【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリーで、トラディショナルなモチーフであるサンダーバードのシェイプをベースにアーシーで美しいターコイズがマウントされたアンティーク/ビンテージピンブローチです。

【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルや【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる、20世紀前半頃に観光客向けに生産されたスーベニアアイテムの一つ。
ホールマーク等が刻印されていない為、正確な背景を特定することは出来ませんが、おそらく当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された作品をデザインソースとした【Maisel's】マイセルズ製と推測されるピースです。


1930年代後半～1950年代初頭頃のものと思われ、ランバス/菱形を基調としたサンダーバードデザインが大変秀逸です。
また、細かなスタンプワークを刻むことによってサンダーバードの顔等、細部が描き出されています。

さらに、中央部分にはツーリストジュエリーながら大変美しいターコイズがマントされており、その無添加ナチュラルな石の質はビンテージピース特有の特徴となっています。
そのターコイズのベゼル(覆輪)には『ベゼルカップ』と呼ばれる既製のパーツが用いられており、マシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースとなっています。

ツーリストジュエリーではオーセンティックなデザインですが、現在では現存数が非常に少なく類似したピースを探すのは困難で、高い希少性とバランスの良いデザインも特徴的です。


【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズ インディアントレーディングポストは、1923年にMaurice Maiselにより創業された店で、当時の観光産業隆盛によるインディアン工芸品(土産物)ビジネスとして開業され、フレッド・ハービーホテルの向いに店舗を構えていました。
その後、1939年にはアルバカーキダウンタウンに移転し、2019年まで同じロケーションで【Skip Maisel's Indian Jewelry】として営業していました。

ピーク時には150人以上のインディアンの職人を雇い入れ、その作業を外から見える形で運営していました。そのスタイルは近年まで受け継がれ、【Will Vandever】等、腕の良いベテラン作家がジュエリーを制作しました。
さらに、ジュエリー以外のインディアンアートや工芸品、お土産物も多く遺しており、近年までビジネスを継続していた数少ないトレーディングポスト兼工房です。

また、本作の様に上質なターコイズがセットされたピースを見つけることが出来るのもマイセルズの特徴となっています。戦前からターコイズの流通にも携わっていた、幅広いビジネス展開に起因した特性といえます。



モチーフの【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。
ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。



こちらもサンダーバードのキャッチーでアイコニックなデザインですが、アンティーク独特の雰囲気やナチュラルなターコイズにより、性別やスタイルを問わず馴染みやい高い汎用性も魅力的なピースです。

またハット等のワンポイントやラペル、バッグ等にもフィットしますし、日常的なスタイルにおいて、さり気なくも効果的なアクセントとなり得るピンブローチです。

ツーリストジュエリーながら美しいターコイズによってナチュラルでアーシーあ印象を与え、大変コレクタブルなキラーピースとなっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションもシルバーのクスミや製造上のムラ等が見られる程度で使用感は感じられず、良好な状態です。
また、ターコイズのマトリックス部分には凹凸や僅かなクラックが確認できますが、それらはカットされた時からの天然石由来の特徴かと思われます。