【ZUNI】ズニのビンテージジュエリー、とても美しいインレイワークと丁寧なシルバーワークによって構成されたバタフライ/蝶々のシェイプが印象的なアンティーク/ビンテージのピンブローチです。
こちらの作品は、ホールマーク(作者やショップのサイン)が入りませんので、作者を断定することは出来ませんが、伝統的な蝶をモチーフにした作品の中でも特徴的なシェイプと洗練されたインレイワークから、ズニの偉大な作家【Winnie Wallace】ウィニー・ウォレスによる1950年代~1970年代の作品と思われます。
すべての工程がハンドメイドにより作られており、作りの良いシルバーワークにズニ族の得意とするモザイクインレイによりターコイズやスパイニーオイスターが螺鈿細工のようにセットされています。巧みに構成された異素材の組み合わせにより美しい蝶の羽が表現され、アウトラインや触覚の部分には細かなスタンプワークが施されています。さらに、サイドに配された小さなコンチョもすべてスタンプワークによって立体的に細かな紋様が刻まれており、それらの丁寧な仕事は、作者の高い技術が感じられ、ビンテージ作品特有の質の高さを持っています。
ズニ独特の技法であるモザイクインレイ/チャンネルインレイはカットしたターコイズやシェルなどをシルバーにピッタリとはめ込む螺鈿細工のような技術です。 こちらの作品もハンドメイドによって作られたシルバーのベースにターコイズやオニキス、スパイニーオイスターが丁寧なカットによってはめ込まれています。
【Winnie Wallace】ウィニー・ウォレスは、ズニジュエリーの歴史に多くの傑作を残す偉大な女性作家の一人です。こちらのようバタフライ/蝶々をモチーフにしたピースは、ズニの巨匠【Leo Poblano】レオ・ポブラノ(1905-1959)や【Lee Edaakie】リー・エダキー(1914-1984)、【Lambert Homer】ランバート・ホーナー(1917-1972)等、多くの有名作家も美しい作品を残していますが、Winnie Wallaceは特にバタフライモチーフに多くのバリエーションを与え、独特で美しい色遣いを得意としていたようです。
【Butterfly】バタフライ/蝶々は、力強く羽ばたき飛翔する姿から『生命力』や『永遠の命』を表すとされています。また、幼虫から蛹へと姿を変えやがて羽化して飛び立つことから、ドラゴンフライ/蜻蛉とも似た『変化』や『生まれ変わり』を表すこともあります。
色々な石をインレイすることで生まれるマルチカラーは世界的にも評価が高いズニの作品の特徴であり、グラフィカルな印象とハンドクラフト品の素朴な魅力を兼ね備えています。
厚みもしっかりとしていている為、良い存在感があり日常のスタイルに変化を加えるスパイス的なアクセントになると思われます。また、ズニやホピの特徴ともいえる自然モチーフが抽象化/図案化されたデザインは日本人にも共通した価値観を感じさせ、和装にもフィットすると思われます。
また、ズニのアンティークジュエリーは日本ではあまり紹介されていませんが、アートピースとしての評価も高いため、非常に多くのコレクターが存在しており、現存数も少ないためこちらのような秀逸な作品はとても貴重なピースです。
着用画像はこちら↓
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コンディションはシルバーのクスミ等、アンティーク作品特有の経年は感じさせますが、ダメージやリペアの跡等は見られず良いコンディションを保っています。