【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、とても丁寧でクオリティーの高いシルバーワークとターコイズの両サイドに施されたハート型のアップリケがとても印象的なアンティーク/ビンテージリングです。
1930年代後半~1950年代頃に制作された作品と思われ、おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形されたシャンクは、『スプリットシャンク』と呼ばれる伝統的な造形でフロントに向かって3本に割り開かれています。フェイスは円に近いオーバルシェイプのグリーンターコイズがセットされており、ベゼルには2本のワイヤーを撚り合わせたツイステッドワイヤーが施されています。そしてその両サイドには、特徴的なハート型のリポウズ/バンプアウトに沿ってカットされたアップリケが配されることで独自性が与えられており、シルバーワークの質の高さを物語るディテールとなっています。このようなハート型のリポウズ/バンプアウトは、そのツール(凹凸スタンプ)を製作する為に大変な労力と共に技術力が必要であり、ナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やAustin Wilson】オースティン・ウィルソン(1901-1976)など、非常に限られた作家による作品において見られる造形/ディテールとなっています。
また、全てナバホの伝統的なディテール/技法によって造形されていますが、上記の様な熟練度を必要とするシルバーワークやオリジナリティーによってと、際立った存在感と上質感を感じさせるリングです。
セットされたターコイズは、鉱山などを特定することはできませんが、とても深遠な色味と表情を持つグリーンターコイズです。ただし、残念ながらクラックが過去にリペアされてるようです。クラックの形跡は確認できますが、とても綺麗にリペアが施されており、着用に不安のない状態となっています。
また、裏面にはスクラッチによって『KEE』という文字が刻まれていますが、作者を表すものか不明であり、KEEという名前の人物がナバホではとても多いことから、作者は不明となっています。前述のように、デザインやディテール、シルバーワークの質からは、高名な作家が想起されますが、作者の特定は非常に困難だと思われます。
アンティークインディアンジュエリーらしい武骨な表情も感じさせるシルバーワークですが、細部にもこだわりぬかれた大変高い完成度を誇り、練り上げられた工芸品としての造形美も備えたハイエンドなリングに仕上がっています。
また、重厚で丁寧なシルバーワークはクラシックな印象も生み出し、ビンテージスタイルとの相性が素晴らしいリングですが、ターコイズによる豊かな表情とナチュラルな質感は、性別やスタイルを問わず馴染みやすいリングです。
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コンディション全体に多少の使用感がありますが、特にダメージはなく良好な状態を保っています。
ターコイズにはリペアが施されている様ですが、石の動きなどはなく着用に不安のない状態となっています。