【NAVAJO】ナバホ/【PUEBLO】プエブロの職人が多く所属した、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルを代表する工房の一つである【Maisel's】製のピースで、素晴らしいオーバルカットのオールドナンバーエイトターコイズがセットされたアンティーク/ビンテージリングです。
1940年代後半~1960年代頃に作られたピースで、ミニマルで洗練されたオールドナバホらしい造形も印象的な作品。フェイスの内側とシャンクの2か所にに『STERLING』の文字と共にMaisel'sのホールマーク(カチナ/精霊)が刻印されており、多数のインディアンジュエリーを生産・流通させたMaisel's Indian Trading Postの作品と判断できます。非常に多くのスーベニアジュエリーを生産した同社のピースながら、過去に同じデザインの作品は発見しておらず、比較的珍しいピースだと思われます。
ベゼルのスタンプワーク等、多くの工程は昔ながらの技術による手作業で行われていますが、スプリットシャンクは機械が用いられて造形されており、マシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースです。
また、セットされたターコイズは美しいオールドナンバーエイトターコイズです。※画像よりも実物は少し淡い(ペールトーン)のターコイズになります。ナンバーエイトらしい澄んだ水色にブラウンウェブが入り、僅かにマットな質感になっていますが、とても静かで深淵な景色を持っており、高い質を感じさせる石です。無添加ナチュラルで、ブラウンウェブNo.8としてはジェムグレード以上にグレーディングできる石だと思います。
また、アンティーク作品ではジェムクオリティーのターコイズがセットされた作品は非常に貴重で、多少の使用感はありますが、長い年月を経ていまだその煌きを失っていません。 ターコイズは再研磨も検討できますが、今も宝石としてのグレードと劣化のない美しい色をたたえています。
【Number Eight Turquoise】ナンバーエイト鉱山は、ネバダ州の鉱山で1920年代中頃~60年年代頃まで採掘されていました。特に1930年代中頃に採掘された石は素晴らしいクオリティーを持っていたとされています。採掘されるターコイズは、バリエーションが豊かな鉱山の一つですが、その多くは澄んだ水色を持ち、ハイグレードにグレーディングされるものは北米産ターコイズの中でも最も変色や劣化しにくいとされ、高い硬度を誇っています。
現在はその多くがコレクターや有力なトレーダーに収蔵され、市場に出ること自体が少なくなってしまいました。
【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズ インディアントレーディングポストは、1923年にMaurice Maiselにより創業された店で、当時の観光産業隆盛によるインディアン工芸品(土産物)ビジネスとして開業され、フレッド・ハービーホテルの向いに店舗を構えていました。 その後、1939年にはアルバカーキダウンタウンに移転し、現在でも同じロケーションで【Skip Maisel's Indian Jewelry】として営業しています。当時のピークには150人以上のインディアンの職人を雇い入れ、その作業を外から見える形で運営していました。そのスタイルは現在でも受け継がれ、【Will Vandever】等、腕の良いベテラン作家が今も作品を制作しています。さらに、ジュエリー以外のインディアンアートや工芸品、お土産物も多く遺しており、現在までビジネスを継続している数少ないトレーディングポスト兼工房です。
また、こちらのリングの様にハイグレードなターコイズがセットされたピースを見つけることが出来るのもマイセルズの特徴の一つです。スクリューバックタイプのイヤリングなどでも稀に見られ、当時からターコイズ自体の流通にも携わっていた有力トレーディングポストならではの特徴といえます。
こちらの作品もクオリティーの高い石がセットされており、サイズのバランスや造形センスが素晴らしいシンプルなシルバーワークにより、美しいターコイズの存在感が際立たせられています。
ターコイズを含め、ナチュラルな表情が多くのスタイルに馴染みやすい印象を持ち、10.5号程度ですので女性にお勧めですが男性のピンキーリングとしても良い作品です。
着用画像はこちら↓
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コンディションは、シルバーのクスミや僅かな使用感が見られますが、ダメージやリペア跡等はなくとても良好な状態です。