【Kewa】キワ/【Santo Domingo】サントドミンゴの作家でありデザイナーとされる【Carl & Max Luthey】カール・ルーシーとマックス・ルーシー兄弟が経営した【Carl Luthey Shop】カール・ルーシーショップで制作された作品。同店を代表するデザインの一つであるリーフモチーフと共に質の高いターコイズが縦に2つ並んでマウントされたアンティーク/ビンテージリングです。
1960年代後半~1980年代に作られた作品と思われ、裏面には前述のCarl Luthey Shopのショップマーク/ホールマークが刻印されていますが、経営者でありデザイナーであるルーシー兄弟によって制作された作品か、同店に所属したナバホやプエブロのシルバースミスによる作品かを判断することは出来ません。
シャンクは厚みのあるハーフラウンドワイヤーが、『スプリットシャンク』と呼ばれる伝統的な造形で2本に割り開かれており、フェイスに向かって幅とボリューム感を持たせ、ボリューム感のあるフェイスとの自然なつながりを作っています。フェイスはハイドームなカボションカットターコイズがメインに構成され、それらのサイドには特徴的なリーフ(たばこの葉)のアップリケ/パッチワークが配されています。リーフと逆のサイドには『Crimped Wire』クリンプトワイヤー(波型をつけたワイヤー)とも呼ばれる繊細なシルバーワークが構成され、全体に植物を想起させる有機的な造形となっています。また、それらリーフのアップリケやクリンプトワイヤーのディテールによって石の周囲に強い影が生み出されており、ターコイズの美しさを際立たせる造形ともなっています。さらに、上下のターコイズの間にはシルバーワイヤーのループが施されており、上下に置かれたシルバーボールや両サイドのシャンクとの間に見られる小さなコンチョパーツのアップリケ等、全てナバホジュエリーの伝統的な技術やディテールで作り上げられていますが、細部まで行き届いた綺麗な仕事には作者の拘りや高い技術力が垣間見えます。
セットされたターコイズ2つは、共に近い色相を持っていながらそれぞれに違ったマトリックスの特徴を備えており、鉱山を特定することは出来ませんが、特別な存在感を持ったジェムクオリティーターコイズです。澄んだ水色にブラウン、グレー、ゴールド等のウェブが入り、それぞれに複雑な景色を形成しています。また、現在も素晴らしい艶と透明感を保ち、その硬度と質を感じさせます。
【Carl Luthey Shop】カール・ルーシーショップは、上記の通りカール・ルーシーとマックス・ルーシー兄弟がニューメキシコ州アルバカーキで運営していたインディアンジュエリーショップです。1960年代に創業し、1980年代にはなくなってしまったようです。
オーナーであるルーシー兄弟はキワ/サントドミンゴプエブロの出身ですがナバホの職人を多く所属させ、兄弟がツールや材料にターコイズ、さらにはデザインも提供することで、多くのシルバースミスを育てたようです。
フラワーモチーフやリーフをモチーフにした細かなシルバーワークや、本作のようにホピのデザインワークにも通じるオーバーレイによる作品などが多く見られるのが特徴です。
本作もとても凝ったシルバーワークによって構成されており、Carl Luthy Shopの作品を代表し、当時の流行にもなった有機的でゴージャスなボリューム感を持った作品に仕上げられています。
ボリューム感のあるリングですが、質の高いターコイズによって品位が与えられており、クラシックで落ち着いた雰囲気が感じされます。また、完成度の高い丁寧なシルバーワークによっても奥行きと上質感が生み出され、幅広い年齢層の女性にフィットするリングとなっています。
また、製法やモチーフはナバホジュエリーの伝統的な構成となっていますが、流麗で細かなシルバーワークによってエレガントな印象に仕上げられた作品であり、細部には作者のオリジナリティを秘めています。
Carl Luthey Shop/カール・ルーシーショップで制作されたという歴史的な背景が明確なコレクタブルなアイテムの一つであり、トレジャーハントプライスな作品となっています。
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コンディションも大変良好です。シルバーには僅かなクスミ等が見られますがとても良好な状態となっており、ターコイズも素晴らしい艶と照りを保っています。