【ZUNI】ズニのビンテージジュエリー、伝統的な技術であるターコイズインレイによって構成されたピース。ビンテージインディアンジュエリーらしい味わいと、可愛い印象のハートシェイプが印象的なビンテージネックレスです。
おそらく、ズニの有名ファミリーのひとつであるDishtaファミリーによる作品で、同ファミリーの特徴的なラウンドカットターコイズによるインレイを連続して配置したデザイン/造形の作品です。
1950年代末~1970年代前半頃に制作されたピースと思われ、細かなカッティングが施されたシルバープレートをベースに、ズニジュエリーらしい多数の小さなターコイズインレイでハート型に構成されています。また、ハートの内側部分には、シルバーワイヤーが施されています。全てハンドメイドで造形されており、武骨で粗暴な部分も見られますが、細かなシルバーワークによって繊細な表情に仕上げられています。
シルバーチェーンは新しいものですが、独自にアンティーク加工を施しており、ビンテージ作品によく馴染む表情になっております。
セットされたターコイズは、いくつか変色が見られマルチカラーになっていますが、それらを含めて味わい深い表情の石がセットされています。古い作品らしい優しい発色のターコイズであり、少しマットな質感ですがアーシーなグラデーションが入り、1970年代後半以降のズニジュエリーではほとんど見られない無添加ナチュラルターコイズです。
こちらのようなラウンド型やティアドロップ型の小さなターコイズインレイを駆使して構成するデザイン/造形は【Dishta Style】と呼ばれ、ズニの巨匠【Frank Dishta】フランク・ディシュタ(1902-1954)により作り上げられ、その後その子孫によってDishtaファミリーのスタイルとして定着させられました。
ターコイズがインレイされた上記のようなラウンド/ティアドロップ型パーツをフラワーやクラスターを形作るように配置することで、美しい幾何学模様等を生み出すスタイルで、こちらの作品も『Dishta Style』をベースにしていますが、ハート型に配置されたデザイン/造形は、とても珍しいと思われます。
【Frank Dishta】フランク・ディシュタは、1902年生まれで他の多くのズニ作家と同じく、C. G. Wallace Trading Postに所属していた作家の1人です。上記のように、当時まだまだナバホジュエリーとの差異が大きくなかった時代に、新しくズニのトラディショナルな技術や造形スタイルを築くことに貢献した人物であり、氏のオリジナリティーあるスタイルを生み出しました。
1954年には亡くなっていますが、息子である【Virgil Dishta Sr.】を始め、多くの優秀な子孫を残し育てています。
控えめなボリューム感は女性に向いた作品で、色々なスタイルや他のジュエリーとも相性が良く、ハンドクラフト作品のナチュラルな味わいとビンテージ特有の経年変化によって、こなれた印象を持ち、多くのスタイルにとても馴染みの良いネックレスです。
また、ズニ独特の世界観を持ったインレイのジュエリーは、キャッチーな印象とハンドメイドによるリラックス感があり、オリジナリティーのあるハートシェイプも楽しい作品です。
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コンディションは、全体に経年によるシルバーにクスミやハンドメイド特有の制作ムラが見られます。ただし、目立ったダメージは無く良好な状態を保っています。