【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる、20世紀前半のサウスウエスト観光産業の隆盛に合わせて作られた作品の一つで、スネーク/ガラガラ蛇等ツーリストらしいモチーフのスタンプワークが多く刻まれたアンティーク/ビンテージバングルです。
1930年代~40年代頃に作られた作品と思われ、スーベニアアイテムながら、おそらく全ての工程がハンドメイドで仕上げられており、おそらくコインシルバー(銀含有率90.0%)のインゴット(銀塊)から成型された地金/バンドをベースにしています。
センターには『メディスンマンの目』を表すダイヤモンド型のスタンプが刻まれ、その上下にはアロー、サイド~ターミナルにかけてはスネーク/ガラガラ蛇や弓矢、そして『チーフ/リーダー』を象徴しているイーグルフェザーのスタンプが刻まれており、モチーフや構成はツーリストジュエリーらしいキャッチーなイメージとなっています。さらに平打ちと呼ばれるフラットなシェイプに近い造形ですが、バンドにはハンマーワークによって柔らかなアールがつけられ、さりげなくも美しい曲線・曲面が与えられ、素晴らしい造形美と腕になじむ上質感を感じさせます。このようなディテールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込んで、そこにシルバーを叩き添わせることによって曲面を作っています。
またこちらのようなアイテムは、コロラド州デンバーでツーリスト向けのジュエリーを最も古くから製造していたことで知られる【Harry Heye Tammen】H.H.タンメン社、又は同社から独立したニューヨークのメーカー【Arrow Novelty】アローノベルティ社や、ニューメキシコ州アルバカーキの工房【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズインディアントレーディングポスト等で製造されていましたが、こちらにはショップマークやホールマークは入らず詳細は不明となっています。
【Rattlesnake】ガラガラヘビ/スネークは、インディアンにとって神聖な存在として、特にプエブロインディアンの間で古くからジュエリーやポッテリー等、色々な作品に用いられました。当店のロゴにも登場するモチーフであり、脱皮して成長していく姿から、<挑戦><革命><知恵> 等を象徴するシンボルとされています。
【Arrow/Arrowhead】アロー/アローヘッドは、『お守り』の意味合いを持ちインディアンジュエリー創成期からみられる最古のモチーフの一つです。
ツーリストジュエリー/フレッド・ハービースタイル特有のポップな雰囲気を持った作品ですが、比較的希少な蛇/スネークモチーフのスタンプ等が施され、シンプルながら秀逸なデザイン/造形の作品です。
また、シルバーのみで構成されたソリッドな質感や控えめなボリューム感は性別を問わずお使いいただけ、腕に良く馴染む印象はさり気なくスタイリングしやすい作品。エスニシティーで素朴な表情は長くご愛用いただけるバングルかと思われます。
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コンディションも良好です。シルバーは多少のクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等が見られますが、ダメージやリペア跡などなく良好なコンディションです。