【NAVAJO】ナバホの作家【Clendon Pete】クレンドン・ピート作、センターに迫力のあるシェルリポウズが施された作品で、アンティーク作品をベースとしながらも美しく完成度の高いシルバーワークによって美しく仕上げられたリングです。
センターには、鏨(鉄製の金型ツール)の凸と凹を用いてシルバーを叩きだすことで立体的な凹凸を作るリポウズ/バンプアウトと呼ばれる技術によって貝殻を起源に持つ造形が施されており、立体的でとても迫力のあるデザイン/造形の作品であり、幅もワイドに仕上げられています。
シェイプはシェルコンチョのリポウズが施されたセンターが広く、後ろに向かって細く造形され、上下のエッジには『チゼルワーク』と呼ばれる連続した細かなスタンプが刻まれています。さらに、両サイドにはとても秀逸なスタンプワークが刻まれることで、ナバホジュエリーらしい表情が与えられているようです。
サイドから内側/ボトムにかけては細くなっている為、装着感もフロントのワイドな幅を感じさせない心地よい装着感です。
また、一つ一つのクオリティーが高いスタンプ(鏨)により力強く刻まれたスタンプワークやプリミティブなシルバーワークにより、ナバホジュエリーらしく奥行きのある表情に仕上がられています。
こちらの様なリポウズ/バンプアウトをメインに構成したリングは、1920年代以前の古典期に近い時期から制作されているナバホのオールドスタイルの一つであり、ナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)の作品でも散見されるスタイルであり、現代では【Edison Sandy Smith】エディソン・サンディ・スミスや【Perry Shorty】ペリー・ショーティー等が受け継ぎ、現在でも多くの作家たちにより製作されている造形スタイルです。
【Clendon Pete】クレンドン・ピートは、1977年生まれでナバホのジュエラーとしてはまだまだ若手と言われますが、そのキャリアは休止期間も含めるとすでに30年に至り、年齢にそぐわない成熟した技術と経験を身に付けたシルバースミスです。師を持たず、ほとんど独学でシルバーワークを学びましたが、従弟である【Wilson Jim】ウィルソン・ジム(1949-)と【Thomas Jim】トーマス・ジム(1955-)の兄弟や、元義弟である【Norman Bia】ノーマン・バイア(1972-)の影響を受けており、現在でもジュエリー制作の技術や製法について相談することがあるそうです。
インゴットシルバー(銀塊)ではなくシルバープレート/ゲージを使用して制作していますが、スタンプなどのツールはほぼすべて自身が制作したオリジナルツールを用いており、現代作家の中でもスタンプ(鏨)のクオリティーが高く、繊細な力加減が必要なハンマーワークも突出した技術を持つ作家です。
また、アンティーク作品にも造詣が深く、ナバホのトラディショナルなスタイルをベースとしており、近年まではナバホのベテランアーティスト【Thomas Curtis】トーマス・カーティスや【Ernie Lister】アーニー・リスター、【McKee Platero】マッキー・プラテロ、 【Perry Shorty】ペリー・ショーティー等の影響を感じさせるピースを多く制作していましたが、現在はナバホの伝統的スタイルを守りながらオリジナリティーの強い作品も制作しています。
物静かで職人らしい人物であり、スタンプワークやハンマーワークを極めんとする姿勢等、日米を双方で将来がとても期待されるアーティストでもあります。当店で取扱いを始めてからは日が浅いですが、長くお付き合いいただいている作家の一人です。
こちらの作品もクラシックでナバホの歴史的な造形を踏襲した秀逸な作品であり、クレンドン・ピートらしいクリーンかつワイルドで力強い表情も持ったピースです。当店では数少ないコンテンポラリー(現代作家)のピースですが、伝統を受け継ぎながら高い技術で作り上げられ、迫力と上質感を感じさせるリングです。
また、武骨な造形とモダンな印象を併せ持ち、ボリューム感と存在感のあるリングですがシルバーのみで構成されているため、それほど派手な印象は持たず、日常のスタイルにナチュラルに馴染むと思われます。
男性に向いたサイズで、クラシックなシェイプや指に自然にフィットする表情は、男性の手にも馴染みやすいリングです。
ナバホジュエリーの歴史の中でも、最も長く受け継がれる完成度の高いデザイン/造形の一つであり、長年にわたってご愛用いただける普遍的な完成度と造形美を持った作品です。
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新品・未使用品。 ハンドメイドによる造形ですので、僅かな制作上のムラ等が見られます。