【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリーで、秀逸なシルバーワークをベースに、リペア跡は見られますが大変素晴らしいブラックウェブを持つ【Number Eight Turquoise】オールドナンバーエイトターコイズがセットされたアンティーク/ビンテージバングルです。
1940年代後半~1960年代初頭頃に作られたピースと思われ、宝石として評価できるクオリティーのターコイズを活かすローワークと呼ばれる石を羅列する造形スタイルのバングルです。このような造形はナバホの伝統的なスタイルの一つであり、古くから現在に至るまで制作されているインディアンジュエリーのオーセンティックなデザインです。
シルバーワークも突出したセンスと技術力を感じさせるもので、おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形された上下2本のトライアングルワイヤーと1本のハーフラウンドワイヤーをバンド/地金にして、5つのターコイズがセットされ、それぞれのベゼルには細かなスタンプワークが施されています。さらに、ターコイズの間には小さなコンチョが配され、トライアングルワイヤーの頂点がハンマーワークでフラットに鞣されたディテール等からは、丁寧な仕事だけでなく作者の技術や熟練度を推し量ることが出来ます。また、立体的にセットされたターコイズだけでなく、トライアングルワイヤー等、全体にスタンプワークが刻まれていることによって奥行きがあり、武骨なナバホジュエリーらしい表情に仕上げられています。
ホールマーク(サイン)などは見られず、作者を特定することは出来ませんが、こちらの様なナバホのトラディショナルなスタイルやターコイズのベゼルにスタンプワークを施すディテールは、ナバホの【John Hoxie】ジョン・ホクシーや【Roger Skeet】ロジャー・スキート、【Fred Thompson】フレッド・トンプソン(1921or1922-2002)の作品で散見され、特定はできませんが上記の様な高名な作家による作品と推測されます。
セットされたターコイズは非常に美しいブラックウェブオールドナンバーエイトターコイズです。 ハイグレードにグレーディングできるクオリティーのターコイズで、澄んだ水色にブラック・ブラウンウェブが入るナンバーエイトらしい石であり、高い硬度を感じさせる宝石としての価値を持ったターコイズ。大変質の高いオールドナンバーエイトのため、数十年を経過していながら変色せず、現在もナンバーエイト独特の魅力を持つ無添加ナチュラルのターコイズです。
ただし、残念ながらセンターの石にはクラックが見られ、他の石にもいくつかのリペアが施されているようです。
【Number Eight Turquoise】ナンバーエイト鉱山は、ネバダ州の鉱山で1920年代中頃~60年代頃まで採掘されていました。特に1930年代中頃に採掘された石は素晴らしいクオリティーを持っていたとされています。また、採掘されるターコイズの色味や質等は、バリエーションが豊かな鉱山の一つですが、その多くは澄んだ水色を持ち、ハイグレードにグレーディングされるものは北米産ターコイズの中でも最も変色や劣化しにくいとされ、高い硬度を誇っています。
現在はその多くがコレクターや有力なトレーダーに収蔵され、市場に出ること自体が少なくなってしまいました。
美しい色を湛えるターコイズは複雑な景色を見せ、その宝石としてエレガントな印象の中にワイルドな表情を作り出しています。また、そのターコイズとナバホのトラディショナルなシルバーワークによるプリミティブで力強い造形/デザインは、相反する美感であり強いコントラストを持ちながら、不思議に調和し深淵な味わいを生み出しています。
歴史を感じさせる造形スタイルやシルバーワーク、さらに質の高いターコイズの作り上げる悠然とした存在感は、非常に希少価値も高くハイエンドな作品です。
着用画像はこちら↓
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コンディションは、センターのターコイズのエッジ付近にクラックがあります。また、その他の石にもリペア跡が見られます。しっかりとしたリペアで直されている為、石のグラつき等はなく着用にあたって不安のない状態です。