【Kewa】キワ/【Santo Domingo】サントドミンゴのアンティーク作品、とても珍しいイーグルのようなシェイプを持つサンダーバードが特徴的なアンティーク/ビンテージネックレスです。
通称【Battery Bird】バッテリーバード、【Depression Necklaces】デプレッションネックレス/大恐慌のネックレスとも呼ばれる同部族の伝統的な作品の一つです。
キワ族/サントドミンゴ族は、プエブロと呼ばれるアメリカ中西部のナバホ以外のインディアン部族の中でも最大規模の部族です。アルバカーキからサンタフェにかけてのリオグランデ(川)流域で古くからジュエリーを制作することで知られていました。
現在でも素晴らしい作品を創作するアーティストを多数擁しており、独特の技術やスタイルを持ったジュエリーを制作していますが、こちらのようなResin/樹脂とGypsum/石膏で作られたジュエリーは、1929年にアメリカを中心に世界恐慌が始まり、それに伴って生まれた作品群です。
もともと、サントドミンゴの代表的な工芸品/お土産物として、1920年代以前から色々なジュエリーが制作されていたようですが、世界恐慌により物資が不足し、身近にあった車のバッテリーケースやレコードなど廃材を樹脂パーツとして再利用して作られました。中には裏面にレコードの音溝がそのまま残っている作品も見られます。一説には当時サントドミンゴの村付近で、大量のレコードを積んだ貨物列車の事故があったため、それらの廃棄されたレコードが用いられたと伝わっていますが、真相は検証されていません。
それらの背景を持っている為、アメリカ国内では現在でも【Battery Bird】や【Depression Necklaces】と呼ばれています。
こちらは、1940年代~1950年代初頭に作られた作品と思われますが、50年代/60年代まで同様の材料や製法を用いた作品が作られており、さらに素材やクオリティを発展させた作品は現在でもサントドミンゴの作家の間で制作されています。大きさや色、デザインのパターンに大変幅広いバリエーションが存在するのが特徴で、一点一点に楽しい特徴が見られます。
それらの中でも、この本作は大変珍しい曲線的でとても迫力のあるシェイプに造形されたサンダーバードがポイントとなった作品です。大きく翼を広げ、それに合わせてアローヘッドのような白いパーツが並べられています。チップインレイされた味わい深いグリーンに、鮮やかな赤が効果的に使われており非常にセンス良く仕上げられたバッテリーバードとなっています。
【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは、限界の無い幸福を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。
アンティークとサントドミンゴ/キワによる独特の価値観と味わいを感じることが出来るネックレスです。作品単独では少し派手な印象もありますが、アンティークの質感や細かな細工による複雑な表情によって多くのスタイルに馴染みやすく性別を問わずお使いいただけます。
また、ナバホやホピ、ズニのジュエリーとも相性が良く、スタイルのアクセントとして効果的なネックレスです。
アイコニックなモチーフやマルチカラーの作るグラフィカルな印象は独特な主張を感じさせますが、サンダーバードの表情はよく見るとどこかキュートで、アーシーな魅力とナチュラルで素朴な雰囲気は工芸品としての味わいも併せ持った作品となっています。
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コンディションは、アンティーク作品のため多少の変色や擦れなどは見られます。また、おそらく翼のエッジ部分の白いパーツ(片側)に欠損があると思われます。その他、特に目立ったダメージやリペア跡はありません。
また、ビーズワイヤーは当店にて強度のある紐に交換しており、脱着しやすくなるようにフックパーツを追加しています。
※こちらのようなネックレスは、デリケートな作品となりますのでご着用に当たっては十分にご注意くださいますようお願いいたします。