【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、大変美しいターコイズをメインとしたアンティーク/ビンテージのピン(ピンズ)。とても小さな作品ですが、丁寧なハンドメイドによって仕上げられ、ビンテージ作品ながら非常に現代的な印象を持った作品となっています。

本作は本来、タイタックピン/タイピンと呼ばれるアイテムを原型としていますが、こちらにはキャッチパーツにチェーンにつながれた小さなバーがついていないタイプの為、ネクタイをシャツにホールドすることは出来ません。現在の日本における「ネクタイピン」は、バー形状でクリップタイプのものが主流となっていますが、元々はこちらの様な針/ニードルパーツの付くピンが「タイピン」です。ネクタイの中央にピンをセットし、チェーンでつながれた小さなバーをシャツのボタンホールに通すことでシャツとネクタイを接続します。1950年代までは多くみられたアイテムであり、非常にエレガントで美しいポイントとなりますが、ネクタイに穴をあけることになる為、現在では前述のようなクリップタイプの「タイバー」が主流となりました。
現在では、本作の様にタイピンのニードルパーツを備えたアイテムがピンズと呼ばれて普及しており、ジャケットのフラワーホールに飾る「ラペルピン/ブートニエール」へと流用され、その使用法と共にアイテムとしても生まれ変わっている印象です。

1960年代～1970年代頃の作品と思われ、土台部分はハンマーワークによって叩き潰したシルバーに、ランダムにスタンプを刻むことで、まるで自然の火山岩や岩肌の様な表情が与えられています。そこに上質なターコイズがマウントされることで、素晴らしいコントラストが生み出され、非常にモダンで洒落た印象に仕上げられています。また、その石を固定するベゼル(覆輪)には、エッジに刻みの入るノッチドベゼル/トゥースベゼルが採用されており、そのベゼルの厚み部分にもライン状のスタンプワークが施される事で、ベースとなっているアーシーな土台と自然な繋がりを実現しています。
とても小さな作品ですが、ターコイズの美しさを際立たせ、上質感のあるピンとなっています。また、インディアンジュエリーらしい煌びやか装飾品ではなく、自然との繋がりを感じさせる価値観も感じ取れる作品となっています。

マウントされたターコイズは、その鉱山を明確にすることは出来ませんが、色相やマトリックスの特徴からは【Godber/Burnham】カドバー/バーナムターコイズと推測されます。素晴らしい透明感を持つ美しい水色にタイトなブラック/グレーのスパイダーウェブが入ります。
同鉱山の特徴として、アルミニウムが多く含まれることで透明感のあるミルキーブルーになるとされていますが、本作にマウントされた石は比較的濃く深い青さを湛えています。また、とても静かで澄んだ色相にタイトなウェブが入ることで、どこか上品な印象さえ与える、ハイグレードなターコイズとしては珍しい石となっています。シルバーワークとのコントラストも素晴らしく、ジュエリーとしての完成度も飛躍的に高めている無添加ナチュラルのハイグレードターコイズとなっています。


その様な素晴らしいターコイズをメインとした作品であり、フォーマルなシーンにもフィットさせることが出来る質と品位のあるジュエリーとなっています。ラペルピン/ブートニエールやアウターのワンポイントとしても粋なアクセントになってくれますし、日常のスーツに違いを生み出せる作品です。ニードルを受ける留め具/キャッチパーツに厚みがある為、ハットピンなどには向いていませんが、シンプルで普遍的な造形美を持つこちらの作品は、多くのアイテムに違和感なくフィットすると思われます。
サイズはとても小さいですが、本作にマウントされたターコイズの神秘的な美しさは、日常の装いをさり気なくスタイルアップしてくれます。

独自のテクスチャーによるアーシーで武骨なシルバーワークと、美しく上質なターコイズが作り出すモダンな表情、そして作者の価値観を宿す造形により、工芸品としてだけでなくアートピース・ウェアラブルアートとしても評価される大変コレクタブルな作品です。
また、類似作品を発見するのが不可能に近い希少性もあり、トレジャーハントプライスなピースとなっています。

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コンディションも大変良好です。全体に多少のクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感は感じられず、ターコイズを含めとても良好な状態をを保っています。