【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、伝統的でオーセンティックなデザイン/造形をベースにしたピース。ナバホジュエリーらしいデザイン・造形をベースに、ワイルドで複雑な美しさを持った上質なターコイズがマウントされたアンティーク/ビンテージリングです。

1940年代後半～1950年代頃に制作されたと思われ、【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテム(土産物)の一つ。しかしながら質が高く美しいターコイズがマウントされ、クラシックなデザインも秀逸なとても完成度の高いリングとなっています。

シャンク(地金)は、3本に割り開かれた『スプリットシャンク』と呼ばれるナバホの伝統的なスタイルに造形されることで、フェイスに向けての自然な流れを作り出しています。フェイスはカボションカットターコイズをメインに構成されており、その両サイドにはバースト(放射状)デザインのスタンプが刻まれたファンシェイプ(扇型)のコンチョのアップリケが配されています。さらに、石の上下部分にはレインドロップとも呼ばれるシルバーボールが施されることで、ナバホジュエリーらしくクラシックな表情が与えられています。
シャンクのサイドにもライン模様が刻まれ、細部まで手の込んだシルバーワークによって構成されており、左右対称のクラシックなデザインに、少しワイルドな表情を持つ上質なターコイズが際立っています。

マウントされたターコイズは、グリーン～ブルーグラデーションに、ブラウン等のウェブ(マトリックス)の入る石で、現在も透明感と美しい色彩を保っています。古い作品のため鉱山の特定は困難となっていますが、アンティーク作品ではとても珍しいジェムクオリティのターコイズです。深遠で複雑な表情を持つ無添加ナチュラルターコイズであり、本作のデザイン造形に素晴らしいフィッティングとなっています。


シャンク内側の『STERLING』の刻印は、銀含有率92.5%の地金であることを示す表記であり、1930年代中頃には登場していた刻印です。ただし、ショップやトレーディングポストにおいて多用されるようになったのは戦後である1940年代末以降のようです。1940年代以前に作られたツーリストジュエリーでも散見されますが、第二次世界大戦中の銀の不足が影響したと推測され、1940年代末以降の作品で非常に多くみられるようになりました。
現代において多用されている『925』の表記も同じ意味を持っていますが、925の刻印はインディアンジュエリーにおいては非常に新しく採用された刻印であり、そのほとんどが1990年代以降の作品に刻印されています。
Sterling Silver/スターリングシルバー=925シルバーは、熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いている為、現在においても食器や宝飾品等様々な物に利用されています。


本作のクラシックなデザインはシンプルながら力強さがあり、サイドのアップリケに施された角度等、繊細に計算された造形により、スペシャリティを持つターコイズの表情を最大限に活かしているようです。またそれは、ビンテージインディアンジュエリー独特の奥行きと味わいを感じさせながら、エレガントな印象さえも与える作品となっています。

また、デザインは落ち着いた印象を作っていますが、カボションカットされた上質なターコイズは華やかでしっかりとした存在感を示す強さも与えており、小さなサイズながら女性の手にナチュラルに馴染みやすい造形を持ち、日常のスタイルに煌めきをもたらしてくれるリングです。

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コンディションは、多少の経年を感じるシルバーのクスミや部分的な摩耗がありますが特に目立ったダメージはみられません。ターコイズもマトリックス部分には、天然石由来の凹凸が見られますが、それらは元々の特徴であり、ダメージではありません。