【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、2本のワイヤーを撚り合わせたツイステッドワイヤーを元に、ローラーかハンマーワークによりフラットに成形したバンドをベースとした作品。そこに美しい3つのブルージェムターコイズをマウントすることで仕上げられたアンティーク/ビンテージバングルです。

1950年代前後に作られたピースと推測され、インディアンジュエリーの歴史の中でも初期から見られるスタイルの一つであるツイステッドワイヤーの技術を応用した造形となっており、あえて緩くツイストした2本のワイヤーをフラットなシェイプに成形することで、その完成したバンドの表情はチェーンブレスレットの様にも見えるディテールとなっています。
長く受け継がれ、作り続けられている造形スタイルの一つですが、こちらのようなツイステッドワイヤーをフラットやトライアングルに成形する造形技法は、それだけでも高い熟練度が必要で、ハンドメイドのインディアンジュエリー独特の味わいと技術力を感じることのできる造形スタイルです。また、均一なクオリティーに仕上げるのが難しく、現代にも受け継がれてはいますが、あまり見られなくなった技術の一つであり、現在では【Tahe】タヒファミリーやコチティのベテラン作家の【Cippy CrazyHorse】シピー・クレイジーホース、ナバホの【Perry Shorty】ペリー・ショーティー等、限られた作家しか用いることのない技術になってしまいました。
さらに、中央には3つの上質なターコイズがマウントされ、それらの間と両端には、レインドロップとも呼ばれるシルバーボールが配されることで、細い幅ながら奥行きと上質感のあるブレスレットに仕上げられています。

マウントされた石は、大変美しいオールドブルージェムターコイズと思われ、色相は少しグリーン寄りの濃く上品な印象を受ける色合い。素晴らしい透明感によって澄んだ深みを持ち、細かなグラデーションやマトリックスが入ることで、複雑な表情を備えた石です。
ブルージェムはもともと硬度の高いターコイズで、こちらはそんなブルージェムらしい硬度を感じさせる艶と透明感のある石であり、ジェムクオリティ(ミドルグレード上位以上)を持った質の高い無添加ナチュラルターコイズとなっています。

本作の様なデザイン・ディテールや制作された時代、マウントされた上質なターコイズからは、1882年創業の長い歴史を持ち、ビンテージインディアンジュエリーの歴史に大きな影響を与えたショップ【Seligman's】セリグマンズで制作された作品が想起されますが、本作にはホールマーク(作者のサイン)やショップマーク等が入らず、作者などの詳細は不明となっています。


上質で品位を感じさせるターコイズの表情が、ナバホジュエリーの伝統的な製法と造形スタイルの本作に、上品で端正な表情を与えているようです。また、渋いシルバーの表情や構築的な印象も持つ造形により、性別やスタイルを問わず日常に取り入れて頂きやすい作品となっています。
また、硬くなめらかに仕上げられたシルバーの肌は心地良く手首にフィットし、ナローなバンドは単独でもしっかりとした存在感がありますが、他のブレスレットとの重ね付けにも向いており、洗練された普遍的な造形美は長くご愛用いただけると思われます。

こちらのようなツイステッドワイヤーで構成された作品は、造形の彫が深いため、日常的な着用により凹凸のコントラストが強くなり、その奥行きとシルバーの上質感を高めていきます。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、シルバーのクスミ等見られますがターコイズもハイグロスを保ち、ダメージなどの無い大変良好な状態を保っています。