
Size

片方 縦 約1.7㎝   横 約1.7㎝

Material

Sterling Silver