【NAVAJO】ナバホの【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイル、【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる、当時のスーベニアアイテムの一つで、インディアンジュエリーらしい伝統的な造形ながら、独特の存在感と現代においても斬新な印象を持つアンティーク/ビンテージバングルです。
1930年代末~40年代頃に作られたと推測されるピースで、制作した工房は不明ですが、こちらのデザイン/造形は、【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイとその弟【Frank Peshlakai】フランク・ペシュラカイの作品を元にしたものと思われます。
スプリットワイヤーの伝統的でシンプルなベースに5つのコンチョが配されており、プレーンなシルバーのコンチョは、それぞれにツイステッドワイヤーが施され、小さなシルバードロップで囲まれています。このようなディテールは伝統的なものですが、その仕上がりは現在においても新鮮な印象を受けます。
サイドからターミナルにかけてはサボテンやアローのスタンプワークが施されています。これらはコマーシャルスタンプと呼ばれ、ある程度量産されたスタンプ(鏨)ですが、フレッド・ハービースタイル独特のポップでキャッチーな印象を作っています。
また、こちらのピースはフレッド・ハービースタイルの作品ですが、バンド/地金はインゴットシルバー(銀塊)から成形されており、滑らかで上質感のある質感を持っています。
【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974) 【Frank Peshlakai】フランク・ペシュラカイ(1903-1965) は、インディアンジュエリー作家として活動を始めた最初期に活躍した兄弟で特に兄のFred Peshlakaiは、現在ではトラディッショナルと呼ばれる多くの新しいスタイルを生み出したパイオニアの一人です。 手の込んだシルバーワークや伝統的なスタンプワークを駆使して全く新しいスタイルを含む多くの傑作を残しました。【Kenneth Begay】 ケネス・ビゲイ の師でもあります。
そしてまた、1940年代頃は、インディアンシルバースミスによって制作され、クラフトショップやトレーダーによって販売されたジュエリー作品と、現在フレッド・ハービースタイルと言われるインディアンクラフトを分業化・量産化した工房のBELLやMaisel'sの間に大きな差が生まれた時期に当たり、こちらのように【Fred Peshlakai】の作品やGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属した【Awa Tsireh】(1898-1955)の作品を再現したBELLのものや、ほかにもSOUTHWEST ARTS&CRAFTS等で作られた作品群など、多くの優秀な作家達によって生み出された秀作が、量産化を図った工房で模倣されました。
こちらの作品もそんなピースの一つであり、【Fred Peshlakai】の作品をサンプリングして制作された作品と思われます。
こちらも、キャッチーなスタンプ等が施されていますが、丁寧に仕上げられたシルバーワークはフレッド・ハービースタイル独特のチープな印象はなく、古い作品とは思えない洗練された完成度を持っています。
アンティーク特有の渋い質感も感じられ、性別やスタイルを問わず馴染みの良い雰囲気は長くご愛用いただけると思います。
着用画像はこちら↓
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コンディションも良好で、シルバーの一部には多少のクスミが見られますが、使用感なく良いコンディションを保っています。