ITEM CODE:
JOS002777

【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935

【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
48,600 円(税込)
48,600 円(税込)
【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
  • 【GARDEN OF THE GODS】 Atq Kachina Stamped Silver Spoon c.1935
【PUEBLO】プエブロ・【NAVAJO】ナバホの多くの作家が在籍したインディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで作られた作品で、カチナをモチーフとしたスタンプワーク等、非常に独創的でスペシャリティを持ったアンティーク/ビンテージのシルバースプーンです。

裏側に刻印されている『SOLID SILVER』と『HAND MADE BY INDIANS』の表記により1930年代中頃に同トレーディングポストで作られた作品と思われます。

重厚で分厚いインゴットシルバー(銀塊)からハンマーワークによってスプーンのシェイプが成形された作品です。ただし、おそらく柄(持ち手)とつぼ(先端)は制作過程でロウ付けされているようです。柄の部分はずっしりと重く手にやさしい質感であり、つぼ(先端)部分はエッジが鋭利にに仕上げられています。スーベニア工芸品として作られており、実用が前提となっているか不明ですが、しっかりと実用性が考慮されたシルバーワークによって作り上げられています。柄尻には5ポイントスターのようなシェイプに造形され力強いスタンプワークが施されています。さらに、柄の中心にはカチナをモチーフにしたスタンプが刻まれており、このようなスペシャリティのあるデザインはGARDEN OF THE GODS TRADING POST独特のものであり、中でもインディアンジュエリー創成期の最もクリエイティブな作家の一人として知られるサン・イルデフォンソの【Awa Tsireh】アワ・シーディー(1898-1955)の作品を想起させる独創的なディテールです。また、その柄の部分には高度なハンマーワークによって立体的な曲面が与えられており、スプーンとしての造形も美しく丁寧に仕上げられています。

このようなインディアンメイドのスプーンは、1880年代から作られている伝統的な工芸品であり【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテムの一つとも言えます。また、それらは非常に多くのバリエーションが存在し、ツーリストジュエリーにも見られるキャッチーなモチーフが施された記念品として作られた作品が多く見つかっていますが、実用性を重視したマドラーやフォーク等のカトラリー全般、さらにはサラダセットからボウル等の多様なテーブルウエアが作られました。中にはターコイズがセットされたものやサンダーバードショップで作られた著名作家による作品も残されています。


【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。所属していたのは、前述の【Awa Tsireh】アワ・シーディーをはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。

GARDEN OF THE GODSも1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛により創業された「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるジャンルにカテゴライズされている【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の分業化や機械化を進めインディアンクラフトの量産化を図ったメーカー/Manufacturersと同じスタートを切っています。しかしながら、インディアンアートショップとして古い伝統技術や製法を守り、独自性を持ちながら工芸品/アートピースとしての制作が行われており、上記の様なフレッド・ハービースタイルのプロダクト製品とは一線を画す存在です。また、当時とても新しいかったポップなスタイルを持つ同工房に所属したAwa Tsirehの作品が、お手本として【BELL TRADING POST】をはじめとする量産メーカーに模倣されたことや、【Fred Peshlakai】の作品、【C. G. Wallace】で作られたデザイン/造形が上記のようなメーカーのデザインソースとなったことによりGARDEN OF THE GODS TRADING POSTやFred Wilson's Indian Trading Post、Southwestern Arts and Crafts等の分業や量産化を図っていない工房の作品もフレッド・ハービースタイルと混同されることになってしまいました。

1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、その後は妻がビジネスを引き継いでいたようですが、1979年にはビジネス自体が買収されました。そのため、ジュエリー等の制作は1950年代頃までだったと思われます。
また、同店はコロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて、現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。


【Awa Tsireh】アワ・シーディ(ツィレー/シェラ)は、1898年ニューメキシコ州サンタフェから少し北にあるサン・イルデフォンソプエブロに生まれ、インディアンのアーティストとして高い知名度を得た最初期の人物の一人です。
ダンサー、ペインター(画家)としても高名で、残念ながらシルバーワークを始めた正確な時期やシルバーワークを学んだ背景は現在も明らかになっていませんが、1920年代にはすでにペインターとして非常に高い知名度と人気を得ており、1931年にはダンサー/ペインター/シルバースミスと紹介されています。また、1930年代初頭から本作が作られたGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに作品を供給し、その後20年以上に渡り同トレーディングポストに在籍することになったようです。どのような雇用形態であったかは不明ですが、30年代~40年代は、夏季のみコロラド州コロラドスプリングスに滞在し、ペイントとシルバーワークを行っていたと云われています。
また、Awa Tsirehの名前の発音については、正確な発音が不明となっています。元々文字を持たないインディアンの名前は、近代になってから英語やスペイン語の文字で発音をなぞるスペルが与えられました。そしてアメリカ政府の介入もあり、現在の様な個人名が確立されています。しかし、中には『枯れ葉のこすれる音』等と表現される、文字に置き換えることが難しい名前もあったようです。Awa Tsirehの発音は、英語のスペルをなぞると『アワ・ツィレー』になると思いますが、1938年の新聞記事では発音について『A-WA SI-DY』アーワ・シーディと紹介されています。

同作者の絵画作品は、インディアンダンサーや動物などの自然をモチーフにしながら、独特な世界観を持つ当時の西洋美術には存在しなかった様式と表現を持っていました。シルバーをはじめとするメタルワークは、GARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属していたこともあり、ツーリストジュエリーとしての側面を持ったポップでキャッチーな雰囲気の作品が多く残されていますが、そのモチーフの選択や躍動感のある作品群は、他の作家達とは一線を画しています。日本では、インディアンジュエリーのモチーフとして定番となっているフェザーをモチーフにした作品は、おそらくAwa Tsirehが最初に制作したと思われます。
1954年にはフランス政府から、ナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)やホピの巨匠【Fred Kabotie】フレッド・カボティー(1900–1986)らと共に、現在も存続している勲章『教育厚労賞』が与えられています。

本作の正確な作者は不明ですが、スタンプワークのクオリティやデザイン/造形は、これまでに発見されているGARDEN OF THE GODS TRADING POSTの作品の中でもAwa Tsireh制作の可能性がある個体となっています。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。
こちらの作品に刻印されている『SOLID SILVER』は、無垢の銀製と言う意味で、メッキでないことを表しており、インゴットシルバーであることを表してはいませんが、当時のGARDEN OF THE GODSの作品は、全てがインゴットシルバーからハンマーで叩くことで成形されており、こちらの作品が制作された時期のピースは、全てコインシルバー(銀含有率90.0%の地金)が使われていたとされています。


本作が作られた時期のGARDEN OF THE GODS TRADING POST/ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで制作された作品は、アンティーク工芸品として高く評価され、アートピースとしても美しい佇まい。現存数が少ないため史料価値も非常に高く、大変コレクタブルなピースの一つです。


コンディションは、アンティーク作品でありながら良い状態を保っています。シルバーに多少のクスミなどが見られますが、ダメージやリペア跡などありません。
【PUEBLO】プエブロ・【NAVAJO】ナバホの多くの作家が在籍したインディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで作られた作品で、カチナをモチーフとしたスタンプワーク等、非常に独創的でスペシャリティを持ったアンティーク/ビンテージのシルバースプーンです。

裏側に刻印されている『SOLID SILVER』と『HAND MADE BY INDIANS』の表記により1930年代中頃に同トレーディングポストで作られた作品と思われます。

重厚で分厚いインゴットシルバー(銀塊)からハンマーワークによってスプーンのシェイプが成形された作品です。ただし、おそらく柄(持ち手)とつぼ(先端)は制作過程でロウ付けされているようです。柄の部分はずっしりと重く手にやさしい質感であり、つぼ(先端)部分はエッジが鋭利にに仕上げられています。スーベニア工芸品として作られており、実用が前提となっているか不明ですが、しっかりと実用性が考慮されたシルバーワークによって作り上げられています。柄尻には5ポイントスターのようなシェイプに造形され力強いスタンプワークが施されています。さらに、柄の中心にはカチナをモチーフにしたスタンプが刻まれており、このようなスペシャリティのあるデザインはGARDEN OF THE GODS TRADING POST独特のものであり、中でもインディアンジュエリー創成期の最もクリエイティブな作家の一人として知られるサン・イルデフォンソの【Awa Tsireh】アワ・シーディー(1898-1955)の作品を想起させる独創的なディテールです。また、その柄の部分には高度なハンマーワークによって立体的な曲面が与えられており、スプーンとしての造形も美しく丁寧に仕上げられています。

このようなインディアンメイドのスプーンは、1880年代から作られている伝統的な工芸品であり【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテムの一つとも言えます。また、それらは非常に多くのバリエーションが存在し、ツーリストジュエリーにも見られるキャッチーなモチーフが施された記念品として作られた作品が多く見つかっていますが、実用性を重視したマドラーやフォーク等のカトラリー全般、さらにはサラダセットからボウル等の多様なテーブルウエアが作られました。中にはターコイズがセットされたものやサンダーバードショップで作られた著名作家による作品も残されています。


【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。所属していたのは、前述の【Awa Tsireh】アワ・シーディーをはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。

GARDEN OF THE GODSも1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛により創業された「スーベニア(記念品)ビジネス」と言う意味では、【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるジャンルにカテゴライズされている【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の分業化や機械化を進めインディアンクラフトの量産化を図ったメーカー/Manufacturersと同じスタートを切っています。しかしながら、インディアンアートショップとして古い伝統技術や製法を守り、独自性を持ちながら工芸品/アートピースとしての制作が行われており、上記の様なフレッド・ハービースタイルのプロダクト製品とは一線を画す存在です。また、当時とても新しいかったポップなスタイルを持つ同工房に所属したAwa Tsirehの作品が、お手本として【BELL TRADING POST】をはじめとする量産メーカーに模倣されたことや、【Fred Peshlakai】の作品、【C. G. Wallace】で作られたデザイン/造形が上記のようなメーカーのデザインソースとなったことによりGARDEN OF THE GODS TRADING POSTやFred Wilson's Indian Trading Post、Southwestern Arts and Crafts等の分業や量産化を図っていない工房の作品もフレッド・ハービースタイルと混同されることになってしまいました。

1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、その後は妻がビジネスを引き継いでいたようですが、1979年にはビジネス自体が買収されました。そのため、ジュエリー等の制作は1950年代頃までだったと思われます。
また、同店はコロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて、現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。


【Awa Tsireh】アワ・シーディ(ツィレー/シェラ)は、1898年ニューメキシコ州サンタフェから少し北にあるサン・イルデフォンソプエブロに生まれ、インディアンのアーティストとして高い知名度を得た最初期の人物の一人です。
ダンサー、ペインター(画家)としても高名で、残念ながらシルバーワークを始めた正確な時期やシルバーワークを学んだ背景は現在も明らかになっていませんが、1920年代にはすでにペインターとして非常に高い知名度と人気を得ており、1931年にはダンサー/ペインター/シルバースミスと紹介されています。また、1930年代初頭から本作が作られたGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに作品を供給し、その後20年以上に渡り同トレーディングポストに在籍することになったようです。どのような雇用形態であったかは不明ですが、30年代~40年代は、夏季のみコロラド州コロラドスプリングスに滞在し、ペイントとシルバーワークを行っていたと云われています。
また、Awa Tsirehの名前の発音については、正確な発音が不明となっています。元々文字を持たないインディアンの名前は、近代になってから英語やスペイン語の文字で発音をなぞるスペルが与えられました。そしてアメリカ政府の介入もあり、現在の様な個人名が確立されています。しかし、中には『枯れ葉のこすれる音』等と表現される、文字に置き換えることが難しい名前もあったようです。Awa Tsirehの発音は、英語のスペルをなぞると『アワ・ツィレー』になると思いますが、1938年の新聞記事では発音について『A-WA SI-DY』アーワ・シーディと紹介されています。

同作者の絵画作品は、インディアンダンサーや動物などの自然をモチーフにしながら、独特な世界観を持つ当時の西洋美術には存在しなかった様式と表現を持っていました。シルバーをはじめとするメタルワークは、GARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属していたこともあり、ツーリストジュエリーとしての側面を持ったポップでキャッチーな雰囲気の作品が多く残されていますが、そのモチーフの選択や躍動感のある作品群は、他の作家達とは一線を画しています。日本では、インディアンジュエリーのモチーフとして定番となっているフェザーをモチーフにした作品は、おそらくAwa Tsirehが最初に制作したと思われます。
1954年にはフランス政府から、ナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)やホピの巨匠【Fred Kabotie】フレッド・カボティー(1900–1986)らと共に、現在も存続している勲章『教育厚労賞』が与えられています。

本作の正確な作者は不明ですが、スタンプワークのクオリティやデザイン/造形は、これまでに発見されているGARDEN OF THE GODS TRADING POSTの作品の中でもAwa Tsireh制作の可能性がある個体となっています。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。
こちらの作品に刻印されている『SOLID SILVER』は、無垢の銀製と言う意味で、メッキでないことを表しており、インゴットシルバーであることを表してはいませんが、当時のGARDEN OF THE GODSの作品は、全てがインゴットシルバーからハンマーで叩くことで成形されており、こちらの作品が制作された時期のピースは、全てコインシルバー(銀含有率90.0%の地金)が使われていたとされています。


本作が作られた時期のGARDEN OF THE GODS TRADING POST/ガーデンオブザゴッズトレーディングポストで制作された作品は、アンティーク工芸品として高く評価され、アートピースとしても美しい佇まい。現存数が少ないため史料価値も非常に高く、大変コレクタブルなピースの一つです。


コンディションは、アンティーク作品でありながら良い状態を保っています。シルバーに多少のクスミなどが見られますが、ダメージやリペア跡などありません。
Size

全長 約13.5㎝   幅 約2.95㎝   

Material

Ingot Coin Silver