【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、非常に細いナローなバンドは、幅以上の厚み/エッジに造形されており、その厚み部分に施された秀逸なスタンプワークも特徴的な作品。そのオリジナリティと突出した造形センスも素晴らしいアンティーク/ビンテージバングルです。

※本作は、下記バングルとセットで発見されたビンテージジュエリーです。販売はセットではなくそれぞれ単体での販売になっておりますのでご注意ください。
もう一方のバングルについては、下記のリンクよりご確認頂けます。
ITEM CODE:JBO006323
Vtg Navajo Arrows Stamped Ingot Silver Narrow Cuff c.1950

1950年代前後に制作された作品。とてもナローな幅ながらインゴットシルバー(銀塊)から成形されたと思われるバンド/地金は重厚で、ハンマーワークによってハーフラウンドワイヤーに近い独特な断面に造形されています。
その様な独特なバンドの厚み部分にフラットな『面』を持たせた造形で、その上下両面にはジグザグ/シェブロン模様等のビンテージピースらしい精巧でクオリティーの高いスタンプ(鏨)による文様が刻まれています。そして、多くのバングルにみられる『幅/フロント』の部分にはスタンプワーク等一切の装飾が施されず、プレーンなシルバーの表情が古い作品ながら洗練された印象を作り上げています。
また、厚く作られたバンドは絶妙な手仕事によってターミナルにかけて少し薄くなるシェイプに造形されており、インゴットシルバーから成形された作品らしい高いクオリティーを感じさせます。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで圧力をかけて伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやワイヤーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
こちらのブレスレットにおいて、一部に見られるようなシルバーの重なったような細かな亀裂部分は、ハンマーワークによるインゴット成形作品の特徴です。※ダメージではありません。このようなディテールはインゴットシルバーのマークとも呼ばれ、コレクターやディーラーの間ではとても高い需要を誇ります。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


とてもナローな幅のバングルですが、その厚みやスタンプワーク等のシルバーワークは大変秀逸で、強い存在感はありませんが独特の奥行きとエッジーで上質感のあるバングル。プリミティブな技術とアーリーナバホスタイルを踏襲した造形からは卓越した造形センスと技術力が感じられます。

ビンテージ作品ながら洗練された完成度があり、細くシャープな印象は他の作品との重ね付けにも向いたバングルですが、特別な厚みにより単独でもしっかりとした存在感を放ちます。 シンプルでプリミティブな造形と普遍的な造形美により、長くご愛用いただけるハイエンドなピースです。

構築的な美しさも持つ細く立体的な造形の作品は、アメリカ人コレクターにも大変人気が高く、コレクタブルでトレジャーハントプライスな作品となっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションも大変良好です。シルバーにはクスミや僅かなキズ、ハンドメイド特有の制作上のムラは見られますが、ほとんど使用感は感じられず非常に良い状態を保っています。