【PUEBLO】プエブロによる作品と推測されるピースで、1910年代後半~1920年代頃に作られたと思われる素晴らしいクオリティーのアンティーク/ビンテージバングルです。
INGOT(インゴット/銀塊)から成形されたベースが、さらにファイルワーク/エングレイビングと言う削ることで立体的に造形され、エッジには細かなチゼルワーク/スタンプワークによって縄目のように紋様が刻まれることで、その完成度が高められています。 インゴット(銀塊)から成形されたピース独特の心地よい重量感があり、センターのスタンプワークはナバホとはまた違った有機的でアーシーな印象を受けるデザインが施されています。
デザイン/造形から平原スタイルと呼ばれるプエブロ(ナバホ以外のアメリカ中西部に起源を持つインディアン部族) の作品と思われます。インディアンジュエリーの歴史では、シルバースミスの最初の一人とされているのは、ナバホの【Atsidi Sani】と言う人物ですが、そのあとそれほど長い時間を経ずにAtsidi Saniの息子によりズニ族へ、そしてズニ族からホピ族へとシルバースミスとしての技術が伝来しました。
当時の作品はナバホのオールドスタイルをベースに、馬具などに見られるスパニッシュコロニアルスタイルやメキシカンシルバージュエリーの影響を受けながらそれぞれに発展していきますが、現代のような部族による作風の違いはほとんど見られず、共通したイメージの作品が作られていたようです。
こちらの作品では、プエブロの特徴と言える植物を想起させるような有機的なデザインのスタンプが用いられているため、古い作品では珍しく、プエブロと判断できるバングルです。
少し歪みのある独特なスタンプワークと、ファイルワーク/エングレイビングによってビンテージインディアンジュエリーの力強い武骨さだけでなく、アートピースとしても美しい造形美と独特の完成度を持った作品です。
シンプルながら秀逸なデザインと高度な技術を感じさせ、現代ではアコマの【Greg Lewis】グレッグ・ルイス 【Dyaami Lewis】ディアミ・ルイスをはじめ、ナバホの 【Ernie Lister】アーニー・リスターや【Perry Shorty】ペリー・ショーティー等の古典インディアンジュエリーの伝統をしっかりと受け継ぐ作家がこちらの様な作品を制作しています。こちらの作品はそれらの源流であり、史料価値も高いピースです。
初期インディアンジュエリーの創造性と、プリミティブな製法により素朴で無骨な雰囲気を持つ作品。 粗暴な印象もありますがその完成度は高く、普遍的な造形美は長くご愛用いただけるハイエンドなバングルです。
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コンディションも良好です。 アンティーク作品のため、多少の使用感とシルバーのクスミは見られますが、ダメージ、修理跡などもありません。