アンティークメキシカンジュエリーで、インディアンシルバーワークの一つのジャンルにおいても古くから確立している『Pill Box』がトップに構成されたアンティーク/ビンテージネックレスです。
裏側に刻印された『MADE IN MEXICO』により、メキシカンジュエリーであることが判りますが、刻印が無い場合にはナバホジュエリーとの区別が難しい年代の作品です。
非常に精巧に作られたボックスがトップになることで、ミニチュアのハンドバックやスーツケースを身に付けているような愛らしさを持ちながら、アンティークジュエリーの威厳を宿すピルボックス。
1920年代~1940年代頃に作られた作品で、蓋と本体を繋ぐヒンジ部分が膨らんだ独特な構造となっています。そのヒンジ部分にレザーレースを通す事でネックレスとして着用できるようにした作品です。
ピルボックスには全く手を加えていない為、レザーレースを外せば元のピルボックスとして見た目も機能も全く問題なくご使用いただけます。
このようなシルバーボックスは、専用の木型にシルバーを叩き添わせることで造形していますが、繊細なハンマーワークやヒンジの細工など、とても高い技術力を必要とします。特に本作では比較的厚いシルバーを用いている事で、難易度の高い造作によって実現しています。
特に本作では蓋部分がピラミッド形状に造形されており、難易度の高い造作によって実現したそのシェイプは、立体造形作品として美しい作品となっています。
また、ピルボックスの蓋部分にはエッジを囲む様にさり気なくも効果的なスタンプワークが刻まれています。
その中央には小さなグリーンターコイズがマウントされ、とても小さい石ながら高さのあるカットにより、立体感や奥行きを与えるアクセントとなっているようです。
そしてヒンジパーツや蓋のストッパー部分も非常に精巧に造形され、本体下部に細い2本のワイヤーを撚り合わせたツイステッドワイヤーが配される事で、しっかりと開閉可能な構造となっています。
小さなバッグやスーツケースの様でもあり、実際にピルボックスとして薬等を保管したり、ロケットペンダントとして、写真を入れておく事にも向いたサイズと機能を備えた作品です。
当店では数少ないメキシカンジュエリーですが、メキシカンシルバースミスがインディアンに彫金を教えた事から、インディアンジュエリーの歴史がスタートしており、インディアンジュエリーの起源の一つです。
また非常に長い歴史を有し、その技術や多岐にわたる造形・デザインのバリエーションはとても幅広く、奥行きを持っています。本作の様にミッドセンチュリー以前に作られた作品であは、インディアンジュエリーとの区別の難しい作品が多く見られます。
武骨な表情と精巧なシルバーワークが織り成す秀逸な作品。そのピルボックスをトップに構成する事で、ビンテージジュエリーとして類を見ない楽しさと愛らしさを持つネックレスとなっています。
また、普遍的でクラシックなシルバーボックスの印象は、多くの素材に馴染みが良く色々なスタイルにフィットするネックレスとなっています。
さらに、レザーレースは長さの調整幅が大きく、しっかりとした存在感を示すサイズ感のトップはレザーレースの長さを変えることでその印象も大きく変化させることが可能で、性別や季節を問わずお使いいただけると思います。
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コンディションも良好です。シルバーにはクスミ等が見られ、ハンドメイド特有の制作上のムラはありますが、ダメージ/リペア跡などはなくとても良好なコンディションを保っています。