【NAVAJO】ナバホか【PUEBLO】プエブロによる作品と推測されるピースで、シルバーワイヤーを編み込むことで作り上げた造形をフェイスに配置した、重厚なメンズサイズのアンティーク/ビンテージリングです。
ホールマーク(作者のサイン)やスタンプワーク等、制作された年代や背景を判断する材料となるディテールが見られない為、作者や制作背景が明確ではありません。シルバーワークや造形スタイルなどから、ミッドセンチュリー期のナバホかプエブロインディアンによる作品と推測しています。
トラディショナルなツイステッドワイヤーのバリエーションの一つであるシルバーワイヤーを編んで構成したものを、ハーフラウンド型のシャンクと組み合わせてリングとして構成しています。シンプルながら手の込んだ造形/デザインであり、太いワイヤーを用いた重厚な造りや、ロウ付け跡が確認できる粗暴なディテールにインディアンジュエリーらしさが感じられる造形です。
また、こちらのようなシルバーワイヤーを編むことで作り出す複雑なスタイルのツイステッドワイヤーは、アンティークのメキシカンシルバー作品にもみられる造形の一つであり、それらがソースとなっているデザインと推測されます。いつ頃からインディアンジュエリーに取り入れられたものか正確には不明ですが、ホピの偉大な作家【Ralph Tawangyawma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)の作品においても同様のディテールを見ることが出来、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルや【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる観光客向けアイテムを製造した代表的な工房の一つである【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストでも作られています。それらの作品群から、1930年代後半~1940年代前半にはインディアンジュエリーのディテールとしても用いられ始めていたと思われます。
裏面には、ホールマークの様に見える刻印が確認できますが、制作時に偶発的についたものか、ホールマークとして刻印されたものか不明です。
シンプルでモダンな印象と、重厚でインディアンジュエリーらしい男性的な表情を併せ持った秀逸なデザイン。ビンテージインディアンジュエリーでありながら、現代的でどこかロックな印象もあり、多くのスタイルに違和感なく馴染みやすい作品です。
明確な背景/詳細を追跡することが出来ない作品ですが、ミニマルで堅牢なシルバーワークと造形美は、長年にわたってご愛用いただけると思います。
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コンディションは、シルバーのクスミやハンドメイドによる造形ですので、僅かな捻りや制作上のムラが見られますが、目立ったダメージはなく良好です。