【NAVAJO】ナバホの作家【Clendon Pete】クレンドン・ピートの作品で、ニューメキシコ州サンタフェの博物館『Wheelwright Museum of the American Indian』に収蔵されている1915年前後に制作されたアンティークピースを再現した当店オリジナルオーダーのバングルです。
こちらの作品の元となっている作品は、上記ミュージアム収蔵作品の中でも非常に評価の高いピースの一つであり、過去にも復刻されていたようですが、スタンプ(鏨)の高い制作技術や厚いシルバーを扱う熟練度が必要であり、簡単に再現できる造形ではありません。Clendon Peteも今回の当店からのオーダーを受けてこちらの作品の大きなポイントとなっているロープスタイルのスタンプ(鏨)が必要となり、新しくハンドメイドでスタンプ(鏨)を制作してくれました。
Clendon Peteが多くのブレスレットで使用している10ゲージ(2.59㎜)や9ゲージ(2.90㎜)よりも厚い約4.4㎜のフラットワイヤーをベースにしており、重量も100g程度とかなり重厚な作品に仕上がっています。そこに、ロープスタイルの洗練されたスタンプが8か所に力強く刻まれており、それらのスタンプワークをメインに構成された作品。スタンプの両サイドはファイルによって立体的な傾斜と凹凸が形成されています。さらに、ホーガン(インディアンの家)がモチーフともいわれるスタンプが配されることで、無機質で100年程前のアンティークを復刻しているとは思えない無駄のないミニマムで現代的な印象に仕上がっています。
また、メインとなっているロープスタイルのスタンプ(鏨)は、前述の様にこちらの作品の為に制作してくれたものです。このような紋様を刻むスタンプは、初めにロープ模様を持つ凸のスタンプを丁寧なヤスリによる削り出しで制作し、それを熱した凹の先端に刻むことで作り出しています。結果、バングルに残るスタンプの表情は、先に制作した凸と同じ仕上がりとなっています。
◆上記スタンプ/鏨の画像はこちら◆
【Clendon Pete】クレンドン・ピートは、1977年生まれでナバホのジュエラーとしてはまだまだ若手と言われますが、そのキャリアは休止期間も含めるとすでに30年に至り、年齢にそぐわない成熟した技術と経験を身に付けたシルバースミスです。師を持たず、ほとんど独学でシルバーワークを学びましたが、従弟である【Wilson Jim】ウィルソン・ジム(1949-)と【Thomas Jim】トーマス・ジム(1955-)の兄弟や、元義弟である【Norman Bia】ノーマン・バイア(1972-)の影響を受けており、現在でもジュエリー制作の技術や製法について相談することがあるそうです。
インゴットシルバー(銀塊)ではなくシルバープレート/ゲージを使用して制作していますが、スタンプなどのツールはほぼすべて自身が制作したオリジナルツールを用いており、現代作家の中でもスタンプ(鏨)のクオリティーが高く、繊細な力加減が必要なハンマーワークにおいても突出した技術を持つ作家です。
また、アンティーク作品にも造詣が深く、ナバホのトラディショナルなスタイルをベースとしており、近年まではナバホのベテランアーティスト【Thomas Curtis】トーマス・カーティスや【Ernie Lister】アーニー・リスター、【McKee Platero】マッキー・プラテロ、 【Perry Shorty】ペリー・ショーティー等の影響を感じさせるピースを多く制作していましたが、現在はナバホの伝統的スタイルを守りながらオリジナリティーの強い作品も制作しています。
物静かで職人らしい人物であり、スタンプワークやハンマーワークを極めんとする姿勢等、日米を双方で将来がとても期待されるアーティストでもあります。当店で取扱いを始めてからは日が浅いですが、長くお付き合いいただいている作家の一人です。
こちらは、ナバホのヒストリックな作品を再現したバングルですが、シンプルで現代的な印象になっており、Clendon Peteらしいハイポリッシュの仕上げ工程によって独特の上質感やジュエリーとしての品格も備わっています。
丁寧な仕事によるシルバーの肌は素晴らしい着用感を生んでおり、100gという重量も腕へのなじみにより苦にならないと思います。また、洗練されたデザイン/造形と、力強く刻まれたスタンプワークやプリミティブなシルバーワークによるナバホジュエリーらしい力強い表情はスタイルを選ばずお使いいただけると思われ、長年にわたってご愛用いただける普遍的な完成度を持った作品です。
◆着用サンプル画像(7枚)はこちら◆
新品・未使用品。 ハンドメイドによる造形ですので、僅かな制作上のムラ等が見られます。