1909年、アメリカ人彫刻家で特にインディアンをモチーフにした作品で有名な【Cyrus Dallin】によって制作された【Appeal to the Great Spirit】をモチーフにしたアンティークブックエンド左右2個セットです。

非常に重厚な無垢のブロンズ製で、キャストにより成形されています。1920年代～1930年代製と思われ、ブックエンドとして作られたものですが、ブロンズ像/アートピースレプリカとしても完成度が高く、オブジェとしても大変雰囲気があります。


【Appeal to the Great Spirit】は、現在マサチューセッツ州にあるボストン美術館で永久収蔵品となっており、Cyrus Dallinによるインディアン叙事詩4部作の最後の作品とされています。 また、小型化された同作品はホワイトハウス大統領執務室をはじめ、国務省等多くの政府機関や美術館に展示されているアメリカンアートを代表する作品の一つです。
現在でもThe Beach Boysが経営するレコードレーベル【Brother Records】のロゴマークなどで日本でも目にすることがあると思います。

アメリカ国内では1800年代末頃から、当時ようやく生まれるアメリカンインディアンに対するリスペクトやヒューマニズムの観点、アメリカの原風景を求める中で非常に多くのインディアンと馬をモチーフにした彫刻作品が制作されました。
もっとも有名な作品はアメリカ人彫刻家【James Earle Fraser】による1915年の作品『End of the Trail』ですが、こちらの【Appeal to the Great Spirit】も同程度の知名度を誇ります。
そして、1910年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛に合わせ、それらの彫刻作品などが落としこまれたスーベニアアイテムが多く作られるようになりました。こちらのようなブックエンドは、そのようなアイテムを代表するアンティークブックエンドです。


名作が重厚に再現されており、アンティーク特有の質感も迫力を生み出しています。デスク上やシェルフにも大きすぎないサイズ感で、アメリカンインディアンのイメージだけでなくアーリーセンチュリーアメリカンなスタイルにもよく馴染むオブジェ/ブックエンドです。


コンディションは、アンティーク特有の錆などが見られ、底面に貼られたフェルト生地に少しダメージが見られますが、目立ったダメージやリペア跡は見られず良好な状態です。