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JBO007073

Antique Navajo Bee Stamped Heavy Ingot Silver Cuff c.1935~

Antique Navajo Bee Stamped Heavy Ingot Silver Cuff c.1935~
297,000 円(税込)
297,000 円(税込)
Antique Navajo Bee Stamped Heavy Ingot Silver Cuff c.1935~
  • Antique Navajo Bee Stamped Heavy Ingot Silver Cuff c.1935~
  • Antique Navajo Bee Stamped Heavy Ingot Silver Cuff c.1935~
  • Antique Navajo Bee Stamped Heavy Ingot Silver Cuff c.1935~
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  • Antique Navajo Bee Stamped Heavy Ingot Silver Cuff c.1935~
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着用サンプル画像
https://www.instagram.com/p/CzoKdEWP-jC/
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、大変シンプルでありながら手の込んだ造作、特徴的なモチーフのスタンプツール(鏨・刻印)等から『U.S.NAVAJO』の刻印で知られる【Indian Arts & Crafts Board】(IACB)の認証を受けたトレーディングポストが強く想起されるアンティーク/ビンテージバングルです。

ホールマーク(作者や工房のサイン)等が刻印されていない為、正確に作者や背景を特定することは出来ませんが、非常に重厚なバンドの立体的な造形やその洗練されたデザイン、蜂/Beeという生き物をモチーフとしたスタンプワークからは、Indian Arts & Crafts Boardの中でも『U.S. NAVAJO 2』末尾のナンバー2の【C. G. Wallace Trading Post】C.G.ウォレスインディアントレーディングポストで制作された可能性がとても高い作品となっています。

【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)=通称『ナバホギルド』で制作されたブレスレットも想起されますが、ナバホギルドにおいて本作の様なBee/蜂モチーフのスタンプが使用された作品は確認されていない為、ナバホギルドで作られた作品ではないと推測されます。


1930年代後半~1950年代初頭頃に作られた作品で、原始的な技術で形作られていながら、手の込んだシルバーワークや作者の突出した造形センスにより、素晴らしい完成度とオリジナリティが与えらています。

インゴットシルバー(銀塊)からハンマーワークによって成形されたバンドは、非常に厚く重厚な仕上がりとなっており、その重量は45gを超えています。

左右や前後でシルバーの厚みが微妙に異なっており、それもインゴットシルバー製法によって成形されたバンドの特徴となっています。またそれは、とても硬く見た目以上に重く感じさせ、大変滑らかな肌に仕上げられている為、手首に心地よい装着感となっています。


そこに鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術である『チェイシング/Chasing』と呼ばれる技法と、『ファイルワーク』と言う削る技術を組み合わせ、深く立体的なライン模様を刻み込んでいます。
そうやって形作られたバンドは、エッジーで深い彫り込みによって3本のワイヤーを重ねた(3連)ようにさえ見え、奥行きと迫力のある造形が大変魅力的です。

さらに、その様にして築かれた中央の凸ライン上には、力強く連続したスタンプワークによって素朴ながら力のあるジグザグ/シェブロン柄が描き出され、ナバホジュエリーらしい味わいと陰影が美しいバングルです。


ターミナル(両端)のみ、具体的なモチーフでありアイコニックな【蜂/Bee】をモチーフとした上質なスタンプワークが刻まれています。
ナバホの巨匠【Mark Chee】マーク・チー(1914-1981)の作品や、前述のC. G. Wallace Trading Postで制作されたと思われる作品においてみられるディテールであり、その発祥は不明ですが、1920年代以前から存在しているモチーフです。


これらのプリミティブで端正なシルバーワークは、無機質で緊張感のある表情を生み出していますが、それと同時に作者の熱量や信念というヒューマニティーも宿しているように感じられます。
また、特別な造形センスと技巧の証ともいえるシルバーワークの完成度により、ミッドセンチュリー期の価値観を反映したモダンな美しさを持っています。

現代では、ナバホのトップアーティストである【McKee Platero】マッキー・プラテロ氏等が、本作のようにナバホギルドの代表である【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)が提唱し、育んだ「古典作品(技術)をベースにモダンで完成されたジュエリー」という理念の影響を強く受けています。

初期のMcKee Platero氏の作品では、こちらと同じようなシンプルで簡潔なスタンプワークとチェイシング、ファイルワークのみで構成されたピースが散見されます。
それらをベースにさらに自身の思想や美意識を反映させ、高い次元へと作品を昇華させたマッキー・プラテロ氏は、日本の伝統継承で云う『守・破・離』を体現し、ナバホジュエリーをアートピース/芸術作品に押し上げたシルバースミスでありアーティストです。



【Bee/ミツ蜂】のモチーフは、共同体に対する強い意識と誠実さ、そして幸福を象徴しています。
本作の様にナバホジュエリーにおいても稀に発見可能なモチーフですが、やはり農耕民族であるプエブロの人々に親しまれ、プエブロの作品において多く見られるモチーフの一つです。



【Indian Arts & Crafts Board】(IACB)は、インディアンアートの普及やクオリティーの保全、職人の地位向上等のために現地トレーディングポストやトレーダーによって1937年に組織されました。
『U.S.NAVAJO』『U.S. ZUNI』『U.S. HOPI』のスタンプを使うことで、アメリカ政府の公認を表した公的な意味合いを重視した組織です。

国としての歴史が浅く、カルチャーやアートに乏しいと考えたアメリカ政府が、インディアンアート/クラフトをアメリカの誇る独自のアート・工芸として世界的に認知させることもIACB発足の目的だったようです。

さらに、1930年代以降に隆盛した【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の"Manufacturers"とされる量産化を推し進めたメーカーによるマスプロ品と、その製法や工程において正当なインディアンジュエリーであること等を差別化する事も必要とされていました。
上記のような現在『フレッド・ハービースタイル』と呼ばれるメーカーでは、ジュエリー等の製作に分業化や機械化を進め、結果的にインディアンジュエリー作家の独立や生計を圧迫しました。
そのため、古くからインディアン達と密接に付き合い、インディアンアート/クラフトを扱うトレーディングポストやトレーダー、さらにはインディアンアーティスト自身たちによって、量産化を図るメーカーに対する対抗策が講じられました。

Indian Arts & Crafts Boardもその中の一つで、サンタフェの人類学研究所キュレーターである【Kenneth Chapman】ケネス・チャップマンと、フォートウィンゲート及びサンタフェインディアンスクールで彫金クラスを受け持つナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)の二人によって、その素材から製法・仕上げに至るまで『U.S.NAVAJO』の刻印を許可する厳しいガイドラインが設定されました。

前述の様に末尾のナンバーはそれぞれトレーディングポストや工房を表しています。
現在、判明しているナンバーは・・・
U.S.NAVAJO 1 = Gallup Mercantile
U.S.ZUNI 1 & U.S.NAVAJO 2 = C. G. Wallace Trading Post 等があります。

また、末尾の数字が二桁(20~60、70はナバホギルド)のものはアメリカ中西部に点在している政府が運営するインディアンスクールの彫金クラスで制作されたピースになります。

それらのホールマーク刻印は、ティファニー社に制作をオーダーしたとされており、通常はジュエリー制作の初期段階で刻むのがホールマークや素材表記の刻印ですが、ジュエリーの製法や素材に対する厳正な審査を受けた事を証明する為の刻印であるU.S.NAVAJO/U.S. ZUNI/U.S. HOPIの刻印は、作品完成後に刻印され、中央ではなくサイドやターミナルに近い場所に刻印されている事が多いのも特徴です。

その認証システムは、伝統的な作品を扱うトレーダーにとって非常に重要であり高い需要があったようですが、その審査を担当した彫金の教員経験を持つシルバースミスは僅か数人であり、アメリカ中西部の広い範囲に分布したトレーディングポストを回って審査・認証していくという供給が全く追い付かず、その為にシステム自体が短命に終わってしまったようです。



【C. G. Wallace INDIAN TRADER/C. G. Wallace Trading Post】C.G.ウォレスインディアントレーダーは、【Charles Garrett Wallace】チャールズ・ガレット・ウォレスが、1928年にZUNI /ズ二のジュエリーを専門に扱うトレーダーとしてズニの町で創業し、非常に多くのズニジュエリー作家を支援しました。

創業後すぐに、ナバホのシルバー彫金技術を必要として【Ike Wilson】アイク・ウィルソン(1901-1942)とその兄である【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン(1901-1976)、他にも【Billy Hoxie】ビリー・ホクシー、【Charles Begay】チャールズ・ビゲイ(1912-1998)等の一説には二十数人と言われるナバホ出身のシルバースミスが在籍していたと云われており、こちらの作者もその中の一人による作品だと思われます。

また、彼らの様にズニの町でシルバースミスをしていたナバホの職人は、技術的にはナバホの伝統的な彫金技術を重視していたようですが、植物のようなスタンプワークのデザインや表現等、そのデザインスタイルやディテールには、ナバホジュエリーにはあまり見られないズニ/プエブロの影響を受けていると考えられる作品が多く残されています。

そんな少し特殊な環境や優秀な職人による伝統の継承、さらに経営者であるCharles Garrett Wallaceの献身的なインディアンアーティストへのバックアップにより大変多くの傑作を生み出し、後世に残したトレーディングポストです。

それら残された作品群の一部であるCharles Garrett Wallaceの個人コレクションの約半数は、1975年にアリゾナ州フェニックスのバードミュージアムに寄贈されました。
また、残りの一部はSotheby Parke Bernet社のオークションに出品され、そのオークションカタログは現在でも多くの研究者やコレクターにとっての第一級の資料となっています。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

本作において内側の一部等に見られるようなシルバーの重なったような部分は、ハンマーワークによるインゴット成形作品の特徴です。
この様な特徴は、インゴットシルバーの『マーク』と呼ばれ、制作上のムラではありますが、コレクターに好まれる特徴の一つであり、逆に価値を高めるディテールとなっています。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



本作もインゴットシルバーからの成形を含む、全てのディテールが原始的な技術で構成された素朴なアンティークジュエリーですが、手間を惜しまない丁寧で完成されたシルバーワークと、アンティーク作品と思えないデザインの洗練度、そして長い経年によりアートピース・ウェアラブルアートとしても高く評価される作品に昇華されています。

またこの様な非常にシンプルでミニマルなデザインは、特別な特徴を持っていないようにも感じられますが、一見してU.S.NAVAJOの刻印された作品や、ナバホギルドに所属したシルバースミスの作品が想起されるスペシャリティを有しています。現代においても簡単に再現できない技巧と作者の精神性が注ぎ込まれた作品です。

またそれは、時代を超越した魅力を放ち、ビンテージインディアンジュエリー独特の質感・迫力と共に現代においても色褪せない価値観と造形美が感じられます。


工芸品として練り上げられたクリーンで無駄のないデザインと普遍的な造形美は、多くのスタイルに良く馴染む高い汎用性を示しながら、アートピース・ウェアラブルアートとしても高く評価される作品。硬く強靭な造りと独特な上質感も備えており、タイムレスに末永く長くご愛用いただけるバングルです。


また、作者を特定することはできませんが、素晴らしい造形センスを持ったシルバースミスによるアンティーク作品であり、インディアンジュエリーの深淵な歴史を感じさせるスペシャリティを持ったブレスレットとなっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも大変良好です。細かなキズやシルバーのクスミ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感は少なくとても良い状態を保っています。

また、前述のように内側の一部には僅かなのシルバーの重なりがみられますが、これらは制作中にできる『インゴット製法』独特の特徴で、ご使用により破損につながるものではありません。
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、大変シンプルでありながら手の込んだ造作、特徴的なモチーフのスタンプツール(鏨・刻印)等から『U.S.NAVAJO』の刻印で知られる【Indian Arts & Crafts Board】(IACB)の認証を受けたトレーディングポストが強く想起されるアンティーク/ビンテージバングルです。

ホールマーク(作者や工房のサイン)等が刻印されていない為、正確に作者や背景を特定することは出来ませんが、非常に重厚なバンドの立体的な造形やその洗練されたデザイン、蜂/Beeという生き物をモチーフとしたスタンプワークからは、Indian Arts & Crafts Boardの中でも『U.S. NAVAJO 2』末尾のナンバー2の【C. G. Wallace Trading Post】C.G.ウォレスインディアントレーディングポストで制作された可能性がとても高い作品となっています。

【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)=通称『ナバホギルド』で制作されたブレスレットも想起されますが、ナバホギルドにおいて本作の様なBee/蜂モチーフのスタンプが使用された作品は確認されていない為、ナバホギルドで作られた作品ではないと推測されます。


1930年代後半~1950年代初頭頃に作られた作品で、原始的な技術で形作られていながら、手の込んだシルバーワークや作者の突出した造形センスにより、素晴らしい完成度とオリジナリティが与えらています。

インゴットシルバー(銀塊)からハンマーワークによって成形されたバンドは、非常に厚く重厚な仕上がりとなっており、その重量は45gを超えています。

左右や前後でシルバーの厚みが微妙に異なっており、それもインゴットシルバー製法によって成形されたバンドの特徴となっています。またそれは、とても硬く見た目以上に重く感じさせ、大変滑らかな肌に仕上げられている為、手首に心地よい装着感となっています。


そこに鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術である『チェイシング/Chasing』と呼ばれる技法と、『ファイルワーク』と言う削る技術を組み合わせ、深く立体的なライン模様を刻み込んでいます。
そうやって形作られたバンドは、エッジーで深い彫り込みによって3本のワイヤーを重ねた(3連)ようにさえ見え、奥行きと迫力のある造形が大変魅力的です。

さらに、その様にして築かれた中央の凸ライン上には、力強く連続したスタンプワークによって素朴ながら力のあるジグザグ/シェブロン柄が描き出され、ナバホジュエリーらしい味わいと陰影が美しいバングルです。


ターミナル(両端)のみ、具体的なモチーフでありアイコニックな【蜂/Bee】をモチーフとした上質なスタンプワークが刻まれています。
ナバホの巨匠【Mark Chee】マーク・チー(1914-1981)の作品や、前述のC. G. Wallace Trading Postで制作されたと思われる作品においてみられるディテールであり、その発祥は不明ですが、1920年代以前から存在しているモチーフです。


これらのプリミティブで端正なシルバーワークは、無機質で緊張感のある表情を生み出していますが、それと同時に作者の熱量や信念というヒューマニティーも宿しているように感じられます。
また、特別な造形センスと技巧の証ともいえるシルバーワークの完成度により、ミッドセンチュリー期の価値観を反映したモダンな美しさを持っています。

現代では、ナバホのトップアーティストである【McKee Platero】マッキー・プラテロ氏等が、本作のようにナバホギルドの代表である【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)が提唱し、育んだ「古典作品(技術)をベースにモダンで完成されたジュエリー」という理念の影響を強く受けています。

初期のMcKee Platero氏の作品では、こちらと同じようなシンプルで簡潔なスタンプワークとチェイシング、ファイルワークのみで構成されたピースが散見されます。
それらをベースにさらに自身の思想や美意識を反映させ、高い次元へと作品を昇華させたマッキー・プラテロ氏は、日本の伝統継承で云う『守・破・離』を体現し、ナバホジュエリーをアートピース/芸術作品に押し上げたシルバースミスでありアーティストです。



【Bee/ミツ蜂】のモチーフは、共同体に対する強い意識と誠実さ、そして幸福を象徴しています。
本作の様にナバホジュエリーにおいても稀に発見可能なモチーフですが、やはり農耕民族であるプエブロの人々に親しまれ、プエブロの作品において多く見られるモチーフの一つです。



【Indian Arts & Crafts Board】(IACB)は、インディアンアートの普及やクオリティーの保全、職人の地位向上等のために現地トレーディングポストやトレーダーによって1937年に組織されました。
『U.S.NAVAJO』『U.S. ZUNI』『U.S. HOPI』のスタンプを使うことで、アメリカ政府の公認を表した公的な意味合いを重視した組織です。

国としての歴史が浅く、カルチャーやアートに乏しいと考えたアメリカ政府が、インディアンアート/クラフトをアメリカの誇る独自のアート・工芸として世界的に認知させることもIACB発足の目的だったようです。

さらに、1930年代以降に隆盛した【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の"Manufacturers"とされる量産化を推し進めたメーカーによるマスプロ品と、その製法や工程において正当なインディアンジュエリーであること等を差別化する事も必要とされていました。
上記のような現在『フレッド・ハービースタイル』と呼ばれるメーカーでは、ジュエリー等の製作に分業化や機械化を進め、結果的にインディアンジュエリー作家の独立や生計を圧迫しました。
そのため、古くからインディアン達と密接に付き合い、インディアンアート/クラフトを扱うトレーディングポストやトレーダー、さらにはインディアンアーティスト自身たちによって、量産化を図るメーカーに対する対抗策が講じられました。

Indian Arts & Crafts Boardもその中の一つで、サンタフェの人類学研究所キュレーターである【Kenneth Chapman】ケネス・チャップマンと、フォートウィンゲート及びサンタフェインディアンスクールで彫金クラスを受け持つナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)の二人によって、その素材から製法・仕上げに至るまで『U.S.NAVAJO』の刻印を許可する厳しいガイドラインが設定されました。

前述の様に末尾のナンバーはそれぞれトレーディングポストや工房を表しています。
現在、判明しているナンバーは・・・
U.S.NAVAJO 1 = Gallup Mercantile
U.S.ZUNI 1 & U.S.NAVAJO 2 = C. G. Wallace Trading Post 等があります。

また、末尾の数字が二桁(20~60、70はナバホギルド)のものはアメリカ中西部に点在している政府が運営するインディアンスクールの彫金クラスで制作されたピースになります。

それらのホールマーク刻印は、ティファニー社に制作をオーダーしたとされており、通常はジュエリー制作の初期段階で刻むのがホールマークや素材表記の刻印ですが、ジュエリーの製法や素材に対する厳正な審査を受けた事を証明する為の刻印であるU.S.NAVAJO/U.S. ZUNI/U.S. HOPIの刻印は、作品完成後に刻印され、中央ではなくサイドやターミナルに近い場所に刻印されている事が多いのも特徴です。

その認証システムは、伝統的な作品を扱うトレーダーにとって非常に重要であり高い需要があったようですが、その審査を担当した彫金の教員経験を持つシルバースミスは僅か数人であり、アメリカ中西部の広い範囲に分布したトレーディングポストを回って審査・認証していくという供給が全く追い付かず、その為にシステム自体が短命に終わってしまったようです。



【C. G. Wallace INDIAN TRADER/C. G. Wallace Trading Post】C.G.ウォレスインディアントレーダーは、【Charles Garrett Wallace】チャールズ・ガレット・ウォレスが、1928年にZUNI /ズ二のジュエリーを専門に扱うトレーダーとしてズニの町で創業し、非常に多くのズニジュエリー作家を支援しました。

創業後すぐに、ナバホのシルバー彫金技術を必要として【Ike Wilson】アイク・ウィルソン(1901-1942)とその兄である【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン(1901-1976)、他にも【Billy Hoxie】ビリー・ホクシー、【Charles Begay】チャールズ・ビゲイ(1912-1998)等の一説には二十数人と言われるナバホ出身のシルバースミスが在籍していたと云われており、こちらの作者もその中の一人による作品だと思われます。

また、彼らの様にズニの町でシルバースミスをしていたナバホの職人は、技術的にはナバホの伝統的な彫金技術を重視していたようですが、植物のようなスタンプワークのデザインや表現等、そのデザインスタイルやディテールには、ナバホジュエリーにはあまり見られないズニ/プエブロの影響を受けていると考えられる作品が多く残されています。

そんな少し特殊な環境や優秀な職人による伝統の継承、さらに経営者であるCharles Garrett Wallaceの献身的なインディアンアーティストへのバックアップにより大変多くの傑作を生み出し、後世に残したトレーディングポストです。

それら残された作品群の一部であるCharles Garrett Wallaceの個人コレクションの約半数は、1975年にアリゾナ州フェニックスのバードミュージアムに寄贈されました。
また、残りの一部はSotheby Parke Bernet社のオークションに出品され、そのオークションカタログは現在でも多くの研究者やコレクターにとっての第一級の資料となっています。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

本作において内側の一部等に見られるようなシルバーの重なったような部分は、ハンマーワークによるインゴット成形作品の特徴です。
この様な特徴は、インゴットシルバーの『マーク』と呼ばれ、制作上のムラではありますが、コレクターに好まれる特徴の一つであり、逆に価値を高めるディテールとなっています。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



本作もインゴットシルバーからの成形を含む、全てのディテールが原始的な技術で構成された素朴なアンティークジュエリーですが、手間を惜しまない丁寧で完成されたシルバーワークと、アンティーク作品と思えないデザインの洗練度、そして長い経年によりアートピース・ウェアラブルアートとしても高く評価される作品に昇華されています。

またこの様な非常にシンプルでミニマルなデザインは、特別な特徴を持っていないようにも感じられますが、一見してU.S.NAVAJOの刻印された作品や、ナバホギルドに所属したシルバースミスの作品が想起されるスペシャリティを有しています。現代においても簡単に再現できない技巧と作者の精神性が注ぎ込まれた作品です。

またそれは、時代を超越した魅力を放ち、ビンテージインディアンジュエリー独特の質感・迫力と共に現代においても色褪せない価値観と造形美が感じられます。


工芸品として練り上げられたクリーンで無駄のないデザインと普遍的な造形美は、多くのスタイルに良く馴染む高い汎用性を示しながら、アートピース・ウェアラブルアートとしても高く評価される作品。硬く強靭な造りと独特な上質感も備えており、タイムレスに末永く長くご愛用いただけるバングルです。


また、作者を特定することはできませんが、素晴らしい造形センスを持ったシルバースミスによるアンティーク作品であり、インディアンジュエリーの深淵な歴史を感じさせるスペシャリティを持ったブレスレットとなっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも大変良好です。細かなキズやシルバーのクスミ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感は少なくとても良い状態を保っています。

また、前述のように内側の一部には僅かなのシルバーの重なりがみられますが、これらは制作中にできる『インゴット製法』独特の特徴で、ご使用により破損につながるものではありません。
Size

メンズサイズ L - XL 程度

内径最大幅 約61.0㎜    正面幅(高さ) 約16.8㎜
内周 約143㎜    開口部 約28㎜
Inside Measurement 5 5/8inch   opening 1 1/8inch 

※バングルはサイズ調整可能です。ML~XXLサイズ以下の男性であれば多くの方にフィットすると思われます。
ただし、サイズ調整の際は無理な力を加えますと破損の原因となることがありますのでご注意ください。

サイズ(手首寸法)をお伝えいただければ、当店で調整後のお渡しが可能です。お気軽にお申し付けくださいませ。

Material

Ingot Silver    約46.7.g