【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルや【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる、20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテム(土産物)の一つ。それらの中ではとても珍しい【Petrified Wood】ペトリファイドウッド(木の化石)がセットされた小さなトップのアンティーク/ビンテージネックレスです。

1940年代～1950年代頃のものと思われ、バースト(放射状)デザインが立体的な凹凸によって刻まれ、『スキャロップドエッジ』(ホタテ貝)とも呼ばれる細かな動きのあるエッジを持ったオーバルシェイプをベースとしたトップ。そこにスクエアカットの小さなペトリファイドウッドがマウントされています。さらに、オーバルシェイプのエッジ部分にはシルバードロップとツイステッドワイヤーのデザインが施されており、立体感と奥行きのあるトップとなっています。製作の工程には機械が用いられているため、マシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースですが同じものを見つけるのは不可能に近く、大変貴重な物となっています。
シルバーチェーンは新しいものですが、独自にアンティーク加工を施しており、ビンテージピースによく馴染む表情になっております。


【Petrified Wood】ペトリファイドウッドは、日本語では『珪化木』と言う<木>が化石化したものです。 これらの化石はインディアン居留地であるアリゾナ北部～ニューメキシコ西部の砂漠地帯から多く産出され、古くからジュエリーに用いられています。
おおよそ2億5000万年前の木々が地中に埋もれ、地下水のケイ素成分が浸透し樹木の組織が残ったまま化石化したものです。 木が持っていた組織の違いによって多くのバリエーションが存在し、ブラウンをベースにオレンジやグレーのものが多く見られますが、レインボーカラーと呼ばれるマルチカラーのものや、とても複雑で細かな紋様を持った魅力的な石も見られます。 また、その表情が『景色』のように見えることから、【Agate】アゲート等を含め、総称として『ピクチャーストーン』『シニックストーン』と呼ばれることもあります。
インディアンジュエリーの歴史においては、コーラルやスパイニーオイスター、ラピスラズリなどと共にターコイズに次いで用いられることの多い石であり、特に第二次世界大戦中にはターコイズを採掘する鉱夫の人出が不足したため、ターコイズに代わって多く用いられました。


こちらのトップにセットされたペトリファイドウッドもインディアン居留地に近い場所で産出したものと思われ、アリゾナやニューメキシコ産らしいブラウンとオレンジをベースに黒の紋様が入り、接近して観察するとペトリファイドウッドの由来である「木」の木目のような柔らかく複雑な表情が感じされる石となっています。

ターコイズとは異なる独特な存在感と、他に類を見ない新鮮な印象を生み出すペトリファイドウッドを用いた作品は、古くから使われる素材でありながらあまり紹介されておらず、ビンテージインディアンジュエリーの新しい側面とも感じられる為、当店では注力してご紹介しています。

そんなペトリファイドウッドと共に複雑な表情を持ったシルバーのデザインにより、武骨な印象もあり小さなボリューム感のトップでありながら男性にも向いたピースとなっています。
また、現在日本において多く紹介されているインディアンジュエリーとは違ったフィーリングを与えてくれるアイテムです。有機物を起源とするナチュラルで神秘的な石の表情は、どこかアーティーで現代的な雰囲気を宿しており、季節やシーンを問わず多くのスタイルに自然に馴染みやすいネックレスです。

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コンディションも良好です。シルバーの硫化は見られますが、使用感はなく石は美しい艶を保っておりとても良好な状態です。