【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、シルバーワイヤーをツイストし、さらにそれをハンマーワークによってトライアングル(竜骨型)に成形した作品で、同スタイルのピースの中でも独特のシェイプ(断面)を持つアンティーク/ビンテージバングルです。

1940年代後半～1950年代頃の作品と思われ、インディアンジュエリーの中でも古くからみられるスタイルの一つであるツイステッドワイヤーを、同じく伝統的なシェイプであるトライアングル(竜骨型)ワイヤーに仕上げた作品。 古い作品独特の印象と風格を持ったバングルです。
おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形したシルバーワイヤー2本を撚り合わせることでツイステッドワイヤーを制作し、木に彫り込まれたトライアングル型の溝や金型を使い、そこにハンマーで叩き沿わせることによって成形しており、シンプルながら手の込んだインディアンジュエリーらしさが堪能できるバングルです。非常に手間と時間がかかり、均一なクオリティーや仕上がりを保つことが技術的に難しい造形と、完成した作品は素朴で派手さのない印象もあって現代の作家はほとんど作らなくなてしまった造形の一つです。

さらにこちらは、通常のトライアングルシェイプではなく、特殊な溝か金型を用いて成形されており、トライアングルの側面が丸く抉れるシェイプになっており、トップ部分(トライアングルの頂点)はライン上に丸みが残されています。同じようなツイステッドワイヤーをトライアングル型に成形したスタイルのピースにおいてはハンマーワークの強弱によって、エッジの仕上がりに大きな差が生まれ、それが作品の持つ表情や印象にも大きな違いをもたらしますが、こちらの様な変則的なシェイプを持つものは大変珍しい個体であり、その仕上がりも独特の表情を持っています。

また、丁寧にパウンティングされたシルバーの質感はとてもなめらかに仕上げられ、 内側も肌によく馴染む質感になっており、変則的なトライアングルシェイプは、奥行きのあるツイステッドワイヤーの造形に、さらに複雑な表情が与えられています。

このようなツイステッドワイヤーをハンマーワークによってフラットなシェイプや、トライアングルに成形するスタイルは非常に古くからみられる造形の一つですが、1940年代以降、【The Navajo Arts & Crafts Guild】通称ナバホギルドにおいてリバイバルされた造形スタイルの一つです。


【The Navajo Arts & Crafts Guild】(NACG)※以下ナバホギルドは、インディアンアートの普及やクオリティーの保全、職人の地位向上等のために、1941年にギルドとして発足されました。ナバホのシルバースミス【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)をはじめとする後の巨匠たちが名を連ね、後進の育成や伝統的な技術の伝承、インディアンジュエリーのさらなる普及などを進めました。
ナバホギルドによる作品群は特徴的で、全体に回顧主義的なオールドスタイル(リバイバル)でありながら、洗練された美しい作品が多く制作されました。


こちらの作品も共通した理念が感じられ、古典期の作品をベースにシルバーワークのクオリティーや完成度や高めることで、洗練された印象を与えられています。

トライアングルのエッジーなシェイプと、少し黒く重厚なシルバーの表情が男性的な印象。ナローな幅ですが、ビンテージインディアンジュエリーらしいプリミティブな製法と武骨な印象がスタイルのアクセントとして大変使いやすく、多くのスタイルに違和感なく馴染みやすい作品です。単独でもしっかりとした存在感がありますが、重ね付けにも向いた造形です。

また、こちらのようなツイステッドワイヤーで構成された作品は、造形の彫が深いため、日常的な着用により凹凸のコントラストが強くなり、その奥行きと完成度を高めていきます。

着用画像はこちら↓
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コンディションは、シルバーのクスミ等は見られますが良好です。 ダメージやリペアの跡等もなく良い状態を保っています。