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【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、サンドキャストで成形された『コーンフラワー』をモチーフとしたトップと、スペシャリティのあるハンドメイドチェーンが大変魅力的なアンティーク/ビンテージネックレスです。

特殊な造作のチェーンを含め、全てのディテール・工程が伝統的な技術によってハンドメイドで仕上げられた作品であり、トップのバチカンは脱着が容易なフックタイプの為、後から組み合せられた可能性もありますが、おそらくはチェーンとトップが元々組まれていた、オリジナルの状態である事が推測されます。


サンドキャスト(砂型鋳物)による成形技術は、殆ど変化することなく現在に至るまで多くの作品が制作され、ナバホジュエリーのオーセンティックな造形スタイルの一つとなっています。
その為、正確な制作時期を判断するのは困難ですが、本作では裏側の仕上げ処理や中央にマウントされたターコイズ、チェーンやデザイン等から、1940年代～1960年代頃に制作された作品と推測されます。

また本作には、ホールマーク(作者のサイン)等が刻印されていない為、正確に作者や背景を特定することが出来ません。
同時に発見された前オーナーのコレクションからは【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)=通称『ナバホギルド』で制作された作品である事も推測されますが、残念ながら明確にはなっておりません。


全てのシルバーワークが伝統的な技術により構成されており、シルバーチェーンもすべてハンドメイドによって成形されています。
このようなチェーンは、2本のシルバーワイヤーを撚り合わせる事で生み出したツイステッドワイヤーを14本作製し、それらを丸環で連結する事でチェーンとしており、とても手の込んだ表情豊かなチェーンとなっています。


トップのコーンフラワーをモチーフとした造形は、サンドキャストで成形されています。
立体的に造形された百合の紋章の様なシェイプをベースに、美しいターコイズがマウントされており、程よいサイズ感と重厚な造作により上質なターコイズを引き立てながら、バランスが良くハイエンドな雰囲気を醸すネックレスとなっています。

さらに、大変丁寧に仕上げ工程が施されており、多くのサンドキャストに見られる独特な凹凸のある質感が僅かには残っていますが、表裏ともに削り磨くことでなめらかなでスムースな肌に仕上げられており、現代作品に比べ多くの手間と時間が費やされています。


マウントされたターコイズについては、明確に鉱山を特定することは困難ですが、強い発色を持つロイヤルブルーのグラデーションをベースに、チョコブラウンのマトリックスが入り、素晴らしい透明感が特徴的な石です。

奥行きと透明感により高い硬度を感じさせ、ビンテージインディアンジュエリーらしい味わいと深遠な景色を見せるジェムクオリティの無添加ナチュラルターコイズです。



こちらのモチーフとなっている【Cornflower】コーンフラワーは、ヤグルマギクではなく『トウモロコシの花』を表すものと思われ、その発祥は明確になっていませんが、1920年代前後の【Eskiesose】エスキーソセ=【Etsitty Tsoie】エツィッティ・ツォージー(c.1880-1937)が【C. G. Wallace Trading】C.G.ウォレス トレーディングで制作したいくつかのナジャネックレスで見られるデザインで、おそらくそれらの作品が発祥と推測されます。
Etsitty Tsoieは、スタンプ(鏨)を制作する職人としても有名な作家で、現在もその人物像や詳細が明らかになっていませんが、1975年に開催されたThe C. G. Wallace Cllection of American Indian Artオークションのカタログに同作者による素晴らしい作品が多数紹介されています。

また、1930年代以降は【Austin Wilson】オースティン・ウィルソンなどの作者によって受け継がれますが、植物モチーフの為、元々が狩猟民族であるナバホの作家よりも農耕民族の多いプエブロの作家に好まれたモチーフです。

1960年代以降には、現在トップアーティストとして活躍する作家【Cippy CrazyHorse】シピー・クレイジーホースの師であり、父親としても有名なコチティ族の巨匠【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ(1915-1991)が制作しており、コーン/コーンフラワーのモチーフは、現代のホピ族の作品でも多く見られる伝統的で重要なモチーフの一つとなっています。



本作のコーンフラワーモチーフは、ヨーロッパにおいての『百合の紋章』を彷彿とさせるクラシックなイメージのデザイン/造形ですが、シルバーの質感やアーシーなターコイズによって醸し出される表情には、武骨で骨太なインディアンジュエリーの美意識や価値観を宿しているようです。


また、ナバホギルドでも好まれたサンドキャスト技法で技術で作り上げられたトップは、ビンテージインディアンジュエリー独特のワイルドな味わいと共に、素晴らしい造形センスによりエッジーでクリーンな印象も備えています。
さらに、スタンプワークの刻まれていないシルバーのソリッドな表情や、使いやすいサイズ感、そしてシンプルで洗練されたデザイン/造形は大変現代的で、あらゆるスタイリングにフィットし、性別を問わず長年にわたってご愛用いただけます。


上質なターコイズと普遍的で完成された造形美により、工芸品としてもジュエリーとしてもタイムレスな魅力を感じさせるネックレス。アンティーク作品独特の迫力も有するコレクタブルなピースであり、トレジャーハントプライスな作品となっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも良好。細かなキズやシルバーのクスミ、ハンドメイド特有の制作上のムラ等は見られますが、目立ったダメージの無い状態です。

またターコイズには、天然石のためマトリックス/母岩部分にカットされた時からの凹凸が見られますが、クラック等のダメージはなく現在も艶と透明感を保っています。