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JBH006809

【Bernard Dawahoya】Shalako Mana Overlay Top Necklace c.1980~

【Bernard Dawahoya】Shalako Mana Overlay Top Necklace c.1980~
209,000 円(税込)
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【Bernard Dawahoya】Shalako Mana Overlay Top Necklace  c.1980~
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【Hopi】ホピの巨匠【Bernard Dawahoya】バーナード・ダワホヤ(1935or36-2010)による大変貴重な【Shalako Mana】シャラコ・マナ カチナをモチーフとした作品。ホピジュエリーの伝統的な技術を用いた素朴でナチュラルな作品ですが、その完成度には威厳やノーブルな印象さえも帯びたハイエンドなビンテージ/オールドのネックレス/ペンダントです。

こちらの作品は、当店の入荷時に組まれていたシルバー製のネックカフ/チョーカーワイヤーと、レザーレース(新品)の双方が付属となります。

Bernard Dawahoyaは大変長いキャリアを誇り、制作な制作時期の特定は困難ですが、刻印されているホールマーク(作者のサイン)や、同作者が所属していた【Hopi Crafts】ホピクラフツのショップマークが入らない事等から、Bernard Dawahoyaの創作期間の中でも技術が最も充実していた1980年代~1990年代頃の作品であることが推測される作品です。
完成された美しいオーバーレイ技法によって構成されており、ホールマークを確認する事なく、名工・巨匠と呼ばれる作者の作品である事が判断可能ですが、同作者によるシャラコカチナをモチーフとした作品は非常に少なく、とても貴重なピースとなっています。
厚いシルバープレートがカッティングされ、ベースとなる下地のシルバープレートが少し薄い、という古いオーバーレイ作品の特徴を備え、厚いシルバーがカッティングされる事で深く強い陰影が生み出されています。さらに、土台となっているシルバーには細かなテクスチャも刻まれ、複雑な表情が与えられています。
直径約6.3㎝の迫力あるラウンドシェイプをベースとして、神々しくシャラコ・マナが描き出されています。ラウンドシェイプを巧みに活用したデザインとなっており、中心から左右対称、そして放射状にシャラコをデザインする事で、その神秘的で厳かなカチナの存在感が生み出されています。さらに、他の作品よりもオーバーレイされたシルバーのカッティング部分が多く、下地の黒い部分が目立つ構成となっています。これも特別な違いではありませんが、オリジナリティと神に近い高位なカチナであるシャラコの神秘性を高めているように感じられます。

さらに、ハンマーワークによって全体にコンチョの様なアールがつけられ、立体的で美しい曲面が与えられています。このようなディテールは、木(丸太)に彫り込んだ溝に、タガネを使い地金を沿わせるように繊細なハンマーワークによってドーム状の膨らみを作り上げています。そのさり気なくも効果的な曲面によって独特な上質感が与えられ、作者の技術力が感じられるディテールとなっています。


【Bernard Dawahoya】バーナード・ダワホヤは1935年又は1936年生まれで、クラン(ホピ特有の氏族)は『Snow』、アリゾナ州北東部のションゴポーヴィで育ちました。1956年頃にシルバースミスとしてのキャリアをスタートさせたとされており、とても長いキャリアを持つ巨匠の一人です。10代のころは叔父である【Sidney Sekakuku Jr.】シドニー・セカククの元で牧畜の仕事をしながらシルバーワークを教わり、同じく同氏族(親戚)の【Washington Talayumptewa】ワシントン・タラユンプテワらも師としてトラディショナルなシルバーワークを習得していきました。
1960年代前半頃には、創業したばかりのHopi Craftsにも協力しており、その時に同じく同ショップに在籍していた巨匠の一人である【Harry Sakyesva】ハリー・サキイェスヴァ(1922-1969?)にシルバーワークを教わり、当時新しいデザインを多く生み出していた【Peter Shelton】ピーター・シェルトンにも大きな影響を受けたようです。その後、1966年には【Dawa's Hopi Arts and Crafts】ダワズホピアーツアンドクラフツをオープンします。そして、1970年代以降にはションゴポーヴィにおいて多大な影響力を持ち、多くの後進をワークショップや自身の経営する店を通じて支援・教育しました。その教え子には自身の娘婿であり、現在も活躍するベテラン作家の【Anderson Koinva】アンダーソン・コインヴァ(1956-)等がいます。また、長いキャリアの中で多くのアワードを受賞し1989年には、Arizona Indian Living Treasure Award(アリゾナ州人間州宝)に認定されています。

トラディショナルなホピジュエリーの大家であり、【Victor Coochwytewa】ヴィクター・クーチュワイテワ(1922-2011)や【Lawrence Saufkie】ローレンス・スフキー(1934-2011)と近い世代の為、並んで評価されることが多い作家ですが、よく見ていると正確で実直なオーバーレイ技術とは相反するデザインのヌケや可愛さ、愛嬌がBernard Dawahoyaの魅力であり、優しくおおらかな人柄が作品に表れていると思います。
ジュエリー以外のアート作品制作にも精力的で、特にキャリア後半ではジュエリーの制作は比較的少なかったこともあり、現在では希少でコレクタブルな作家となっています。2010年に惜しまれながらお亡くなりになられています。


【Overlay】オーバーレイと言う技法は、シルバーの板に描いたデザインを切り抜き、下地のシルバーの上に貼り付けることで立体的に絵柄を浮き出させる技法です。スタンプワークやカッティングと組み合わされた作品も見られ、完成度を高められたオーバーレイ技法を用いた美しいホピのジュエリーは、現代に至るまでに多くの傑作を残しています。
1930年代にホピの大家【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)によって生み出された技術ですが、その黎明期にはホピ以外のナバホ・プエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として色々な作品が作られていました。1940年代~1950年代にかけてHarry Sakyesvaや同い年の作家【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)、そしてVictor Coochwytewa等により、ホピの代表的なスタイルの一つとして定着させられました。
オーバーレイ技術の定着以前にも、オーバーレイと近い造形を生み出すような大きく大胆で細かな刻みを持たないスタンプ(鏨)がホピの作家によって制作されていました。しかし、スタンプ(刻印)というデザインやサイズが固定されてしまう技術から解放し、もっと自由な図案を具現化できる技術・技法として生み出されたのではないかと考えられます。


【katsina/Kachina】カチナ/カチーナは、ホピ族において祖先の神聖な霊魂や全ての自然事象を司る精霊のような存在です。信仰の対象としてだけでなく、ホピ族の精神的な中心であり、価値感や生活様式に至るまでの根幹を成すとても大切な神々です。現在でも伝統的な宗教儀式の中で数十種のカチナを見ることが出来ますが、その総数は400種以上ともされています。

アリゾナ州フラッグスタッフのサンフランシスコピーク付近の聖なる山やホピの村に点在する泉などの聖地に住むとされ、毎年2月にはホピメサに来訪し、7月までの約半年間、ホピの人々が生活する乾燥した砂漠地帯に恵みの雨をもたらしたり日々の生活を助け、秩序や安寧をもたらすと信じられています。
文字を持たないホピの人々にとっては、儀式においてその伝統的な教訓や精神世界、そして祈りを可視化し後世に伝えるためにも重要な存在になっているようです。
そして、毎年カチナが滞在する間に幾度も行われる儀式/ダンスは、男性がカチナの姿になる仮面儀礼となっています。それらの仮面儀礼を執行することにより人とカチナは一体となります。カチナは受肉し、雨という天の恵みをもたらし世の平安を祈ります。そしてまた、依り代となったダンサーの男性にはカチナの超自然的な力が宿ると考えられています。
儀式/ダンスにおいては、チーフカチナやガードカチナ、ランナーカチナやバードカチナ、さらに人間とカチナの中間的なマッドヘッド等の道化役まで、それぞれ多岐にわたる役割を分担しています。
また、多種のカチナはそれぞれに特徴を持っており、具体的な持ち物やモチーフとなる動物のような特徴以外にも、精神世界の神々であるために言葉で表現できない特徴も併せ持っています。そして、それらを伝承し後世に伝えているのが、ホピの言葉でTihu(ティフー/ティトゥ)と呼ばれるカチナドールです。

ホピ族以外にもズニ族ではコッコと呼ばれる同様の信仰が残っており、他にもラグナ族等、文化的に近い関係にある一部のプエブロ民族では類似した習慣が見られます。
アニミズム思想という意味では、日本の神道や自然崇拝と近い世界観であり、日本人にとって違和感なく理解しやすい信仰や価値観だと思います。
本作の様なカチナをモチーフとしたジュエリー作品やカチナドールはコレクタブルな工芸品、精霊をかたどった人形というだけでなく、ホピ族の継承する思想やメッセージ、祈りを具現化した神聖な化身でもあります。


中でも本作の【Shalako Mana】シャラコ・マナは、農耕民族であるホピの人々にとって非常に大変重要な『雨雲』を象徴し、人々に恵みや生命をもたらす精霊よりも神に近い存在のカチナです。
ズニ族を起源に持ち、頭部の装飾は雨(水)や雲を表しています。儀式/ダンスでは長身で長い髪を持つとされ、毎年幾度も行われている儀式/ダンスですが、数十年から百年に一度しか登場することがない、とても有名でありながら出会う事の難しいカチナです。


本作では、シャラコ・マナの神に近いとされる神秘性や、恵みをもたらす偉大で優しい存在感がとても厳かに表現されています。それは、ホピ族の価値観や作者の人柄さえも映し出し、カチナというホピの神々/精霊をモチーフにする気概と愛情が感じられる作品となっています。

独特なリラックス感を持ったデザインが多いBernard Dawahoya作品の中では、愛嬌や楽しさよりもモチーフの威厳や凛とした存在感が際立った特別な作品であり、大きさやモチーフも含め大作といえるピースです。

オーセンティックなホピのシルバーワークとラウンドシェイプは、インディアンジュエリーらしい素朴な印象も感じさせますが、本作のクオリティや作者の精神性を宿し、ウェアラブルアートとしても高い評価を受ける作品の一つです。
また、ネックカフとしてもペンダントとしても強い存在感を示す大きさのある作品ですが、シルバーのみで構成されている為性別を問わず多くのスタイルに合わせる事が可能です。

ホピ独特のどこか優し気な雰囲気を帯びた作品群は、日本人にも共通する感性や様式美を感じさせます。また、図案化された自然モチーフは素朴でナチュラルですが、グラフィカルでモダンな印象もあり、作家の個性や力強さも併せ持つ大変コレクタブルなジュエリー作品となっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、シルバーのクミスや僅かなキズ、ハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、使用感の感じられないとても良好な状態を保っています。
【Hopi】ホピの巨匠【Bernard Dawahoya】バーナード・ダワホヤ(1935or36-2010)による大変貴重な【Shalako Mana】シャラコ・マナ カチナをモチーフとした作品。ホピジュエリーの伝統的な技術を用いた素朴でナチュラルな作品ですが、その完成度には威厳やノーブルな印象さえも帯びたハイエンドなビンテージ/オールドのネックレス/ペンダントです。

こちらの作品は、当店の入荷時に組まれていたシルバー製のネックカフ/チョーカーワイヤーと、レザーレース(新品)の双方が付属となります。

Bernard Dawahoyaは大変長いキャリアを誇り、制作な制作時期の特定は困難ですが、刻印されているホールマーク(作者のサイン)や、同作者が所属していた【Hopi Crafts】ホピクラフツのショップマークが入らない事等から、Bernard Dawahoyaの創作期間の中でも技術が最も充実していた1980年代~1990年代頃の作品であることが推測される作品です。
完成された美しいオーバーレイ技法によって構成されており、ホールマークを確認する事なく、名工・巨匠と呼ばれる作者の作品である事が判断可能ですが、同作者によるシャラコカチナをモチーフとした作品は非常に少なく、とても貴重なピースとなっています。
厚いシルバープレートがカッティングされ、ベースとなる下地のシルバープレートが少し薄い、という古いオーバーレイ作品の特徴を備え、厚いシルバーがカッティングされる事で深く強い陰影が生み出されています。さらに、土台となっているシルバーには細かなテクスチャも刻まれ、複雑な表情が与えられています。
直径約6.3㎝の迫力あるラウンドシェイプをベースとして、神々しくシャラコ・マナが描き出されています。ラウンドシェイプを巧みに活用したデザインとなっており、中心から左右対称、そして放射状にシャラコをデザインする事で、その神秘的で厳かなカチナの存在感が生み出されています。さらに、他の作品よりもオーバーレイされたシルバーのカッティング部分が多く、下地の黒い部分が目立つ構成となっています。これも特別な違いではありませんが、オリジナリティと神に近い高位なカチナであるシャラコの神秘性を高めているように感じられます。

さらに、ハンマーワークによって全体にコンチョの様なアールがつけられ、立体的で美しい曲面が与えられています。このようなディテールは、木(丸太)に彫り込んだ溝に、タガネを使い地金を沿わせるように繊細なハンマーワークによってドーム状の膨らみを作り上げています。そのさり気なくも効果的な曲面によって独特な上質感が与えられ、作者の技術力が感じられるディテールとなっています。


【Bernard Dawahoya】バーナード・ダワホヤは1935年又は1936年生まれで、クラン(ホピ特有の氏族)は『Snow』、アリゾナ州北東部のションゴポーヴィで育ちました。1956年頃にシルバースミスとしてのキャリアをスタートさせたとされており、とても長いキャリアを持つ巨匠の一人です。10代のころは叔父である【Sidney Sekakuku Jr.】シドニー・セカククの元で牧畜の仕事をしながらシルバーワークを教わり、同じく同氏族(親戚)の【Washington Talayumptewa】ワシントン・タラユンプテワらも師としてトラディショナルなシルバーワークを習得していきました。
1960年代前半頃には、創業したばかりのHopi Craftsにも協力しており、その時に同じく同ショップに在籍していた巨匠の一人である【Harry Sakyesva】ハリー・サキイェスヴァ(1922-1969?)にシルバーワークを教わり、当時新しいデザインを多く生み出していた【Peter Shelton】ピーター・シェルトンにも大きな影響を受けたようです。その後、1966年には【Dawa's Hopi Arts and Crafts】ダワズホピアーツアンドクラフツをオープンします。そして、1970年代以降にはションゴポーヴィにおいて多大な影響力を持ち、多くの後進をワークショップや自身の経営する店を通じて支援・教育しました。その教え子には自身の娘婿であり、現在も活躍するベテラン作家の【Anderson Koinva】アンダーソン・コインヴァ(1956-)等がいます。また、長いキャリアの中で多くのアワードを受賞し1989年には、Arizona Indian Living Treasure Award(アリゾナ州人間州宝)に認定されています。

トラディショナルなホピジュエリーの大家であり、【Victor Coochwytewa】ヴィクター・クーチュワイテワ(1922-2011)や【Lawrence Saufkie】ローレンス・スフキー(1934-2011)と近い世代の為、並んで評価されることが多い作家ですが、よく見ていると正確で実直なオーバーレイ技術とは相反するデザインのヌケや可愛さ、愛嬌がBernard Dawahoyaの魅力であり、優しくおおらかな人柄が作品に表れていると思います。
ジュエリー以外のアート作品制作にも精力的で、特にキャリア後半ではジュエリーの制作は比較的少なかったこともあり、現在では希少でコレクタブルな作家となっています。2010年に惜しまれながらお亡くなりになられています。


【Overlay】オーバーレイと言う技法は、シルバーの板に描いたデザインを切り抜き、下地のシルバーの上に貼り付けることで立体的に絵柄を浮き出させる技法です。スタンプワークやカッティングと組み合わされた作品も見られ、完成度を高められたオーバーレイ技法を用いた美しいホピのジュエリーは、現代に至るまでに多くの傑作を残しています。
1930年代にホピの大家【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)によって生み出された技術ですが、その黎明期にはホピ以外のナバホ・プエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として色々な作品が作られていました。1940年代~1950年代にかけてHarry Sakyesvaや同い年の作家【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)、そしてVictor Coochwytewa等により、ホピの代表的なスタイルの一つとして定着させられました。
オーバーレイ技術の定着以前にも、オーバーレイと近い造形を生み出すような大きく大胆で細かな刻みを持たないスタンプ(鏨)がホピの作家によって制作されていました。しかし、スタンプ(刻印)というデザインやサイズが固定されてしまう技術から解放し、もっと自由な図案を具現化できる技術・技法として生み出されたのではないかと考えられます。


【katsina/Kachina】カチナ/カチーナは、ホピ族において祖先の神聖な霊魂や全ての自然事象を司る精霊のような存在です。信仰の対象としてだけでなく、ホピ族の精神的な中心であり、価値感や生活様式に至るまでの根幹を成すとても大切な神々です。現在でも伝統的な宗教儀式の中で数十種のカチナを見ることが出来ますが、その総数は400種以上ともされています。

アリゾナ州フラッグスタッフのサンフランシスコピーク付近の聖なる山やホピの村に点在する泉などの聖地に住むとされ、毎年2月にはホピメサに来訪し、7月までの約半年間、ホピの人々が生活する乾燥した砂漠地帯に恵みの雨をもたらしたり日々の生活を助け、秩序や安寧をもたらすと信じられています。
文字を持たないホピの人々にとっては、儀式においてその伝統的な教訓や精神世界、そして祈りを可視化し後世に伝えるためにも重要な存在になっているようです。
そして、毎年カチナが滞在する間に幾度も行われる儀式/ダンスは、男性がカチナの姿になる仮面儀礼となっています。それらの仮面儀礼を執行することにより人とカチナは一体となります。カチナは受肉し、雨という天の恵みをもたらし世の平安を祈ります。そしてまた、依り代となったダンサーの男性にはカチナの超自然的な力が宿ると考えられています。
儀式/ダンスにおいては、チーフカチナやガードカチナ、ランナーカチナやバードカチナ、さらに人間とカチナの中間的なマッドヘッド等の道化役まで、それぞれ多岐にわたる役割を分担しています。
また、多種のカチナはそれぞれに特徴を持っており、具体的な持ち物やモチーフとなる動物のような特徴以外にも、精神世界の神々であるために言葉で表現できない特徴も併せ持っています。そして、それらを伝承し後世に伝えているのが、ホピの言葉でTihu(ティフー/ティトゥ)と呼ばれるカチナドールです。

ホピ族以外にもズニ族ではコッコと呼ばれる同様の信仰が残っており、他にもラグナ族等、文化的に近い関係にある一部のプエブロ民族では類似した習慣が見られます。
アニミズム思想という意味では、日本の神道や自然崇拝と近い世界観であり、日本人にとって違和感なく理解しやすい信仰や価値観だと思います。
本作の様なカチナをモチーフとしたジュエリー作品やカチナドールはコレクタブルな工芸品、精霊をかたどった人形というだけでなく、ホピ族の継承する思想やメッセージ、祈りを具現化した神聖な化身でもあります。


中でも本作の【Shalako Mana】シャラコ・マナは、農耕民族であるホピの人々にとって非常に大変重要な『雨雲』を象徴し、人々に恵みや生命をもたらす精霊よりも神に近い存在のカチナです。
ズニ族を起源に持ち、頭部の装飾は雨(水)や雲を表しています。儀式/ダンスでは長身で長い髪を持つとされ、毎年幾度も行われている儀式/ダンスですが、数十年から百年に一度しか登場することがない、とても有名でありながら出会う事の難しいカチナです。


本作では、シャラコ・マナの神に近いとされる神秘性や、恵みをもたらす偉大で優しい存在感がとても厳かに表現されています。それは、ホピ族の価値観や作者の人柄さえも映し出し、カチナというホピの神々/精霊をモチーフにする気概と愛情が感じられる作品となっています。

独特なリラックス感を持ったデザインが多いBernard Dawahoya作品の中では、愛嬌や楽しさよりもモチーフの威厳や凛とした存在感が際立った特別な作品であり、大きさやモチーフも含め大作といえるピースです。

オーセンティックなホピのシルバーワークとラウンドシェイプは、インディアンジュエリーらしい素朴な印象も感じさせますが、本作のクオリティや作者の精神性を宿し、ウェアラブルアートとしても高い評価を受ける作品の一つです。
また、ネックカフとしてもペンダントとしても強い存在感を示す大きさのある作品ですが、シルバーのみで構成されている為性別を問わず多くのスタイルに合わせる事が可能です。

ホピ独特のどこか優し気な雰囲気を帯びた作品群は、日本人にも共通する感性や様式美を感じさせます。また、図案化された自然モチーフは素朴でナチュラルですが、グラフィカルでモダンな印象もあり、作家の個性や力強さも併せ持つ大変コレクタブルなジュエリー作品となっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、シルバーのクミスや僅かなキズ、ハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、使用感の感じられないとても良好な状態を保っています。
Size

トップ 縦(バチカンを含む) 約7.4㎝   横 約6.3㎝   レザーレースは最大で90.0㎝程度
ネックカフ/チョーカーワイヤー長さ 約 37.0㎝ + 開口部 約 5.0㎝

Material

Sterling Silver, Leather Lace(Water Buffalo)