【Taos Pueblo】タオスプエブロの作家【Bobby J. Lujan】ボビー・J・ルハン(1922-2012)の作品。素晴らしいハイグレードインディアンマウンテンターコイズをメインにしており、ハンドメイドの味わいと質の高い石により、シンプルながら深遠な表情を見せるビンテージリングです。

1970年代前後の作品と思われ、ナバホジュエリーと共通の伝統的な技術で形作られていますが、スタンプワークが無くプレーンなシルバーのみで構成されたクリーンな表情が、ナバホジュエリーとの違いとなっており、プエブロらしさも感じ取れる作品となっています。
シャンクは、『スプリットシャンク』と呼ばれるフロントが3本に割り開かれた伝統的な造形となっており、ワイルドで存在感のある石に向けて違和感なく接続されています。フェイスは自然な原石のシェイプを活かした大変美しいターコイズを最大限に生かした造形となっており、ターコイズのベゼル(覆輪)が武骨にハンドメイドされたノッチドベゼル(刻みの入る覆輪)で構成されることで、インディアンジュエリーらしい荒々しさと共に温もりを感じさせているようです。また、石の両サイドにはプレート状のアップリケが施されており、重厚感と安定感が付加されています。

セットされたターコイズは、美しいブルーにブラック～グレーのタイトなスパイダーウェブが入る石で、1970年代前半に産出した【Indian Mountain Turquoise】インディアンマウンテンターコイズと思われます。大変素晴らしいクオリティを誇り、比較的高さのあるカットとなっています。銅鉱山らしい特徴を供えており、ハイグレードにグレーディングできる無添加ナチュラルインディアンマウンテンターコイズです。経年によって少し艶が失われている為、再研磨も検討できますが、今も宝石としての質と変色/劣化のない美しい色を湛えています。


【Bobby J. Lujan】ボビー・J・ルハンは、1922年にニューメキシコ州タオスに生まれ、正確なシルバースミスとしてのキャリアは不明ですが、1940年代の中頃にはシルバージュエリーの制作を始めていたようです。
石のインレイをメインとした作品やオーバーレイを用いたピース、さらにシルバービーズネックレス、コーラルや質の高いターコイズを用いた作品が発見されており、幅広い技術の習得が伺えます。またそれらは、どれもプエブロジュエリーらしい作品となっており、数少ないプエブロの名工です。イニシャルである『BL』が丸い枠の中に構成された刻印がホールマーク(作者のサイン)となっおり、『BL』のみ刻印されたジュエリーもBobby Lujanの作品として紹介されていることがありますが、これらはナバホのシルバースミスで別人です。

また、同氏は3人の息子達を育て、彼らは現在でもタオスにおいてジュエリーや工芸品を制作しており、販売する作品と共にそれらの制作を教わった父親の肖像が飾られています。


ビンテージ作品では非常に貴重なジェムクオリティターコイズがセットされた作品であり、シンプルなシルバーワークが石の存在感を引き立てています。また、ナバホジュエリーの伝統的な技法を踏襲していますが、プエブロらしいデザインと細かなディテールにより、クラシックでアーティーな魅力を宿しています。

ハイグレードなターコイズによって上質でエレガントな印象も併せ持つ作品であり、フォーマルなシーンでも品格を損なわず普遍的な造形美は多くのスタイルにフィットするリングです。

有名でありながら、ほとんどその作品を発見できない作家【Bobby J. Lujan】ボビー・J・ルハンの残したピースであり、大変コレクタブルな作品となっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、経年と着用によるクスミや摩耗が見られますが、目立ったダメージはありません。
ターコイズについては、僅かにマットな質感になっていますので再研磨/リポリッシュも検討できますが目立ったダメージは無く、現在も素晴らしい色を保っています。また、マトリックス部分には凹凸が見られますが、それらはカットされた時からの天然石に由来する特徴です。