【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、怪しげなブラウンを基調としたスクエアカット【Petrified Wood】ペトリファイドウッド(木の化石)がセットされたピース。ミニマルで洗練された造形も印象的なメンズサイズのアンティーク/ビンテージリングです。

1950年代後半～1970年代前半頃に作られた作品と思われ、シールリング/印台タイプの重厚なスクエアシェイプがクラシックで、スタンプワーク等のナバホらしい武骨なディテールが一切除かれたクリーンで無機質なデザイン/造形。ボックスと呼ばれる構造/製法ではなく、キャスト(鋳物)で重厚に成形されたシャンクにベゼル(覆輪)部分のみが別で造形され、リングのシェイプにピッタリと馴染むように石がセットされており、高い技術によってリングのフォルムと石をつなぎとめるベゼルが構成されています。さらにフェイスのエッジ等細部の立体造形も、目立たない部分ですが特別なセンスを感じさせます。そしてまた、それらのような高い技術を要するシルバーワークによって丁寧に仕上げられることでシンプルながら重厚でインディアンジュエリーらしい質感を持ち、とても手の良い職人による仕事を感じさせます。


【Petrified Wood】ペトリファイドウッドは、日本語では『珪化木』と言う<木>が化石化したものです。 これらの化石はインディアン居留地であるアリゾナ北部～ニューメキシコ西部の砂漠地帯から多く産出され、古くからジュエリーに用いられています。
おおよそ2億5000万年前の木々が地中に埋もれ、地下水のケイ素成分が浸透し樹木の組織が残ったまま化石化したものです。 木が持っていた組織の違いによって多くのバリエーションが存在し、ブラウンをベースにオレンジやグレーのものが多く見られますが、レインボーカラーと呼ばれるマルチカラーのものや、こちらの様にとオレンジとブラックのコントラストが美しい石も見られます。 また、その表情が異星の景色のように見えることから、【Agate】アゲート等を含め、総称として『ピクチャーストーン』『シニックストーン』と呼ばれることもあります。
インディアンジュエリーの歴史においては、コーラルやスパイニーオイスター、ラピスラズリなどと共にターコイズに次いで用いられることの多い石であり、特に第二次世界大戦中にはターコイズを採掘する鉱夫の人出が不足したため、ターコイズに代わって多く用いられました。


こちらの作品にセットされたペトリファイドウッドもインディアン居留地に近い場所で産出したものと思われ、柔らかなブラウンを基調としており、現在もウッディーな表情と色味を残す上質なペトリファイドウッドです。
ターコイズとは異なる独特な存在感と他に類を見ない新鮮な印象を生み出すペトリファイドウッドを用いた作品は、古くから使われる素材でありながらあまり紹介されておらず、ビンテージインディアンジュエリーの新しい側面とも感じられる為、当店では注力してご紹介しています。


クラシックな印象のスクエアカットペトリファイドウッドを最大限に活かしたとてもシンプルでミニマルなシルバーワークの作品であり、洗練された完成度と現代的な印象が与えられています。また、そのようなシルバーワークと共に有機物を起源とするナチュラルで深淵な石の表情や色彩により、ワイルドでアーシーな雰囲気と美しくエレガントな印象を兼ねそろえる作品となっているようです。

洗練された造形美は普遍的で、多くのスタイルにフィットする高い汎用性を持ち、重厚なシールリング/印台の造形は、少しフォーマルなスタイルと合わせても品位を落とさず特別な存在感を放つと思われます。

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コンディションは、小傷や多少の摩耗等の使用感が見られベゼルに僅かな傷みがありますが、着用に支障のあるダメージはありません。ペトリファイドウッドについても経年により少しマットな質感になっていますが、クラックやガタつきなどはなく良い状態を保っています。