【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルや【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる、20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテム(土産物)の一つ。センターにはスクエアカットターコイズがセットされ、サンダーバードやホースなどのスタンプワークが刻まれた少し小さいサイズのアンティーク/ビンテージバングルです。

1930年代後半～1950年代製と思われ、フロントからターミナル(両端)にかけて少しずつ細くなるオーセンティックなシェイプのバンドをベースに、センターにはスクエアカットのワイルドなグリーンターコイズがセットされ、両サイドには、鏨(鉄製の金型ツール)の凸と凹を用いてシルバーを叩きだすことで立体的な凹凸を作る『リポウズ』という技術によってシェルコンチョが表現されています。また、アローヘッドやサンダーバード、サイドからターミナルにかけてはイーグルフェザーやホース(馬)等のスタンプが刻まれており、ツーリストアイテムらしいキャッチーな印象に仕上がっています。
ターコイズのベゼルには、『ベゼルカップ』と呼ばれる量産型のマシンメイドパーツが使われており、マシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースであり、類似した個体は見つかると思いますが、全く同じ造形/デザインのものはほとんど存在していないと思われます。

セットされたターコイズは鉱山は不明ですが、アンティークピースに素晴らしいフィット感を見せるワイルドなグリーンターコイズです。渋く深いグリーンに大きくブラウンの母岩の入る石で、とても味わい深くナチュラルで力強い印象を与えるターコイズです。

またこちらのようなアイテムは、コロラド州デンバーでツーリスト向けのジュエリーを最も古くから製造していたことで知られる【Harry Heye Tammen】H.H.タンメン社や同社から独立したニューヨークのメーカー【Arrow Novelty】アローノベルティ社、さらにニューメキシコ州アルバカーキの工房【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズ インディアントレーディングポスト等でも製造されていましたが、こちらにはショップマークやホールマークは入らず詳細は不明となっています。


【Arrowhead/Arrow】アローヘッド/アローは、『お守り』の意味合いを持ちインディアンジュエリー創成期からみられる最古のモチーフの一つです。

【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは、限界の無い幸福を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。

【Horse】馬は旅を表し、人生や長い道のりを<導いてくれる物>を象徴します。


キャッチーなスタンプワークが好印象なフレッド・ハービースタイルらしいデザインのピースです。さらに、比較的珍しいスクエアカットターコイズがセットされることで、クラシックで重厚な表情も与えられており、おそらくコインシルバー製と思われる質感はアンティーク特有の質感を生んでいるようです。

控えめなボリューム感は性別を問わずお使いいただけ、さり気なくスタイリングしやすい作品です。またナチュラルでアーシーな表情と、ビンテージ特有の質感も手首に馴染みの良い印象のバングルです。

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コンディションも経年によるシルバーのクスミが見られますが、使用感は少なく、特にダメージやリペア跡等もない良い状態を保っています。